Solar Photosynthesis of Valuable Substances by Carbon Dioxide Reduction
Project/Area Number |
23K21146
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Project/Area Number (Other) |
21H02043 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
入江 寛 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70334349)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 人工光合成 / 二酸化炭素還元 / 水素 / 酸素 / 光触媒 / 赤色光 |
Outline of Research at the Start |
地球温暖化への対策、また貴重な炭素資源確保という観点から大気中の二酸化炭素をエネルギー源物質として還元・転化し、再利用を図ることは環境・エネルギー問題解決に資するポテンシャルを有する。その方法の一つとして、太陽光を利用し、光触媒により二酸化炭素を還元し、有用な化合物に転化する人工光合成の研究を行う。ここでは太陽光有効利用のためその可視光全域(赤色光まで)を利用し水を電子源に二酸化炭素を還元し、有用物質である一酸化炭素およびメタンなどを選択的に合成する検討を行う。その合成において植物の光合成レベルである太陽エネルギー変換効率0.3%程度を達成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
太陽光有効利用のためその可視光全域(赤色光まで)を利用し水を電子源に二酸化炭素を還元し、有用物質生成、ここでは特に一酸化炭素しくはメタンの生成を目的に研究を進めている。2023年度は、当研究室ですでに見出している赤色光に応答し水を完全分解できる接合型複合光触媒(水素発生光触媒と酸素発生光触媒を、金属を介して接合した複合系光触媒)の水素発生光触媒に助触媒として銅を、酸素発光触媒生助触媒として水酸化コバルトを選択的に担持した系による二酸化炭素還元評価を行った。水素発生側の助触媒の選択担持は、水素発生光触媒と酸素発生光触媒のバンドギャップの差を利用して、酸素発生側の助触媒の選択担持は水素発生光触媒と酸素発生光触媒の光生成正孔の酸化力の差を利用して両方ともに光析出法により行った。その結果、波長700 nmの赤色光照射のもと、メタン、水素、および酸素の生成を確認できた。メタンと水素の合計発生量と酸素発生量は化学両論比を満足した。また、同位体二酸化炭素(13CO2)を用いて二酸化炭素還元試験を行なったところ、13CO2由来の同位体メタン(13CH4)の発生を確認できたため、波長700 nmの赤色光で水を電子源に二酸化炭素を還元し、メタンを生成できることがあきらかとなった。また、助触媒なしの場合には一酸化炭素、メタン、水素、酸素であったため銅助触媒によりメタンの選択的な生成ができた。さらに酸化コバルトを担持しない場合よりもメタン、水素、および酸素の生成量が増加し、活性が向上したことを確認した。一方で、メタン生成量に対し、水素生成量が大きく水(プロトン)還元と二酸化炭素還元では二酸化炭素還元の選択性は低く、今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は2022年度に見出した赤色光に応答し二酸化炭素(CO2)を還元しメタン(CH4)を生成できる接合型複合光触媒(銅(Cu)担持ロジウム酸亜鉛(ZRO)/銀(Ag)/バナジン酸ビスマス(BVO)、Cu/ZRO/Ag/BVO)を用い、CO2還元活性向上のために、BVO上に選択的に酸素(O2)発生助触媒である水酸化コバルト(Co(OH)3)の担持を試みた。ここでは、ZRO, BVOの光生成正孔の酸化力の差(BVOの価電子帯に生成する正孔の方がZROの価電子帯に生成する正孔よりもよりも酸化力大)を利用し、助触媒としてのCo(OH)3をBVO上のみに光析出し、Cu/ZRO/Ag/BVO/Co(OH)3を作製した。このCu/ZRO/Ag/BVO/Co(OH)3を用いてCO2還元評価を行った。その結果、波長700 nmの赤色光照射のもと、メタン(CH4)、水素(H2)、およびO2の生成を確認できた。CH4とH2の合計発生量とO2発生量は化学両論比を満足した。これらの結果はCu/ZRO/Ag/BVOと同様であるがそれぞれの発生量は増加しCO2還元活性は向上した。また、同位体CO2(13CO2)を用いてCO2還元試験を行なったところ、13CO2由来の同位体CH4(13CH4)の発生を確認できたため、波長700 nmの赤色光で水を電子源にCO2を還元し、CH4を生成できることが明確となった。一方で、CH4生成量に対し、H2生成量が大きくプロトン還元とCO2還元ではCO2還元の選択性は低い課題はそのまま残り、その解決策として今後、CO2気相分解を検討する。さらにCu以外にもCO2還元助触媒であるAgなど、現在、データ取得中である。Cuと異なりCH4でなく一酸化炭素(CO)が生成しているようである。 以上、ほぼ計画通りに進捗していることから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究では、赤色光のもとでCO2を還元できる銀接合型複合光触媒(Cu/ZRO/Ag/BVO)にO2助触媒としてCo(OH)3を選択的にBVO上に担持したCu/ZRO/Ag/BVO/Co(OH)3は、Cu/ZRO/Ag/BVOのときと比較して高活性に水を電子源にCO2を還元しCH4を合成できることを明らかにした。Co(OH)3を担持した場合でもCH4以外のCO2還元物(例えばCOやギ酸(HCOOH))の生成は認められなかったため、CO2還元物の選択性はCuを助触媒とすることで達成できた。一方で、現状ではH2の生成量がCH4の生成量より大きいことから、プロトンの還元でなくCO2還元が選択的に進行させることが必要となる。この選択性向上のためには還元反応側の助触媒の選定、探索が重要であり、まずは既往の研究を参考に、選択的なプロトン還元が進む白金(Pt)、CO2還元によるCO生成が進むAgを助触媒として担持し検討を進めている。2024年度も引き続き検討する。また、現状のCO2還元試験は蒸留水にCO2ガスを流通させCO2を飽和させた水溶液を使っているが、CO2の水への溶解度は低いため光触媒の周囲の大部分は水である。光触媒は表面反応であるため水(プロトン)との反応が優先的に進行しH2発生が生起しているとも考えられる。2024年度はCO2気相分解、すなわちCO2を含む水蒸気でのCO2還元を行っていく。そのためのCO2還元装置の改造を含め、検討を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)