Project/Area Number |
23K21036
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Project/Area Number (Other) |
21H01612 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 和俊 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (60743036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馮 斌 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (20811889)
川原 一晃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90869570)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | 粒界 / 走査透過型電子顕微鏡法 / 第一原理計算 / 原子構造 / 酸化物 / 走査透過型電子顕微鏡 / 金属 / 走査透過電子顕微鏡法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、粒界研究における原子分解能走査透過顕微鏡法(STEM)および理論計算法を、純粋数学の手法により統合し体系化する新しい試みである。粒界原子構造と機能特性の相関性や材料現象の本質を包括的に理解するためには、純粋な幾何学的視点からの理論的アプローチが極めて重要であり数学的知見を基軸として原子分解能STEMと各種分光法を併用した定量的な解析を行う。さらに原子レベルの情報から数学的知見を駆使して粒界最安定構造を決定する要因を特定し、粒界現象の背後に存在する数理構造を抽出する。それを新たな材料設計指針に生かし、3次元粒界構造を制御した新規機能材料の提案を行うことが目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
金属や酸化物等の多結晶体として用いられる材料の内部には、無数の格子欠陥が存在する。特に、二次元欠陥である粒界には複数の準安定構造が存在するとともに、粒界近傍ではバルクと異なる特異な原子配列が存在し、原子構造と機能特性との関係を複雑化させる要因となっている。従って機能特性への影響を定量解析するためには、双結晶などのモデル材料を用いる手法が有効である。整合粒界はこれまで対応格子理論における指標Σによって分類されており、特に傾角粒界の原子構造は電子顕微鏡像上に二次元構造ユニットを描いて検討されてきた。しかしながら、粒界特有の諸現象を根源的に理解するためには粒界三次元構造の解明が重要であり、粒界多面体に着目した三次元的記述がより本質的である。 面心立方格子や六方稠密格子を例にとれば、正四面体と正八面体の二種類の多面体によって空間充填されるが、粒界近傍では形状が変化する。本研究では、面心立方金属の[001]および[110]非対称傾角粒界の原子モデルを系統的に構築し、古典分子動力学法により最安定構造を求め粒界多面体の抽出を行ったところ、非対称傾角粒界近傍を充填する多面体は、結晶構造を歪ませた多面体と、粒界特有の多面体とに大別され、粒界多面体は特定の短周期対称傾角粒界に出現する多面体により特徴づけられることが分かった。また、粒界近傍に存在する粒界多面体の配列には、整合方位を反映した整数論的階層性が存在することが分かった。この階層性を用いて、整数論的手法に基づいた構造予測が可能であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、面心立方金属の非対称傾角粒界を構成する多面体配列について、幾何学的に要請される構造を定量的に明らかにした。また、整数論的手法を用いて粒界構造を効率的に予測する手法を確立した。任意の非対称傾角粒界に適用できる粒界構造予測法を構築した点において、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
面心立方金属に対して得られた結果をより精密化し、金属の面心立方副格子を有する酸化物の非対称傾角粒界に対しても適用できるか、原子分解能走査透過型電子顕微鏡法および理論計算を併用し総合的に検討する。原子多面体は粒界ボイドと等価であり、酸化物粒界近傍における偏析挙動は、粒界多面体配列と相関があると期待される。理論計算を用いて安定偏析サイトを決定し、粒界多面体の配列との関係について検討を行う。 また、この手法を捩り粒界の構造解析に応用する。機械学習ポテンシャルを用いた分子動力学法を活用し、第一原理計算では扱えなかったより長周期の粒界についても最安定構造を求める。傾角・捩り粒界における最安定構造探索を効率的に行うためのスクリーニング手法を確立するため、粒界多面体分布と粒界エネルギーとの相関性を明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)