Project/Area Number |
23K21034
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Project/Area Number (Other) |
21H01606 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26010:Metallic material properties-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宮内 直弥 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 技術開発・共用部門, 主任エンジニア (70451416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 義治 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究センター, 主任研究員 (10354193)
板倉 明子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, マテリアル基盤研究センター, NIMS特別研究員 (20343858)
矢ヶ部 太郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, マテリアル基盤研究センター, 主幹研究員 (80354364)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
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Keywords | 水素可視化 / 腐食 / 水素脆化 / 電子衝撃 / 電子衝撃脱離 / 溶接 / 水素 / 構造材料 |
Outline of Research at the Start |
金属材料中の水素透過を高い空間分解能で可視化することで,局所的に組成や構造が異なり水素脆化の起点となるといわれている溶接箇所や腐食箇所での水素挙動を解明する.本研究では電子励起脱離(ESD)で放出される粒子のうち,現行の水素イオンに加えて中性活性水素を検出することで,腐食による表面組成変化が実験データに及ぼす影響を除去し,化学組成・構造・歪が複合的に作用する水素透過挙動の影響因子を一つずつ分離する.レーザーアシストシステムを構築し,水素信号強度を一桁上げ,空間分解能20 nm以下・一画像処理時間150 秒で表面水素像を取得し,腐食箇所・溶接箇所の水素の特異挙動を抽出する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,金属材料などを透過する水素の可視化を目的としている.走査型電子顕微鏡をベースに電子衝撃脱離法を用いた透過水素を可視化するオペランド水素顕微鏡を開発している.この手法は表面水素をイオン化し検出を行っている.そのため表面構造によるイオン化効率が一定である必要がある.しかし腐食材料など酸化によって表面構造が変化した場合は,イオン化効率の変動が起こる.その結果イオンとイオン化しない中性解離種のバランスが変わる事が想定される. そのため電子衝撃脱によるイオン化のみならず中性解離種を新たに計測する手法を確立するため,電子とレーザーを組み合わせたレーザーイオン化機構を作製した.昨年度準備したレーザーイオン化機構は装置の中心となる電子顕微鏡に付加する関係から小型の光学系であった.そのためレーザー光の調整が困難であり調整可能なよう光学系の設計変更をおこなった. 本研究は,調整・検出のしやすさからPdなどの水素透過材料でこれまで計測をおこなってきたが,昨年度装置真空度の改善などを含めてよりS/Nの良い実験を行えるようになった.レーザーとの組み合わせを考慮し,軽水素及び重水素を用いた計測を行い同位体効果について新たな知見を得た.ここまでの装置開発及びその議論をまとめ論文として出版した.またイオン化の効率や材料そのものからの水素透過を定量的に評価出来るよう標準コンダクタンス(SCE)を用いた計測をおこなった.この結果は学会等で報告をした上で現在論文投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置構築を進め研究を遂行している.高強度鋼と腐食を含む高強度鋼を比較する上で水素透過量の定量性は大変重要である.今年度標準コンタクダンスエレメント用いた実験を行うことで透過水素量に対しイオン化効率を含んだ定量性について議論が進んだ.この結果については現在論文投稿中である.また水素透過のメカニズムを議論する上で,水素及び重水素を用いた同位体効果などは必要な知見であり,今年度水素及び軽水素を用いた実験を行なった.これまでの装置開発及び軽水素・重水素実験の比較などを論文としてまとめ発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,本研究テーマである腐食部を含む高強度材料の計測を実施する予定である.イオン化効率を含めた定量化に道筋が立った.本水素可視化装置であるオペランド水素顕微鏡は,腐食部と通常組織のを同一画面上で計測が可能であることから,腐食部・通常組織部の違いなどを含めた計測を行なっていく.
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