Project/Area Number |
23K21276
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Project/Area Number (Other) |
21H02367 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新川 武 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (50305190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉城 志博 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (00720822)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | 2型志賀毒素ワクチン / 5量体分子安定化 / アミノ酸置換 / 毒素攻撃 / 生存率 / 2型志賀毒素ワクチン開発 / 動物実験 / 志賀毒素 / ワクチン / 5量体 / 分子安定性 / 変異体 / 豚の浮腫病 / 志賀毒素産生性大腸菌 / B鎖5量体 / 2型志賀毒素 / 分子不安定性要因解明 |
Outline of Research at the Start |
2型志賀毒素(Stx2)に対する抗毒素ワクチンを開発するため、そのB鎖構造に特異的アミノ酸変異を導入することで、B鎖5量体の形成効率を高める。特にB鎖タンパク質同士が会合する際、その接着面として機能するアミノ酸郡に特異的変異を導入することで、大腸菌菌体内での会合効率を高め、B鎖5量体形成を促進させる。 本研究では、Stx2のうち特に豚に感染する病原性大腸菌が産生する「eバリアント」(Stx2e)を標的とした豚の浮腫病ワクチンの開発を目指しており、我々の過去の研究成果である第1世代浮腫病ワクチン「スイムジェンSTX」(2020年12月10日認可)に続く第2世代浮腫病ワクチンが完成する予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、2型志賀毒素(Stx2)B鎖5量体(Stx2B)特異的な不安定要因を分子レベルで解明することで、1型志賀毒素(Stx1)B鎖5量体(Stx1B)に匹敵する安定したStx2B 5量体分子を構築し、2型ワクチン開発へ繋げることを目標にしている。 Stx2には、ヒトの腸管出血性大腸菌(EHEC)が産生する「a prototype(Stx2a)」およびその他の遺伝子型が存在すると同時に、豚の浮腫病(ED)を誘発する病原性大腸菌由来の「e variant(Stx2e)」が存在する。したがって、これらStx2のB鎖(Stx2aBやStx2eB)5量体に特異的な分子の不安定要因を特定できれば、安定化したStx2aBやStx2eB 5量体分子の設計が可能となり、抗毒素ワクチンの開発が期待できる。 我々は最終的に、Stx2B 5量体の安定化分子機構を解明した段階で、EDならびにヒトのEHEC感染症に対するワクチン開発の基盤を構築することを目標にしている。 R4までにStx2aBの5量体安定化に寄与する特定のアミノ酸を複数同定することに成功したので、R5にはこれらのアミノ酸残基に置換した5量体のタンパク質調整を進め、その安定化についてGb3-ELISA法ならびにタンパク質発現量において評価し、その結果、16種類の有望な変異体にたどり着いた。ここまでがR5で計画したことで、良好な成果を得たと考えている。R6はこれら16種類の変異体の抗毒素ワクチン機能をマウスで評価する。すなわち、これらの変異体で免疫したのち、毒素攻撃し生存率によって有効性を検証する予定である。 また同時に、Stx2eBの5量体安定化に寄与する特定のアミノ酸の同定にも成功したので、R6ではその変異体を豚試験に供し、評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まずStx2aBの安定化に寄与する特異的なアミノ酸を複数特定することに成功し、R6ではその最終的なワクチン機能解析できる段階まで来た。さらに、Stx2eBの安定化に寄与する特異的なアミノ酸の特定にも成功し、R5ではマウスでの機能評価を終了し、R6に豚試験に移行する段階まで来た。 以上、EHECワクチンの基盤となるStx2aBとEDワクチンの基盤となるStx2eBの両方に対し、安定化メカニズムを解明することに成功したことを受け、当初計画以上に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、これまでStx2aB(ヒトのEHECワクチン候補分子)の安定化に寄与する特異的なアミノ酸を複数特定することに成功し、R6ではその最終的なワクチン機能解析できる段階に達したと同時に、Stx2eB(豚のEDワクチン候補分子)の安定化に寄与する特異的なアミノ酸の特定にも成功し、R5でのマウス評価試験を経て、R6には豚試験に移行する段階にある。
今後は豚でのPoCを終了した段階で、欧州の製薬企業と第2世代EDワクチンの開発を本格化すると同時に、ヒト用EHECワクチンの開発に向けた計画を推進する。さらに、これまで2型毒素のワクチン開発にはB鎖のみを標的としてきたが、現在、A鎖/B鎖を含むヘテロ6量体分子の構築技術の確立を目指して実験中である。この試みが成功すれば、第3世代EDワクチンの開発に繋がる可能性があると考えており、当研究室で第1~第3までのEDワクチンを網羅することを目指すこととしている。
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