Project/Area Number |
23K21212
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Project/Area Number (Other) |
21H02228 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
種子田 春彦 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90403112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 大輔 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (50713913)
後藤 晋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60323474)
久本 洋子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60586014)
宮沢 良行 九州大学, キャンパス計画室, 学術推進専門員 (80467943)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 森林衰退 / 篩部輸送 / 木部輸送 / 貯蔵物質 / 網羅的発現解析 / 師部輸送 / 常緑針葉樹 / 枯死 / 縞枯れ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、樹木が衰退し、枯死していくプロセスについて、師部と木部を介した物質輸送の制約を考慮して、師部輸送の下流にあたる「幹の基部や根といった器官で深刻な炭水化物制限が起き、これが衰退や枯死の原因になる」、という局所的炭水化物制限説を提唱する。そして、高山の常針葉樹林でみられる「縞枯れ」で、ここに生える常緑針葉樹のシラビソの健全個体と衰退個体を使い、仮説を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、樹木の衰退や枯死の原因が、根や幹の基部といった師部を通るショ糖輸送の下流で深刻な炭水化物制限が起きることによる、という局所的炭水化 物制限説の検証を目的としている。本年度は、(1)師部輸送によるショ糖供給量と茎や根の成長の個体内の分布を定量するためのHPLCによる糖の定量、(2)樹 皮、木部、葉における非構成炭水化物(NSC)の測定、(3)同位体を用いた師部輸送速度の推定方法の検討、(4)師部の解剖学的解析のための切片の作製方法 の検討、(5)個体の生産・枯死の状態判別のための蒸散流速測定を試みた。 全体として測定は一進一退で手法の検討に多くの時間を費やした。(1)HPLCによる糖の定量では、Shodex社製のRI分析器の導入を計画したが、半導体不足の影響で島津社製のHPLCとの接続ができず、また購入も製品の供給が追い付いていない状態で、デモ機を借りて試行の測定を行った。その結果、天気や枝の部位によってショ糖濃度だけでなくグルコース濃度とフルクトース濃度も大きく変化することがわかった。また、先端の枝では樹皮から分泌される樹脂の混入により、正確な濃度の測定が妨げられることがわかった。(2)でも同様のことが予想され、今年度は、樹脂の購入を防ぐ抽出方法を模索した。(3)については15Nを使って葉から吸わせた推定方法を模索した。(4)Cryo-statを使った樹皮の薄い切片を作製することが可能になり、師部の厚さや師部細胞の形態の個体内の変化を測定した。(5)樹液流速では細い枝にセンサーを付着させて測定するタイプの手法を分担者の宮沢氏が開発し試したが、亜高山帯の激しい雨のため、試したセンサーのすべてが1カ月以内にすべて壊れてしまった。故障の原因はサーミスタ部の錆にあり、強力な防水・防錆加工をした改良型センサーを開発中である。同時に、グラニエ型のセンサーも開発している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定した測定を行うためには、測定手法の検討を必要とする項目が多くあり、今年度は主にこれらの試行錯誤に時間を費やしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度の試行錯誤で得た情報を使って測定方法の改良を行い、安定した測定ができることを目指す。具体的には以下の項目を計画している。(1) Shodex製のカラムと示差屈折率検出器での測定に変えることで、測定時間を今までの1/3、簡便な操作で測定ができるようにする、(2)NSCの測定では、貯蔵物 質であるデンプンの定量を主な目的とする、同時に葉からmRNAを採取してRNAseqを行う、(3)樹皮に傷をつけて15Nを取り込ませ、師部の輸送速度の推定方法を確立させる、(4)個体内の師部形態の変化 を健全個体と衰退個体について定量する、(5)蒸散流測定では、改良型のセンサーの開発を進めており、これを実際に 試す、(6)ルートメッシュ法を用いた根の成長量を推定する。
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