Project/Area Number |
23K21271
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Project/Area Number (Other) |
21H02359 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
樋口 雅司 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70614791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 亮 鳥取大学, 農学部, 准教授 (20704901)
割田 克彦 鳥取大学, 農学部, 教授 (40452669)
北村 直樹 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80301951)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | 下垂体 / 毛包 / 組織幹細胞 / 性腺刺激ホルモン / 分化転換 / マウス / 細胞分離 / 運命転換 / 細胞分化転換 / 細胞運命転換 |
Outline of Research at the Start |
我々はこれまでにマウスPRRX1陽性細胞が組織幹細胞として複数の組織に定着していること、そして、分離した毛包PRRX1陽性細胞が下垂体にのみ存在する性腺刺激ホルモン産生細胞へ分化する現象を観察した。しかしながら、その仕組みは不明である。そこで本研究では、マウス非下垂体(毛包)PRRX1陽性細胞から性腺刺激ホルモン産生細胞へ運命転換する分子基盤を解明する。この研究により、容易に採取できる自己の細胞から機能的かつ免疫学的に問題のないオーダーメードのホルモン製剤開発への道を拓くことが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、採取の容易な非下垂体(毛包)組織幹細胞(PRRX1陽性幹細胞)が性腺刺激ホルモン(LH/FSH)産生細胞に分化転換する仕組みを解明し、非下垂体由来ホルモンを効率的に回収する方法の開発を目指している。第3年度は、1: 前年度に引き続きマウス下垂体前葉および毛包に存在するPRRX1陽性幹細胞の不死化、および2: 初代毛包PRRX1陽性幹細胞からLH/FSH産生細胞への分化誘導条件の検討を目的に実験を行い、以下のような成果を得た。
1.マウス下垂体前葉および毛包に存在するPRRX1陽性幹細胞にレンチウイルスベクターを感染させて細胞の不死化を試みたところ、不死化遺伝子が導入された上皮細胞様の特徴をもつ幹細胞は継代を重ねると増殖しなくなることがわかった。また、毛包PRRX1陽性幹細胞についても初代培養細胞とは性質の異なる不死化細胞しか得られなかった。しかしながら、初代毛包PRRX1陽性幹細胞は5-6回継代を重ねても遺伝的性質や細胞形態に大きな変化がないこと、凍結保存できることが明らかになった。以上のことから、今後は安定して分離できる初代毛包PRRX1陽性幹細胞からLH/FSH産生細胞への分化転換を試みる予定である。 2.初代毛包PRRX1陽性幹細胞からLH産生細胞への分化誘導実験には二次元培養系を採用していたが、その条件では分化効率が悪かった。そこで下垂体PRRX1陽性幹細胞がLH/FSH産生細胞に分化するときと同じ三次元培養系を用いて毛包PRRX1陽性幹細胞から浮遊凝集体の形成を試みた。しかしながら、浮遊凝集体は形成されるものの、LH/FSH産生細胞への分化は起こらなかった。一方、下垂体PRRX1陽性幹細胞をLH/FSH産生細胞に分化させたときに使用した培地(馴化培地)を回収し、毛包PRRX1陽性幹細胞から形成させた浮遊凝集体の培養系に適用したところ、ホルモン遺伝子が検出された。現在、免疫染色によりタンパク質レベルでの検出を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年度目の研究では、下垂体細胞を培養して得られる馴化培地を用いることで毛包PRRX1陽性細胞からホルモン産生細胞へ分化誘導ができることがわかった。以上の結果から、非下垂体の組織幹細胞が性腺刺激ホルモン産生細胞に運命転換する分子基盤の一端が明らかになってきている。そのため、本研究は順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
下垂体PRRX1陽性幹細胞をLH/FSH産生細胞に分化させたときに使用した培地(馴化培地)を用いて毛包PRRX1陽性幹細胞の分化誘導を行い、液性因子による運命転換の可能性を追求する。また、下垂体PRRX1陽性幹細胞および毛包PRRX1陽性幹細胞の共培養を実施し、液性因子および細胞間コミュニケーションによる運命転換の可能性も検証する。一方、下垂体PRRX1陽性幹細胞および毛包PRRX1陽性幹細胞は細胞形態および遺伝的性質が完全には一致していないため、液性因子による短期的な誘導では毛包PRRX1陽性幹細胞の運命転換は効率が低い可能性がある。そこで、下垂体幹細胞からLH/FSH産生細胞への分化過程で発現する特異的な遺伝子の過剰発現ベクターを作製し、それを毛包PRRX1陽性幹細胞に導入して強制的な変化を誘導する。以上のことから、毛包PRRX1陽性幹細胞からLH/FSH産生細胞への分化転換能を明らかにする。
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