Project/Area Number |
23K21282
|
Project/Area Number (Other) |
21H02382 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小林 久人 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70632727)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
|
Keywords | ゲノム刷り込み / エピゲノム / DNAメチル化 / 種間比較 / 胎盤 / 胚発生 / ラット / ウサギ |
Outline of Research at the Start |
ラット・ウサギ・霊長動物の包括的な生殖エピゲノムおよびゲノム刷り込み機構の解明を目指す。各動物種のインプリントーム(刷り込みを受ける遺伝子座・領域の全容)比較により、種特異的なインプリント遺伝子の同定とそれらの生物学的意義を明らかにし、種多様性をもたらすゲノム的要因の特定を目標とする
|
Outline of Annual Research Achievements |
ネズミ目間の刷り込み(インプリント)遺伝子の全容を明らかにするため、ラット(BN×WKY/NCrlおよびBN×F344/N交雑)およびマウス(C57BL/6N×JF1交雑)の二系統交雑F1ハイブリット原腸胚より胚盤葉上層(エピブラスト)と胎盤外円錐(胚体外組織の一部)をそれぞれ単離し、父・母由来を区別化した対立遺伝子(アレル)特異的なトランスクリプトーム・DNAメチローム解析を実行した。作製したラット・マウスのインプリント遺伝子全容(インプリントーム)マップの比較により、ラット・マウス間でよく保存されたインプリント遺伝子を複数同定するとともに、ラット特異的にインプリントを受ける8遺伝子を同定した。これらの遺伝子はすべて胚体外組織特異的に父由来アレル特異的な発現を示すことから、進化の過程における刷り込み機構の胎盤での機能的多様性との関わりを彷彿させるものであった。また卵子のエピゲノム解析および胎盤外円錐のDNAメチローム解析結果より、これらの新規インプリント遺伝子は卵子のヒストン修飾H3K27me3の制御下(non-canonical imprinting)にあることが明らかとなった。このように、世界初のラットインプリントーム解析により、ネズミ目間のインプリンティングの保存性と多様性を明らかにし、特に多様性についてはゲノムおよび卵子エピゲノムの種間差に起因することが示された。これらの成果はゲノムワイドなインプリント遺伝子の解析を現時点で明らかにされているマウス・ラット・ハムスターなどをまとめ、論文として発表した(Richard Albert J et al., Genome Biology 2023)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採択より3年間の間に、齧歯類(マウス、ラット、ハムスターなど)におけるインプリント遺伝子についてまとめた総説論文(Kobayashi H, Front. Cell. Dev. Biol. 2021)、共同研究でトランスクリプトーム解析を担当した、ラットの試験管内生殖細胞再構築系の確立についての論文(Oikawa M et al., Science 2022)、ラットのインプリントームマップ解析結果の論文(Richard Albert J et al., Genome Biology 2023)が掲載されるなど、ラットをベースとした種横断的な解析が高く評価されている。現在、ウサギのインプリントーム解析および生殖細胞のエピゲノム解析に取り組んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、ラットに引き続き、ハイブリッドウサギのアレル特異的なトランスクリプトーム・DNAメチローム解析を進めている。さらにウサギ卵子のエピゲノム解析を合わせて、ウサギのインプリントームマップを作成し、エピゲノムの相違点とインプリント遺伝子との関わりについて調査する。また、霊長動物の胎盤に加え、ウシ・ブタ・オポッサムなどの多様な哺乳動物の胚体外組織のトランスクリプトーム解析およびインプリント遺伝子のアレル特異的解析により、種特異的インプリント遺伝子の成立機序について調査する予定である。
|