Project/Area Number |
23K20968
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Project/Area Number (Other) |
21H01432 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
椿 涼太 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80432566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾花 まき子 中部大学, 工学部, 准教授 (10447831)
周 月霞 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10974339)
吉村 英人 岐阜大学, 工学部, 助教 (40975249)
赤堀 良介 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50452503)
戸田 祐嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60301173)
川村 里実 (山口里実) 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 主任研究員 (70399583)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | 礫河川 / 中小洪水 / 土砂動態 / 時系列 |
Outline of Research at the Start |
北海道を流れる十勝川水系札内川をフィールドとし,6月に実施されたダムからのフラッシュ放流にあわせて,ハイドロフォンと圧力変動計測装置・Spheraの二つの計測装置を一セットとして三箇所に配置して,フラッシュ放流中の土砂移動量と圧力変動のデータを取得した.このフィールドでは,粗粒化は進行しておらずフラッシュ放流を含めた中小出水でも,一定の土砂移動がおきる.河川管理者が工区設定を行って継続的に河川環境調査を実施しており,人為的攪乱として水路掘削が行われた工区を中心とした調査を行った.
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Outline of Annual Research Achievements |
北海道を流れる十勝川水系札内川をフィールドとし,6月に実施されたダムからのフラッシュ放流に合わせて,ハイドロフォンと圧力変動計測装置・Spheraの二つの計測装置を一セットとして河道内の三箇所に配置して,フラッシュ放流中の土砂移動と河床近傍での圧力変動のデータを取得した.このフィールドでは,粗粒化は進行しておらずフラッシュ放流を含めた中小出水でも,一定の土砂移動がおきている.河川管理者が工区設定を行って継続的に河川環境調査を実施しており,人為的攪乱として水路掘削が行われた工区を中心とした調査を行った. 現地計測では,地点毎に,ハイドロフォンで取得される2チャンネル (Ch), 96 kHzの圧力変動データ,圧力変動計測装置・Spheraにより得られる3 Ch, 50 Hzの圧力変動データを取得した.2019年から2023年まで5年分のフラッシュ放流に合わせて実施した現地計測結果をもとに,また河川管理者により実施された測量結果も参照しつつ,掘削水路の河床変動と土砂移動状況の分析を行った.その結果,水路掘削の直後は河床形状が安定しておらず,局所的な堆積や洗掘が生じていたが,近年は掘削水路の内部はフラッシュ放流中には動的平衡に近い状態であり,大きな河床変動が生じていないことは確認された.ところが2023年のフラッシュ放流前には,掘削水路への平水時の流れがなくなっており,フラッシュ放流での土砂移動もほとんど発生していないことが本研究で確認された.このような傾向を踏まえると,大きな出水による大規模な河床変動が生じない限り,平水時に冠水しない掘削水路への植生侵入が進み陸地化することが示唆される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地計測で得られた圧力変動データの考察のために実施している,流れの三次元数値計算と水理実験を用いた,粗面流れを再現と,底面圧力と乱流の関連の検討を進めているが,2022年度は,数値計算上の非物理的な圧力変動が課題となっていた.2023年度には,その課題の解消ができた. 河床変動計算による地形変化の分析について,平面二次元の混合粒径の河床変動計算を実施して,2022年のフラッシュ放流後から2023年のフラッシュ放流前に起きた,比較的大きな河床変動の再現にとりくんだ.現地で確認された傾向を再現する計算条件(境界条件等)が整理できた.2022年中に起きた,比較的大きな河床変動により,本研究で着目している掘削水路と主流の分岐点での,掘削水路入り口の比高が変わり,主流から掘削水路に流れ込む平水がなくなっている.他方,下流では,掘削水路が主流化した区間もある. 2023年のフラッシュ放流の現地計測ではハイドロフォンの高性能化を進め,それに伴いロガーシステムを更新した.その機器変更と,2022年中に比較的大きな河床変動が生じて,河床が不安定化したことが重なり,2023年の現地観測でハイドロフォンのロガーについて3つのうち2つが流失し,1つは回収できたがもう1つは未回収である.このような問題を解消するため,計測機器の設計を更新し,2024年の現地計測に備えている.2023年のフラッシュ放流の現地計測にて,1機のロガー未回収はあるが,それ以外のデータは取得でき,2023年のフラッシュ放流で生じた活発な河床変動にかんする貴重な現地計測データを取得することができた. 以上を総合すると,現地計測および数値計算の課題について解決策がみつかり,調査地点の河床変動も活発化して興味深いデータを取得できており,全体として順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
ハイドロフォンのロガー流失対策として,ロガーを機器固定の為のオモリの内部に収納することとし,その為のオモリを設計し鋳造工場で作成することとした.2023年の現地調査では0.5m程度の堆積および浸食が起きた地点で現地調査を実施して,ハイドロフォンのロガー以外の機器は設置場所にて回収できている.ロガー流失を防止することができるはずで,その結果,堆積や浸食が起きる河床でも確実にデータを取得できるようになる. 数値計算結果と水理実験を用いて,Spheraで計測する底面圧力と乱流の関連の基礎的検討をさらに進める.さらに,その検討結果をもとに現地計測データの分析を進めて現地河川で起きている流れ・土砂移動・河床変動の相互作用の分析に展開する.すなわち,現地計測結果から,地点毎の土砂移動形態の類型化と,河道網にそったリーチスケール土砂動態の時系列変化として整理する.ここで時系列とはフラッシュ放流の水位上昇期~ピーク期~水位降下期という意味合いだけでなく,経年的な変化も追跡する. これらの過去に現地で起きた現象の検討結果を踏まえつつ,フラッシュ放流の放流水量を削減しつつ攪乱効果の発揮を狙う方策を提案することを狙う.
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