Study of genomic functions involving species-specific vocal learning and production
Project/Area Number |
23K21302
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Project/Area Number (Other) |
21H02456 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和多 和宏 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70451408)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 発声学習行動 / 鳴禽類ソングバード / 種特異性 / 遺伝子発現 / シングルセル解析 / 学習臨界期 / 時系列制御 / 種特異的行動 / オープンクロマチン / AAV / 発声学習 / ゲノム |
Outline of Research at the Start |
『行動進化のゲノム基盤』を明らかにする。そのために鳴禽類の発声学習行動をモデルとして、種間のゲノム配列の違いがいかにして、脳内の遺伝子発現に影響を与え、個体レベルでの学習行動の種特異性の表出につながるのかを、実験的に検証する。「ゲノム配列の種差」から「脳内種特異的遺伝子発現」、そして、それによる「個体レベルの種特異性行動発現」までの過程を、歌神経核内を構成する細胞レベルまで掘り下げ、細胞タイプ別のオープンクロマチン領域と遺伝子発現情報を基に種特異的なゲノム発現プロファイリングを行い、動物行動の進化・多様性形成に直結する『細胞レベルの種特異的なゲノム機能発現制御メカニズム』を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、種間のゲノム配列上の違いが、いかにして脳内に共通して存在する神経回路における遺伝子発現に影響を与え、その結果、個体レベルにおける種特異的発声学習行動の生成につながり得るのかを明らかにすることを目的としている。 当該年度は、当初予定した実験を実施できた。シングルセルRNA-seq実験・解析によって、異種間ハイブリッド個体で観察された発声学習能の雑種強勢表現型が、発声運動神経核内のグルタミン酸作動性興奮性投射ニューロンにおける非相加的遺伝子発現が有意に増大していることを明らかにできた。またその非相加的発現制御を受ける遺伝子群と発声学習能の雑種強勢表現型との機能相関があることを見出した。これらの知見を報告した論文が2024年4月の時点でUnder reviseの状態である。 また、シングルセルRNA-seqによる発現情報とシングルセルATAC-seqによって取得した細胞タイプごとのオープンクロマチン領域情報を基に細胞タイプ特異的な遺伝子発現誘導を実現できるかをアデノ随伴ウイルスを用いin vivo実験的に検証した。その結果、期待した通りの細胞タイプ特異的な発現を誘導できるゲノム領域を同定することに成功した。今回は、zebra finch(Taeniopygia guttata)の発声運動神経核HVCとRA野を対象に行ったが、この方法を応用することで、種特異的な脳内遺伝子発現制御に関わる機能的なゲノム領域を網羅的に同定できる道筋がついたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度に研究実施計画として挙げていた、鳴禽類ソングバードの脳内歌神経核における細胞タイプ別遺伝子発現解析として、シングルセルRNA-seqによって取得した遺伝子発現情報と実際の動物個体が生成した発声パターン表現型との機能相関を算定する解析手法を確立することができた。また、その方法によって得られた知見を報告し、現在までに1報の論文発表ともう1報の論文査読中状態になっている。 また、シングルセルATAC-seqによるオープンクロマチン領域情報を用いて、細胞タイプ特異的な遺伝子発現誘導にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
シングルセルRNA-seqによる発現情報とシングルセルATAC-seqによって取得した細胞タイプごとのオープンクロマチン領域情報を基に細胞タイプ特異的な遺伝子発現誘導が実現できたことを踏まえて、この方法を応用し、種特異的な脳内遺伝子発現制御に関わる機能的なゲノム領域を網羅的に同定する。さらに、歌神経核内の細胞タイプ特異的に、種特異的遺伝子発現制御を受ける遺伝子の脳内遺伝子発現改変実験を行い、実際に種特異的な発声学習及び、発声パターンの生成に寄与するのか、検証実験を実施する。
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Report
(3 results)
Research Products
(26 results)