Project/Area Number |
23K21049
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Project/Area Number (Other) |
21H01666 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岩本 知広 茨城大学, 応用理工学野, 教授 (60311635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 繁 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10292773)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥13,650,000 (Direct Cost: ¥10,500,000、Indirect Cost: ¥3,150,000)
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Keywords | 超音波接合 / その場観察 / 透過型電子顕微鏡 / 接合界面 |
Outline of Research at the Start |
被接合材料に超音波と荷重を印加することで接合を達成する超音波接合法は、極短時間、室温、大気中で簡単に金属同士を接合出来るため、半導体分野の配線の接合などに応用されている。しかしながらその接合機構については不明な点が多かった。本研究では、透過型電子顕微鏡で試料を観察しながら超音波接合する装置を開発することで、その接合過程をナノレベルから明らかにする。接合を促進する主因子を解明することで、プロセスの最適化、新規の接合法の創成などを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
超音波接合法は2つの被接合材料に荷重をかけながら超音波を印加することで、材料同士を接合する方法である。接合部では摩擦熱により温度が上昇すると共に材料表面の酸化物が取り除かれ、新生面同士が接触することで接合するとされている。しかしながら材料特性と接合性の関係は十分に明らかになっておらず、接合可能な材料は限られていた。本研究は透過型電子顕微鏡内で超音波接合を行うことで、そのプロセスをナノレベルで明らかする。プロセスにおける接合素因子を抽出することで、超音波接合法の応用範囲を広げることを目指す。 本年度は、新たに開発した超音波接合その場観察ホルダーをAl同士、Au同士の接合に応用し、接合プロセスをその場観察した。それらを比較することでナノレベルで起こっているプロセスの違いを明らかにした。Al同士の接合では、Al表面に存在していた酸化物が除去され、多数のナノ粒子が接合界面近傍に生成した。それらが界面に沿って集積することでAl間に微細粒領域を形成し、接合することが明らかになった。これに対しAu同士の接合では、Auのナノ粒子は生成するが接合界面全体に分布することはなく、局所領域に集積する傾向が見られた。Auのナノ粒子は連なりAu同士の間に架橋するような形態で接合が達成された。このプロセスの違いは接合の阻害因子である材料表面の酸化物に起因すると考えられた。 このように超音波接合にナノ粒子が関与しており、その特性の違いが超音波プロセスに影響を与えていることが、本研究で初めて明らかになった。これは接合プロセスをナノレベルで直接その場観察することで初めて見いだせることであり、接合研究に新たな方向性を与えたものとして高い意義を有すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請により新たに開発している超音波接合過程観察ホルダーは、不具合の発生箇所を突き止め改良し、また動作環境を整備することでおおむね安定に稼働し、格子欠陥について再現性よく観察できるようになってきた。またAl同士の超音波接合観察だけでなく、Au、Niなどとの接合観察も成功し、材料による接合プロセスの違いを議論できるようになってきた。おおむね順調に実験は進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、TEM観察中における超音波接合時に像分解能が低下する問題があった。これについて、ホルダー駆動電源の入力電源ノイズを低減させた結果、観察像の振動を抑え、ある程度解像度を上げることが出来た。また、これによって接合界面近傍の点欠陥や転位の挙動の観察を安定して行うことが可能になってきた。今後は、その場観察例を増やし、超音波振動方向や出力など接合条件との関係について詳細に検討すると共に、超音波接合における格子欠陥の挙動など、さらに分解能を上げた観察を行っていく方針である。 また昨年度はAl同士とAu同士の超音波接合について研究を行った。この結果表面酸化物の有無により、接合プロセスが大きく変わることが明らかになってきた。本年度は、さらに積層欠陥エネルギーが異なるCuなどの超音波接合その場観察を行い、接合過程における格子欠陥の挙動について研究を進める。 異材の超音波接合として、昨年度AlとNiの接合を試みた結果、Niの湾曲や摩耗など、特異な変形挙動が観察された。本年度は引き続き詳細な解析を行う。また、超音波接合法の応用として、熱電材料であるFAST(Fe-Al-Si合金)材料とAl、Cu、Auなどの接合を行い、そのナノレベルでの接合挙動についても明らかにする。
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