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窒素固定菌の新規な炭素源獲得戦略としての異種微生物間共生型窒素固定の解明

Research Project

Project/Area Number 23K21170
Project/Area Number (Other) 21H02108 (2021-2023)
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeMulti-year Fund (2024)
Single-year Grants (2021-2023)
Section一般
Review Section Basic Section 38020:Applied microbiology-related
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

境 雅夫  鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (20225775)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山田 直隆  九州大学, 農学研究院, 助教 (20304769)
池永 誠  鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (70511822)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Keywords窒素固定 / 植物体分解 / 微生物生態 / セルロース分解
Outline of Research at the Start

本研究では「窒素固定菌の新規な炭素源獲得戦略としての異種微生物間共生型窒素固定システムの解明と利用」に関する研究を目的とする。これまで、土壌生態系における窒素固定菌は、大きく2つの生態型が推定されてきた。①土壌中で自由生活をする単生型の窒素固定菌、②植物との共生生活(緩やかな共生を含む)をする共生型の窒素固定菌、の2つの生態型である。この従来の生態型に加えて、窒素固定菌の炭素源獲得戦略の違いに基づき、新たに③セルロースを分解する嫌気性細菌と共生的に生活する「異種微生物間共生型の窒素固定菌」による新規な窒素固定システムの存在を明らかにし、その構造・機能・生態を解明する。

Outline of Annual Research Achievements

これまでの研究において、「異種微生物間共生型窒素固定菌集団」は多様な細菌種で構成され、セルロース分解菌や窒素固定菌と推定される細菌種の他に硫酸還元菌のような、その役割が不明な細菌が存在する。そこで本研究では、硫酸還元菌のみを排除した培養系を作出して、その存在の有無による影響を調べた。
高濃度のモリブデン酸は硫酸還元菌の増殖を抑制することが知られている。そこで、硫酸還元菌の排除系を作出するため、NFC培地にモリブデン酸をそれぞれ1.0mM、10mM添加した培地で継代を繰り返した後、通常のNFC培地に戻して継代培養を行った。また、得られた培養系の16S rRNA遺伝子のアンプリコンシークエンスにより細菌群集構造を解析した。さらに、各培養系のセルロース分解活性および総タンパク質定量による増殖量の測定を行った。
モリブデン酸を添加したNFC培地で数代継代培養した結果、硫酸還元菌の活動による硫化鉄の黒色沈殿が認められなくなり、硫酸還元菌の増殖が抑制されていることが推察された。しかし、通常のNFC培地に戻して継代したところモリブデン酸1.0mM添加系は硫化鉄が再び認められるようになり、完全に排除できていなかった。一方、モリブデン酸10mM添加系では、硫化鉄の生成は認められず、硫酸還元菌が完全に排除された。この硫酸還元菌排除系の細菌群集構造を調べた結果、元の培養系に存在していたDesulfobulbus属細菌の消失が確認された。排除系は元の培養系と比べて、セルロース分解活性には有意な差はなかったが、増殖量が50%程度に低下していた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

未培養の複雑な構成細菌種で安定な培養が維持された異種微生物間共生型窒素固定菌集団内の特定の細菌種を排除した培養系の構築に成功し、その影響を明らかにすることができている。

Strategy for Future Research Activity

異種微生物間共生型窒素固定菌集団内における相互作用や代謝化合物に関与する機能遺伝子の関係性を解明するため、集団のメタゲノム解析を行い、シグナル物質関連遺伝子、セルロース分解・代謝酵素遺伝子や窒素固定遺伝子について解析し、微生物代謝物の解析結果と合わせて微生物間の共生関係や集団の安定性のメカニズムについて考察する。また、培養可能な構成細菌の単離培養による各細菌種の代謝特性を解析するとともに、構成細菌種の組合せの最適化実験による活性の変化や集団の安定性のメカニズムについて解析する。
さらに、現在の培養は液体静置培養で行っているが、液体培養の表層にペリクルが形成されるため、実際の土壌中における集団の存在形態は浮遊型ではなく、植物遺体表面にバイオフィルム状として存在すると予想している。自然界で多くの微生物はバイオフィルムを形成しており、多くのバイオフィルムは複数種からなる微生物群集であることが報告されている。そこでこの集団のバイオフィルでの存在形態を実証する。

Report

(3 results)
  • 2023 Annual Research Report
  • 2022 Annual Research Report
  • 2021 Annual Research Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022 2021

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 土壌から分離したセルロース分解窒素固定細菌集団における硫酸還元菌排除の影響2023

    • Author(s)
      富満春世・東 花音・上村美優・池永 誠・境 雅夫
    • Organizer
      日本土壌肥料学会
    • Related Report
      2023 Annual Research Report
  • [Presentation] 異種微生物間共生培養系から分離した新規細菌Rhodobacter sp. KU01T株とZoogloea sp. KU02T株の特性解析と同定に関する研究2022

    • Author(s)
      深堀大介・池永誠・境雅夫
    • Organizer
      日本土壌微生物学会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] 植物遺体分解過程において窒素固定機能を発現する異種細菌共同体の分布と構成2021

    • Author(s)
      池永 誠・橋川 崚二・川内 智裕・境 雅夫
    • Organizer
      日本土壌肥料学会
    • Related Report
      2021 Annual Research Report

URL: 

Published: 2021-04-28   Modified: 2024-12-25  

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