Project/Area Number |
23K21086
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Project/Area Number (Other) |
21H01854 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
西 剛史 茨城大学, 応用理工学野, 教授 (70518331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
助永 壮平 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20432859)
鈴木 茂 東北大学, マイクロシステム融合研究開発センター, 教授 (40143028)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | ケイ酸塩融体 / 熱浸透率 / 熱伝導率 / 密度 / 電気伝導率測定 / アルカリホウケイ酸塩融体 / 表面加熱・表面検出レーザフラッシュ法 / 温度変調DSC / 比熱 / セシルドロップ法 / 示差走査熱量計 / 電気伝導率測定装置 / セサイルドロップ法 / ホウケイ酸塩融体 / 電気伝導率 |
Outline of Research at the Start |
固化用ガラス作製中の溶融炉のトラブルを解決するためには、ホウケイ酸塩を含めtケイ酸塩融体全般の熱伝導率の信頼性を高め、比熱と密度の「実測データ」を用いることが不可欠である。さらに、ガラス溶融炉の出力と炉内の温度分布の関係を正確に把握するためには、電気伝導率の値も評価しなければならない。このような経緯から、比熱、密度、熱伝導率、電気伝導率を高精度に系統的に取得し、NMRスペクトルからネットワーク構造を明らかにすることにより、これらの熱物性値を高精度に系統的に評価し、操業前にガラス溶融炉の状況を正確に予測できるシステムの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
高レベル放射性廃棄物処理において、固化用ガラス作製時に安定した溶融炉の操業が困難なことが最も懸念されている。こうした溶融炉の正確な制御あるいはガラス作製時のトラブルを防ぐため、ガラス融体の熱伝導率と電気伝導率を操業前に把握する技術が求められている。より具体的には、ガラス融体の熱伝導率、電気伝導率を実測により高精度に評価し、NMR等を用いて推定したガラス融体のネットワーク構造から熱伝導のメカニズムを明らかにすることで、実操業におけるホウケイ酸塩融体の物性を把握できるデータベースを構築することが求められている。そこで、本研究では、従来測定が困難とされてきたケイ酸塩融体の比熱、密度、熱浸透率、電気伝導率を高精度に実測することを目指した。これまで、アルカリケイ酸塩およびアルカリアルミノケイ酸塩融体の熱浸透率を表面加熱・表面検出レーザフラッシュ法にて測定し、密度と比熱の値を用いて熱伝導率を評価した。3回以上の測定を行い、熱伝導率に再現性があること、Li系はNa系、K系よりも熱伝導率が大きいことが明らかとなった。また、アルカリホウケイ酸塩融体についてもLi2O-B2O3-SiO2融体の熱浸透率測定から着手し、熱伝導率を算出した結果、B2O3の添加に伴い、熱伝導率は二元系の値より増加し、B2O3/SiO2=1に近づくほど熱伝導率の値は小さくなる傾向が見られ、B2O3/SiO2の比率の変化が結合様式に影響を与えたものと考えられる。今後は、Na2O-B2O3-SiO2、K2O-B2O3-SiO2へと測定を展開していくことを考えている。また、セシルドロップ法による密度測定、温度変調DSCを用いた比熱測定も継続的に実施しており、各測定の成果も出つつある。電気伝導率測定装置の開発においては、プローブ電極ならびに加熱の制御機構を改良する必要が出てきており、電気伝導率測定には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のミッションはケイ酸塩融体の熱浸透率、密度、比熱を測定し、高精度な熱伝導率を算出すること、電気伝導率を測定し、熱伝導メカニズムを検討することである。進捗状況について以下の①~⑤に示す。 ①ケイ酸塩融体の熱浸透率測定 アルカリケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、およびアルカリホウケイ酸塩融体の熱浸透率を表面加熱・表面検出レーザフラッシュ法により測定し、密度と比熱の値を用いて熱伝導率を算出した。その結果、熱伝導率に再現性があること、アルカリアルミノケイ酸塩はLi系はNa系、K系よりも熱伝導率が大きいこと、アルカリホウケイ酸塩はB2O3の添加に伴い、熱伝導率は二元系の値より増加し、B2O3/SiO2=1に近づくほど熱伝導率の値は小さくなる傾向が見られることが明らかとなった。 ②ケイ酸塩融体の密度測定 輪郭部分の取り出しを改良したことで、セシルドロップ法を用いて再現性のある値で系統的に密度を算出できるようになった。 ③ケイ酸塩融体の比熱測定 温度変調DSCを用いて実組成に近いホウケイ酸塩の比熱を測定した。当初アルミナパンを用いて測定したが、白金パンに切り替えたことで安定して比熱測定ができるようになった。白金パンはアルカリフュージョンにより再利用することがも可能であるため、多くのケイ酸塩の比熱測定を系統的に実施できるシステム構築に成功した。 ④電気伝導率測定装置の開発 電気伝導率測定装置の整備を開始したが、プローブ電極と加熱の制御機構に改良すべき点があり、ケイ酸塩融体の電気伝導率測定には現段階では至っていない。 ⑤特筆すべき研究成果 「R2O-Al2O3-SiO2 (R=Li, Na, K) 融体の熱伝導率評価」というタイトルで日本鉄鋼協会第186回秋季講演大会にて発表し、学生ポスターセッション「奨励賞」を受賞した。データを追加して論文発表も行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策を以下の①~⑥に示す。 ①ケイ酸塩融体の熱浸透率測定 アルカリケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩およびアルカリホウケイ酸塩融体の熱浸透率測定の熱浸透率を表面加熱・表面検出レーザフラッシュ法により引き続き系統的に測定する。②ケイ酸塩融体の密度測定 セシルドロップ法によりアルカリケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、そしてアルカリホウケイ酸塩融体の密度を系統的に測定する。③ケイ酸塩融体の比熱測定 温度変調DSCを用いてアルカリケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、そしてアルカリホウケイ酸塩融体の比熱を系統的に測定する。④ケイ酸塩融体の熱伝導率評価 これまでは表面加熱・表面検出レーザフラッシュ法により熱浸透率を測定し、密度と比熱の文献値を用いて比熱と密度の文献値を用いて熱伝導率を算出してきたが、セシルドロップ法による密度測定、および温度変調DSCによる比熱測定に目途が立ってきたため、オール実測値による熱伝導率評価に着手していきたいと考えている。⑤電気伝導率測定装置の開発 昨年度設計した電気伝導率測定装置の整備を開始したが、加熱をする際の制御機構を改良する必要があるため、まずはケイ酸塩融体の電気伝導率を測定するための装置の整備を完成させたいと考えている。⑥論文作成 これまで学会発表してきた内容で論文執筆に着手したいと考えている。
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