Project/Area Number |
23K21285
|
Project/Area Number (Other) |
21H02391 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 喜美 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (90211705)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉信 公美子 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (20274730)
要 匡 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, ゲノム医療研究部, 部長 (40264288)
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
指田 吾郎 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (70349447)
荒木 正健 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特任准教授 (80271609)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
|
Keywords | マイクロRNA / 遺伝子変異 / 白血病 / 機能獲得方変異 |
Outline of Research at the Start |
マイクロRNA (miRNA) は、8塩基程度のシード配列がターゲット遺伝子と結合することでその遺伝子の発現を制御する小さいRNA分子である。発がんでは、多くの遺伝子に変異が見られるが、miRNAの変異が直接発癌に関わる報告はまだない。我々は、ヒトの成人急性白血病で発見されたmiRNAの変異をマウスに導入すると、白血病を発症することを見出した。この変異miRNAが、多段階で発癌へと至るどの時期に、どのような他のがん遺伝子と協調して白血病の発症へ導くのかを解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNA (miRNA) は、ターゲットのmRNAと結合しその発現を制御する小RNA分子である。発がん過程において、発現が変化するmiRNAの報告は多いが、その変異が直接発癌に関わるかどうかはまだ明らかではない。 miR-142は、主に造血系で発現しているmiRNAで、マウスとヒトでその配列は100%一致している。我々は、急性骨髄性白血病患者において報告されたmiRNA-142-3pのシード領域の変異(A55G)を持つマウスを作出した。A55G変異マウスは、ヘテロ接合体よりホモ接合体の方がより重篤な症状を示すことから、機能獲得型変異であると予想された。発症機序解明のため、A55G変異ヘテロ接合体の骨髄移植を行い、造血細胞がどのような増殖をするのかを調べた。移植後のマウスの末梢血の細胞を解析したところ、T細胞が異常に増加し、それに伴い骨髄系細胞、B細胞が減少していた。さらに、2次移植したマウスでは全例2ヶ月以内にT細胞性白血病を発症した。造血幹前駆細胞及びCD8+T細胞のmRNA発現の網羅的解析を行ったところ、白血病化したT細胞では、mTORC1 signalに関与するRheb, Rrasが上昇 Camk1d, Parp1が減少することがわかった。すなわち、自己増殖や代謝に関わる遺伝子発現が上昇し、T細胞として正常に機能していないと考えられた。 しかし、もともとこのA55G変異は、急性骨髄性白血病患者で見出されたものであるのに対し、今回は、分化した後のT細胞が白血病化しており、若干病態が異なる。ヒト患者では、Idh2遺伝子変異も併発していることが多いことから、Idh2の変異も導入したマウスを作製した。直接変異を導入したマウスの生存率が低かったため、A55G変異とIgh2変異を持つES細胞を樹立した。これにより、両変異マウスの安定供給が可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A55G変異とIdh2変異の2重変異マウスは早期に死亡することが多かったが、2重変異ES細胞の樹立に成功した。精子形成不全ヘルパーES細胞とのアグリゲーション法によって、A55G変異とIdh2変異の2重変異の生殖細胞を持つ健康なキメラマウスを安定作出できるようになり、必要な時に体外受精でマウスを得ることが可能になった。また、機能獲得型変異を直接的に証明するため、CAGプロモーターの下流にmiR142のhost geneを接続した発現カセットを構築、A55G変異miRNA過剰発現系を立ち上げた。
|
Strategy for Future Research Activity |
遺伝子発現の変動がA55G変異miR142によって直接引き起こされているのかどうかを培養細胞を用いた強制発現系で検証する。また、これまでの解析で、癌を発症した骨髄移植マウスでは、クローナルながん細胞の増殖が起こっていることがわかったので、セカンドヒット、サードヒットとなるような遺伝子変異が起こっているかどうかも検討する。今までマウス不足のために十分移植を行えていなかったが、キメラマウスを用いた体外受精で安定供給が可能になったので、Idh2変異とA55G変異miR142の2重変異マウスの骨髄移植数を増やし、AML発症するのかどうかを検討する。
|