スルホニルアニリン系蛍光色素の新機軸確立と細胞イメージングへの展開
Project/Area Number |
23K21139
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Project/Area Number (Other) |
21H02008 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35030:Organic functional materials-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
片桐 洋史 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (40447206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 智哉子 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (50608908)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | スルホニルアニリン / 蛍光色素 / π共役系 / 分子軌道制御 / 蛍光標識 |
Outline of Research at the Start |
スルホニルアニリン系蛍光色素は、酸・塩基・酸化・還元に安定かつ水と有機溶媒の両方に親和性をもつ。また、高い蛍光量子収率・大きなストークスシフト・濃度消光を引き起こさないといった特性を兼ね備える。本研究では、赤色/近赤外領域への長波長化、熱活性化遅延蛍光色素への展開、さらには蛍光標識抗体の作製によって、 スルホニルアニリン独自の新機軸の確立と生体イメージングへの応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は以下の4項目について検討した。 (1)赤色蛍光色素の合成:基質の収率改善を目的としてアミノ基の脱保護の条件を検討した。その結果、酸性あるいは塩基性条件下においてメチルスルホニル基の脱離と転移が生じることが明らかになり、中性条件下の脱保護によって高い収率で目的物を得ることに成功した。また、偶然にも1,2,4,5-テトラアミノベンゼン由来の色素前駆体が得られた。さらに、計6種のスルホニルアニリン位置異性体の合成に成功した。 (2)近赤外蛍光色素の合成:2,3,5,6-位にメチルチオ基を有するパラフェニレンジアミンを酸化することで得た4酸化体を基質に用いて酸化反応を検討した。その結果、5酸化体を選択的に得ることに成功した。5酸化体は4酸化体と比較してベンゼン骨格の歪が大きく、吸収と蛍光波長における顕著な長波長化を示した。本成果は、励起状態の歪みによる波長制御を支持している。 (3)分子軌道制御に基づく親水性TADF材料の開発:既に合成を達成したスルホニルアニリン骨格を用いて鈴木-宮浦反応を検討した。その結果、反応の進行は確認されなかった。本検討では合成の簡便さからハロゲン化アリールにドナー性の高い骨格を選択しており、ハロゲン化アリール上の電子密度が増大したことでPd触媒に対する酸化的付加が抑制されたことに起因すると考察した。そこで、次年度に向けて新規なハロゲン化アリールとボロン酸エステルをそれぞれ合成した。 (4)スルホニルアニリン-NHS体の合成と標識抗体の作製:2,5-BMeS-p-AのNHS体を用いてモノクローナル抗体の標識を検討した。その結果、PBSバッファー中では極めて反応の進行が遅いことが明らかになった。アミノ酸誘導体を用いたモデル実験において反応性を調査したところ、DMSOの添加によって反応速度が大幅に改善されることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、赤色発光ならびに近赤外発光が期待される全置換型蛍光色素の合成において一定の成果が得られた。本年度の実績によって、赤色蛍光色素の基質合成における収率改善はメチル化の条件検討を残すのみとなった。また、偶然にも1,2,4,5-テトラアミノベンゼンの3,6位にメチルチオ基を有する赤色蛍光色素前駆体が得られたことから、続く酸化反応によって異なる骨格を持つ赤色蛍光色素が期待できる。さらに、2つのアミノ基とスルホニル基を有する計6種のスルホニルアニリン位置異性体の合成に成功したことから、本研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の研究成果に基づき、引き続き赤色発光ならびに近赤外発光が期待されるスルホニルアニリン系色素の合成を検討する。赤色蛍光色素では、メチル化の条件検討による収率改善の後、引き続きブロモ化、シアノ化の順に検討して目的化合物の合成ルートを確立する。また、新規な全置換型前駆体を基質に用いて赤色蛍光色素の合成を検討する。近赤外蛍光色素では、5酸化体からのさらなる酸化の検討、ならびにメトキシ基のアミノ基への変換についてアンモニアを用いた条件検討を行う。抗体標識では、NHS体との反応をDMSOを添加して検討する他、NHS体をマレイミド(MAL)に変換し、抗体断片のチオールと反応させる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)