Project/Area Number |
23K21306
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Project/Area Number (Other) |
21H02470 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43060:System genome science-related
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
重水 大智 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 メディカルゲノムセンター, 部長 (70617464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 浩一 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 メディカルゲノムセンター, センター長 (50373288)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 疾患予測モデル / HLA / ゲノム解析 / 予測システム / RNA-sequencing / ゲノムシークエンス / 遺伝子変異 |
Outline of Research at the Start |
高齢化の世界的進行に伴い、認知症高齢者の数は年々増加傾向にある。我が国の認知症高齢者数は2025年に730万人を超えると推定されている。現在、認知症を根治する有効な治療法、薬剤は存在しない。そのため早期診断による予防が最善策とされている。そこで本研究では、軽度認知障害(MCI)者のゲノムデータ、遺伝子発現データ、臨床情報のマルチオミクス統合解析からアルツハイマー病(AD)への移行に関わるリスク因子を網羅的に探索、同定し、MCIの時点でAD移行確率を予測する診断システムの開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
国立長寿医療研究センター(NCGG)には、高齢者の高品質な血液試料・ゲノムデータを保有しているバイオバンクがある。その中から少なくとも1年以上フォローアップした軽度認知障害者のゲノムデータ、遺伝子発現データ、臨床情報のマルチオミクス統合解析からアルツハイマー病(AD)への移行に関わるリスク因子を網羅的に探索し、予測診断システムの開発を目指す。 現在報告されているAD発症リスク因子の多くが免疫に関連している。そのため、ADと免疫との関係を、NCGGバイオバンクのAD患者303名、認知機能正常高齢者1717人の全ゲノム配列データ解析から調べた。結果、APOEε4を持たない集団でHLA-DRB1*09:01とHLA-DQB1*03:03のアレル頻度がAD患者で有意に高いことがわかった。この両アレルは、日本人を含む東アジア人特異的に認められるアレルである。 HLA-DRB1*09:01とHLA-DQB1*03:03は連鎖不平衡が強い(r2 = 0.88)。そのため、HLA-DRB1*09:01-DQB1*03:03のハプロタイプがADの発症に強く寄与している可能性が示唆された。実際、このハプロタイプはAPOEε4を持たない集団でAD発症のリスクを有意に高めていることが示された。 本研究で同定されたHLAハプロタイプは、HLAクラスIIに属する。HLAクラスII分子は、細胞表面に抗原を提示し、その抗原をT細胞受容体(TCR)によって認識することで、CD4+ヘルパーT細胞への分化を促進させる。そこで、本研究で同定されたハプロタイプとTCRの多様性の関連について調べた。その結果、その関連性は示されなかったが、TCRのα鎖の多様性の低下がAD発症に関与することが新たにわかった。今後、さらに症例数を増やして検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模な全ゲノムシークエンスデータ解析からAD移行に関わる新規バイオマーカー候補を同定することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的な遺伝子発現のデータとゲノムデータ、臨床データの統合解析から、ADへの移行を予測できる最適なバイオマーカーの組み合わせを探索する。ゲノム変異と遺伝子発現の関係を示すeQTLに着目し、eQTLをバイオマーカー候補とし、AD移行予測診断システムの開発を行う。開発した予測システムは、独立した前向きコホートデータを用いてその予測能を検証する。
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