Project/Area Number |
23K21239
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Project/Area Number (Other) |
21H02288 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40040:Aquatic life science-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
柴崎 康宏 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (30750674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間野 伸宏 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (10339286)
難波 亜紀 日本大学短期大学部, その他部局等, 助教 (20445737)
瀧澤 文雄 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (60822913)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | リンパ節 / 胚中心 / 抗体 / ワクチン / 魚類免疫 / 水産用ワクチン / 形質細胞 / 魚類 / アジュバント |
Outline of Research at the Start |
魚類養殖における感染症制御には水産ワクチンが重要であるが、ワクチン接種で感染防御に十分な抗体価が得られないことや、効果持続時間が短いことが問題となっている。その原因として、魚類は抗体産生に重要なリンパ節を持たず、胚中心構造が形成されないためと考えられてきた。 申請者らは、魚類では感染やワクチン接種時に、抗体産生細胞を生み出す免疫クラスターが形成されることを発見した。本研究はこれまでの成果に基づき、魚類の免疫クラスターの形成機序・特異的抗体の産生誘導機序の解明を目指す。研究成果は抗体産生メカニズムの解明に重要な一歩となり、効果的なワクチンやアジュバントの研究・開発の核心的な情報となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
魚類養殖における魚病予防のためには水産ワクチンの利用が重要である。水産用ワクチンとして用いられる不活化ワクチンは、接種されたワクチン抗原に対する特異的抗体の産生が感染防御の要と考えられる。しかし魚類では、ワクチン接種で感染防御に十分な抗体価が得られないことがあり、問題となっている。哺乳類における特異的抗体の産生誘導反応では、リンパ節などに形成される胚中心構造において、クラススイッチや親和性成熟が起こり、高親和性の抗体(感染防御能の強い抗体)が産生されることが知られている。一方、魚類はリンパ節を持たず、胚中心も形成されないとされ、抗体産生機序が未発達であり、ワクチンの効果が十分でないと考えられてきた。また、それゆえ「どこで」「どのように」免疫応答が誘導されるのか不明であった。 魚類はIgM、IgT、IgDと三種類の抗体を持つことが知られている。近年、申請者らは、魚類では感染やワクチン接種時に初めて、脾臓においてIgM抗体を産生するクラスターが形成されることを発見し、M-LA(メラノマクロファージセンター関連リンパ凝集)と名付けた。 本研究は、これまでの成果に基づき、魚類のIgM抗体を産生するクラスターであるM-LAの形成機序および特異的IgM抗体の産生誘導機序の解明を目指すとともに、IgT抗体についても同様に産生組織の同定や産生機序を解明することを目指している。 本年度は、大きく以下の三点を実施した1.脾臓に形成されたクラスターにおける親和性成熟の解析。2.(前年度に引き続き)IgTを産生するIgT陽性B細胞の活性化部位解明を目的とした活性化IgT陽性B細胞の動態解析。3.新規ワクチンアジュバント候補の探索。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
脾臓のクラスター構造であるM-LAでは親和性成熟を行っていることがわかり、これまで恒温動物のみが持つと考えられてきた胚中心様構造を、変温動物である真骨魚類が持つことが明らかとなった。これまでの成果をまとめて論文として報告した。 活性化IgT陽性B細胞の組織学的手法による解析から、IgT抗体産生細胞の活性化様式について情報を得た。 また、新規ワクチンアジュバント候補物質の探索に成功した。 以上の成果を中心として、当初の計画を上回る成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
抗原特異的なIgM陽性B細胞およびIgT陽性B細胞の特性解明を行うとともに、IgM抗体およびIgT抗体の免疫記憶を担うメモリーB細胞の同定を目指す。また、その維持に重要な器官の特定に取り組み、分子生物的解析や細胞生物学的解析を組み合わせて実施することで、ワクチンの作用機序を理解するための要である、免疫記憶形成メカニズムの解明に取り組む。 また、ワクチンアジュバントの効果や作用機序についても検討する。
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