Project/Area Number |
23K21132
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Project/Area Number (Other) |
21H01982 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
冨田 育義 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (70237113)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 高分子反応 / π共役高分子 / 機能性高分子 / 元素ブロック / パラレル合成 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、高分子の主鎖に反応性の有機金属部位を付与した高分子を前駆体に用いた高分子反応を推進し、従来法では合成が困難な各種の元素とπ電子系をあわせもつπ共役系高分子の合成を行い、これに基づく光・電子的機能をもつ高分子材料への展開を検討する。すなわち、有機金属ポリマーの設計・合成とそれらの反応開拓を行い、高分子主鎖中の反応点のポスト元素変換とこれらによる各種元素ブロックを付与したπ共役高分子の合成を推進する。また、機能性π共役高分子のパラレル合成を行い、光・電子デバイス等に応用可能な所望の機能をもつπ共役高分子の高効率な合成法としての位置付けを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
機能性π共役高分子の前駆体となる主鎖型反応性高分子の設計・合成及びその反応開拓を目的として、昨年度に続き主鎖にチタナシクロペンタジエン部位をもつ反応性高分子のポスト元素変換を伴う高分子反応に関する検討を行った。特に、高周期第15族元素としてビスマスを含む高分子への変換を行い、高効率で種々の置換基を付与したビスモール骨格をもつπ共役高分子が得られること、およびこれらのポリマーがアルゴン等の不活性ガス雰囲気下においても徐々に分解を起こすことを明らかにした。ビスマス上の置換基の立体的かさ高さや置換基へのヘテロ元素の付与の効果を系統的に検討した結果、置換基にエーテル等のヘテロ元素を含む官能基を適切に付与した場合には高周期元素に特徴的なヘテロ原子間相互作用が生じ、高分子の分解が抑制されることが示された。さらに、分解を引き起こす要因を詳細に検討したところ、本ポリマーは、暗所では空気中でも十分に安定に存在することが明らかとなり、光化学的な結合開裂の制御が分解を抑制する上で重要となることが示唆された。 つぎに、縮環メタラサイクル部位としてチタナフルオレンやジチアチタナシクロペンタジエン骨格ならびに縮環コバルタシクロペンタジエン部位をもつ芳香族ジハロゲン化物を設計、合成し、各種芳香族ジインとの遷移金属触媒による重縮合を行い、縮環チタナサイクル部位をもつ種々の主鎖構造をもつπ共役ポリマーの合成と機能性評価を行った。これらのポリマーは、いずれの場合にも空気中で安定であり、HOMOおよびLUMOエネルギー準位が繰返し単位の構造によって大きく変化することが示された。また、これらのポリマーの繰返し単位に相当する低分子モデル化合物を用い、ポスト元素変換の可能性についても一部検討し、縮環構造により反応性の低下が認められるものの高周期第16族元素をもつ対応する縮環構造へと変換できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主鎖型反応性高分子の反応開拓については概ね計画どおり研究を推進することができ、特に高周期第15族元素を含むビスモール部位をもつポリマーが効率良く得られることが分かった。なお、本ポリマーを合成してはじめての化学的安定性が十分ではないことが明らかになったが、研究期間の延長を通してビスマス上の置換基による本ポリマーの安定化を検討することができ、興味深いヘテロ原子間相互作用が見いだされるとともに、これに基づく高分子の安定化を行える可能性が示された。さらに、分解機構に関する考察を行い、光化学的な結合開裂が分解の原因となっていることを明らかにすることができた。つぎに、縮環メタラサイクル部位をもつπ共役高分子についても計画に沿ってチタナサイクル部位をもつ種々の繰返し構造をもつπ共役高分子へと展開するとともに、新たにコバルタサイクル部位をもつ高分子の合成へと発展させ、別の遷移金属元素を付与した高分子への展開の可能性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、主鎖に反応性の金属-炭素結合をもつ反応性高分子の開拓とそれらのポスト元素変換反応の検討を進める。さらに、ポスト元素変換反応により生じる元素ブロックπ共役高分子の変換反応についても検討を行う。例えば、本年度検討を行ったビスモール部位をもつポリマーは、光照射下で変換反応に活性を示す可能性があり、反応性高分子としての応用が可能ではないかと考えている。さらに、その他の高周期第14族から第16族元素をもつ元素ブロック高分子の反応性についても検討を行う予定である。 つぎに、縮環系に有機金属骨格を付与した反応性高分子に関しては、チタナサイクルやコバルタサイクル部位をもつ高分子の設計、合成を進め、それらの反応性の検討を行う。また、第14族から第16族元素をもつ縮環型π共役高分子を対応するモノマーの重縮合により合成し、それらの機能性評価や反応性高分子としての応用についてもあわせて検討を行う予定である。
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