つる巻き状分子不斉を発現する環状および非環状集合体の機能創出
Project/Area Number |
23K21108
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Project/Area Number (Other) |
21H01920 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 敦紀 神戸大学, 先端膜工学研究センター, 教授 (90210111)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
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Keywords | つる巻き / 分子不斉 / つる巻き状分子ワイヤー / 金属・有機構造体 / キラリティ識別 |
Outline of Research at the Start |
つる巻き状分子不斉化合物の集合体を創出し機能発現をめざす。集合体として、直線状につる巻き状分子が連結した、つる巻き状分子ワイヤー、金属化合物と大環状の錯体を形成した金属・有機構造体などを検討する。また、つる巻き状分子の光学分割を種々の方法で検討し、ラセミ体での集合体形成との違いを比較する。
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Outline of Annual Research Achievements |
つる巻き状ビチオフェンワイヤーの新しい合成方法として,メタセシス前駆体のオリゴマーを合成し,複数の閉環メタセシスを一挙におこなう新手法を検討した。合成を達成した2量体オリゴマーのNMR,スペクトルを測定し,複数個生成することが想定されるジアステレオマーそれぞれの化学シフトを帰属する。さらに,オリゴマーをキラルカラムを用いる高速液体クロマトグラフィー分析し,ジアステレオマーの分離条件を見出す。さらに、得られたつる巻き状分子の溶液状態および固相状態での異性化挙動を解析、NMR分析およびキラルカラムによる高速液体クロマトグラフィー分析について解析した。つる巻き状ビチオフェン二量体ワイヤーでは、合成したラセミ体とメソ体の約1:1混合物が、長期間静置したところメソ体に収束することがわかった。一方でその溶液を加熱するとラセミ体とメソ体の1:1混合物に戻ることも明らかになった。しかし、固相状態ではつる巻き状分子のメソ体を加熱してもまったく変化しないこともわかった。 また、つる巻き状分子と金属錯体との間に配位結合を形成し,金属・有機構造体の創製をめざすした。そのために,つる巻き状分子の末端に配位可能な官能基の導入を検討し,最適な反応条件を確立した後に実際の錯体形成を検討した。得られた構造体のNMRスペクトル解析,質量分析を実施して構造の同定をめざすとともに,X線結晶構造解析についても検討した。NMRスペクトル解析により錯体の形成は確認されたが、X線結晶構造解析が可能な単結晶は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分子ワイヤーの異性化挙動に関しては新しい成果がえられたものの、金属有機構造体の創製においては、明確な構造がスペクトル解析により確実には現時点では明らかとなっていない。この理由は、ラセミ体として得られるつる巻き状分子の光学分割の手法が確立されていないためである。2023年度は、光学分割の手法確立に注力し一方のエナンチオマーを単離した後に分子ワイヤー、金属有機構造体の合成をめざし、ラセミ体から合成した構造体と比較することで、現在までに合成した化合物の構造確定につなげたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、つる巻き状分子ワイヤーでは異性化挙動のさらなる詳細の解析をすすめていきたいと考えている。また、つる巻き分子としてこれまでのビチオフェンに加えビフェニルやダブルつる巻き状ビフェニルにまで展開することを検討している。 また、金属有機構造体から派生して共有結合有機構造体(COF)の創出についても検討を考えている。その応用として、分子シャトルのような錯体形成のスイッチングに関してCOFを利用することにより検討をすすめたいと考えている。 金属有機構造体(MOF)としては、これまで検討したピリジンの配位結合を利用するものに加え、官能基としてカルボン酸部位をもつつる巻き状分子誘導体を設計、合成して、これまでの構造体とは異なるタイプのMOF創出も目指していきたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)