Project/Area Number |
23K21115
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Project/Area Number (Other) |
21H01938 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高村 浩由 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (70422798)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 有機合成化学 / 発散的合成 / 天然物 / 構造解明 / 立体化学 |
Outline of Research at the Start |
生物活性天然物は、官能基や分子形状を介して生体内標的分子と相互作用することで生物活性を発現する。したがって、多官能基化された複雑系巨大天然物は強力な生物活性を持ちうる。本研究では、機器分析による構造決定が極めて困難な複雑系巨大天然物を研究対象とし、合成化学的手法を基盤とすることで、その構造を解明する。具体的には、2,860の分子量を有するシンビオジノライドおよび2,054の分子量を有するブレビスルセナール-Fを研究対象とする。合成においては、複数の立体異性体を共通の合成中間体から同様の変換反応により枝分かれ式に合成する、いわゆる立体発散的な合成ルートを採用することで、総工程数の軽減を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物活性天然物は、官能基や分子形状を介して生体内標的分子と特異的に相互作用することで生物活性を発現する。したがって、多官能基化された複雑系巨大天然物は強力な生物活性を持ちうる。これら生物活性天然物の構造決定は、創薬科学や化学生物学へと直結する天然物化学の中でも重要な研究課題である。本研究では、複雑系巨大天然物であるシンビオジノライドおよびブレビスルセナール-Fを研究対象とし、立体発散的合成を基盤とすることで、不明である立体構造を解明する。令和5年度の研究実績概要を以下に記載する。 シンビオジノライドは2,860の分子量と61個の不斉中心を持つポリオール天然物である。本年度は、これまでの研究により導出された相対立体構造を有するC61-C83フラグメントの合成を検討した。アルデヒドとヨードアルケンのカップリング、およびジヒドロキシ化を行うことで、C61-C74フラグメントを合成した。続いて、アルデヒドとアルキンのカップリングを行うことで、C61-C83フラグメントの炭素骨格を構築した。今後は隣接ジオール部位を立体選択的に導入することで本フラグメントの合成を完了し、合成品と天然物とのデータの比較を行うことで、天然物の対応する部位の立体構造を解明する。 ブレビスルセナール-Fは2,054の分子量を有するポリエーテル天然物である。本年度はB環部の合成に着手した。B環部の合成のポイントは、ジアキシアル配向を有する2つのメチル基をいかに導入するかである。ケトンに対する立体選択的なメチル化を行うことで、所望の立体化学を有するアルコールを合成した。今後は2つ目のメチル基を立体選択的に導入する。その後、側鎖部位を有するA環部を構築し、AB環部の合成を完了する。合成完了後、合成品と天然物とのデータの比較を行い、天然物の当該部位の立体構造を決定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立体発散的合成を基盤とすることで、ポリオール天然物シンビオジノライドのC61-C74およびC69-C83フラグメントの候補化合物を全て合成した。合成品と天然物のデータを詳細に比較することで、本天然物の該当する各部位の相対立体配置を解明した。また、ポリエーテル天然物ブレビスルセナール-Fの合成を検討し、Q環部、R環部、およびS環部の合成を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も複雑系巨大天然物を研究対象とし、合成化学的手法を用いた構造決定を検討する。合成化学的アプローチに加えて、天然物に対する分解反応および計算化学による立体構造の予測も行い、多面的に研究を遂行する。 これまでの研究により、シンビオジノライドの分子全体の7割に相当する部位の合成と構造決定を完了している。今後は、残り3割に相当する部位の構造決定を行う。まずは、C61-C83フラグメントの合成を検討する。 ブレビスルセナール-Fの環状部位、すなわちA-Q環部、R環部、S-W環部、およびX環部のそれぞれの相対立体配置はNMR解析により決定された。しかしながら、これらの相対関係および鎖状部位の立体化学は未決定である。本研究では、立体化学未決定部位の合成と構造決定を行う。まずは、AB環部、QR環部、およびRS環部を研究対象とする。
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