| Project/Area Number |
23K21177
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| Project/Area Number (Other) |
21H02125 (2021-2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
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| Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
謝 肖男 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (30610323)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 香織 埼玉大学, 研究機構, 准教授 (20769997)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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| Keywords | ストリゴラクトン / 植物ホルモン / 生理活性物質 |
| Outline of Research at the Start |
植物ホルモンとは、植物自身がつくり出し、微量で作用し、その物質の化学的活性本体と生理作用が明らかにされたものである。しかしながら、植物ホルモンの仲間入りをしたストリゴラクトン(strigolactone, SL)が、植物地上部枝分かれ抑制などの生理作用が報告されているものの、枝分かれ抑制ホルモンの活性本体(Branching Inhibitory Hormone, BIH)は未だに不明なままである。本研究では、BIHの単離と構造確定、BIHの生理機能の詳細な解明、生合成経路ならびにその制御機構の解明を行う。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、種子植物におけるストリゴラクトン(SL)生合成の進化的多様性とその分子機構の解明を目的としたものである。ストリゴラクトンは、植物ホルモンとしての機能のみならず、菌根菌との共生形成や寄生植物の発芽誘導など、植物と他生物との相互作用において重要な役割を担う化合物群である。本研究では、SL生合成に関与するシトクロムP450ファミリーの一種であるCYP722A/Bクレードの機能に着目し、その代謝産物として新規の非典型的SLである16-hydroxy-carlactonoic acid(16-OH-CLA)を同定した。 研究チームは、合成生物学的アプローチを活用し、大腸菌と酵母を組み合わせた微生物コンソーシアムを構築することで、植物体内で微量に存在するSLの高効率な生産に成功した。16-OH-CLAは、これまでに知られていなかった非典型的SLであり、シロイヌナズナやエンドウ、ポプラなど複数の種子植物の地上部において特異的に検出された。また、16-OH-CLAはSL欠損変異体の側枝形成を抑制する活性を有し、その作用がDWARF14受容体を介して伝達されることが示された。 さらに、CYP722A/BはCLAをC16位で酸化する一方、進化的に派生したCYP722CはC18位で酸化を行い、典型的なSLを生成することが明らかとなった。特定のアミノ酸残基の1箇所の変異により、CYP722AがCYP722C様の活性を獲得することも示され、非典型SLから典型SLへの進化的転換の分子基盤に迫る成果を得た。 本研究は、SLの多様性とその機能進化を合成生物学・植物分子生理学・構造生物学の融合によって包括的に解析したものであり、植物ホルモン研究および農業への応用研究において高い学術的・実用的インパクトを有する成果である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究が当初の計画よりも大きく進展した理由は、合成生物学技術の導入によって、従来は困難であったストリゴラクトン(SL)代謝産物の安定的かつ高効率な生産・解析が可能になった点にある。特に、大腸菌と酵母を組み合わせた微生物コンソーシアムを構築することで、植物体内では極めて微量に存在するSLの一種である16-hydroxy-carlactonoic acid(16-OH-CLA)を大量に合成し、その構造決定および生理活性の評価まで一気に進めることができた。また、CYP722A/B系統の酵素が非典型SLを合成することを実証し、さらに単一アミノ酸変異によってCYP722C型の活性へと転換しうることを示すことで、SL生合成経路の進化的転換に迫ることができた。これらの成果が高く評価され、植物科学分野における最も権威ある雑誌の一つである『Science』に掲載されるに至った。このように、本研究は想定以上のスピードで進展し、当初の目標を大きく超える成果を挙げている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究をさらに推進するためには、まずCYP722A/Bによって生成される非典型的ストリゴラクトン(16-OH-CLA)およびその代謝物の生理機能を植物種間で比較し、その役割の多様性と進化的意義を明らかにすることが重要である。特に、16-OH-CLAが示す器官特異的な蓄積や発現制御の背景には、これまで知られていない調節ネットワークや環境応答機構が存在する可能性がある。したがって、トランスクリプトーム解析やプロモーター活性解析を通じて、CYP722A遺伝子群の制御機構を詳細に解明する。 また、16-OH-CLAからCLAMTおよびLBOを介して生成される未知の下流代謝産物の構造決定と機能解析も今後の大きな課題である。これらの代謝物がストリゴラクトン受容体D14に対してどのような活性を持つのか、またどのように植物の成長やストレス応答に関与するかを明らかにすることで、非典型的SLの生理的意義を統合的に理解できる。 さらに、微生物コンソーシアムによるSL生合成系の改良を継続し、より高効率かつ多様なSL化合物を合成可能なプラットフォームを確立することも重要である。これにより、合成困難なSL類縁体の化学的供給が可能となり、機能評価や構造活性相関の解析が大きく前進する。加えて、こうした知見を農業分野へ応用し、作物の成長制御や共生促進、寄生雑草の制御といった応用展開も視野に入れる。以上を通じて、本研究の成果を基盤とした新たな植物ホルモン研究の展開を目指す。
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