Resin reinforcement ability of surface modified cellulose nanofiber with polydopamine
Project/Area Number |
23K21058
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Project/Area Number (Other) |
21H01705 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27020:Chemical reaction and process system engineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長嶺 信輔 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30335583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引間 悠太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50721362)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | セルロースナノファイバー / ポリドーパミン / 樹脂補強フィラー / 表面修飾 |
Outline of Research at the Start |
植物繊維を解繊して得られるセルロースナノファイバー(CNF)は低環境負荷型の樹脂補強フィラーとして期待されているが,その高い親水性のため疎水性の樹脂との複合化には表面修飾等の処理が必要となる。本研究では,様々な固体に接着性を示すポリドーパミン(PDA)によりCNF表面をコーティングし,さらにPDA層に種々の官能基を導入することで,CNFの化学構造を維持したまま簡便に表面修飾を行う手法を開発する。表面修飾CNFと種々の樹脂との複合材料を作製し,それらの機械的強度より補強効果を評価する。CNFの表面修飾が補強効果に及ぼす影響を,導入した官能基の樹脂との親和性,接着性に基づき体系的に整理する。
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Outline of Annual Research Achievements |
セルロースナノファイバー(CNF)の樹脂補強フィラーとしての性能,汎用性を高めるための表面修飾法の開発を行っている。具体的には,様々な固体に接着性を示すポリドーパミン(PDA)によりCNF表面をコーティングし,さらにPDA層に種々の官能基を導入する。前年度にPDA修飾CNFへのオクタデシルアミン(ODA)付加反応による官能基導入を対象に温度,反応時間の影響について検討し,ODA濃度の経時変化を表現するモデルを構築した。この結果は化学工学会第54回秋季大会にて発表した。 今年度は繊維径の異なるCNFに対する表面修飾について検討を行った。CNFに対するPDA修飾量および官能基導入量は繊維径の微細なCNFにおいて増加する傾向が見られた。しかし微細なCNFに対して繊維径よりも粗大な粒子の生成が観察されるなど,PDAの均一な被覆が課題であり,PDAコーティング工程の条件を再検討する予定である。また,表面修飾CNFをシート状に成形し,PP板に圧着し,せん断引き剥がし試験により接着性を評価した。PDA修飾,OD基の導入による接着性の向上から疎水性樹脂との親和性の改善が確認できた。 CNFを殻剤とした蓄熱マイクロカプセルの開発についての研究を行った。芯物質として室温で固液相転移し融解潜熱の大きいヘキサデカン(HD)を選択した。CNF分散液中でのHDの超音波乳化により,殻にCNF間空隙に由来する細孔を有するマイクロカプセルを作製した。マイクロカプセル径は油水相体積比およびCNF繊維径により制御可能であり,それらの関係を表現するモデルを提案した。先述のCNFマイクロカプセル殻内の細孔はPDAでの被覆により密閉することが可能である。CNF/PDAマイクロカプセルの熱挙動をDSCにより評価し,室温付近での蓄熱性能を示すことを確認した。以上の研究結果の一部は化学工学会第89年会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの3年間で,繊維径の異なるCNFへのPDA修飾,ODAを用いたPDA層への官能基導入について検討している。特に官能基導入については,異なる温度におけるODA濃度の経時変化の測定結果に基づき,メカニズムを良好に表現できるモデルを構築している。最終年度には表面修飾CNFによる樹脂の補強性能の評価に取り組む予定である。また, CNFを殻材としたマイクロカプセルの開発に関する研究にも着手しており,カプセル径の制御指針を確立したことに加え,PDAによる空隙の密閉化が可能であることを示している。以上より概ね順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
表面修飾CNFとの複合化の対象樹脂を,疎水性のPP,PEに加えアクリル樹脂にまで拡張する。PP,PEに対しては,疎水性の長鎖アルキル基,フェニル基を導入した表面修飾CNFとの複合化を,高温,高せん断下での混練により行う。アクリル樹脂はアセトン等の極性溶媒に可溶であるため,溶媒キャスト法により表面修飾CNFとの複合化を試みる。導入する官能基としてアセチル基,カルボキシル基を候補とする。作製した複合体の機械的強度,および複合体内のCNFの分散状態の評価を行い,導入官能基の種類,量と補強効果の関係について考察する。また,並行して CNFとPDAを殻材とした蓄熱マイクロカプセルの作製について検討を行う。CNFで安定化させたエマルション油滴表面でのPDA生成により,CNF間空隙に由来する殻内の細孔を密閉することが可能である。また乳化時の油水体積比やCNF繊維径によりカプセル径を制御できることを見出している。本年度はマイクロカプセル表面への官能基導入による溶媒,樹脂への分散性への影響について検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)