| Project/Area Number |
23K21322
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| Project/Area Number (Other) |
21H02527 (2021-2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 太一 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (20769765)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠見 淳子 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (20510522)
吉井 大志 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50611357)
寺本 孝行 九州大学, 理学研究院, 准教授 (90571836)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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| Keywords | ヒドラ / 睡眠 / 刺胞動物 / 睡眠様状態 / 散在神経系 / ショウジョウバエ / 行動スクリーニング / オミックス解析 / 周期行動 / マルチオミックス / リン酸化プロテオーム / トランスクリプトーム / カルシウムイメージング / 睡眠制御因子 / マルチオミックス解析 |
| Outline of Research at the Start |
睡眠は高等脊椎動物で普遍的に見られる生理現象であるが、その起源と進化的変遷は解明されていない。そこで、本研究ではヒドラの睡眠制御機序を分子レベルと細胞レベルで解析し、これらを統合してヒドラの睡眠制御の全容の理解を目指す。本研究の結果と他の動物種で得られている知見を比較することで、睡眠の起源と進化的変遷が解明できると期待される。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、刺胞動物ヒドラをモデルとし、原始的な神経系における睡眠制御の実体を明らかにすることにより、睡眠の進化的起源およびその普遍的メカニズムの解明を目指している。令和6年度においては、前年度までにショウジョウバエで同定された睡眠制御因子Xおよびその下流因子Yについて、ヒドラにおける機能検証を中心に研究を展開した。 具体的には、下流因子Yの作用機序の解明を目的とし、Yの外部添加量を段階的に調整してヒドラの睡眠量を定量的に測定した。また、Yに対する阻害剤の投与実験も併行して行った。その結果、Yの添加により睡眠量が用量依存的に増加し、逆に阻害剤の投与により睡眠量が有意に減少することが明らかとなった。これにより、下流因子Yはヒドラの睡眠を正に制御する分子であることが実験的に示された。ただし、遺伝子Xと因子Yとの直接的な関係や、X-Y経路の詳細な作用機構については、現段階では同定に至っておらず、今後の検討課題として残された。 さらに、ヒドラにおける睡眠制御領域の特定を目指して、部位ごとの切断実験を実施し、環境刺激(光・温度)への応答性を評価した。その結果、頭部領域では光および温度の両刺激に対して睡眠量が変動する一方、足部領域では温度刺激のみに反応し、光刺激には無反応であることが判明した。これは、ヒドラの体全体に睡眠制御機構が分布しているものの、刺激感受性や制御様式が部位により異なる可能性を示す重要な知見となった。 これらの成果の一部は、睡眠制御の部位依存性と環境応答性に関する論文として公表することができた。現在は、下流因子Yの動態解析を目的とした蛍光プローブによる経時的定量測定系の確立を試みているが、現時点では条件の最適化が難航しており、検出系の改良を進めている段階である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は概ね順調に進展している。まず、ヒドラにおける睡眠制御因子としての下流因子Yの機能を評価するため、外因性添加実験および阻害剤投与実験を実施し、Yの量的変化が睡眠量に与える影響を明確に示すことに成功した。これにより、因子Yがヒドラの睡眠を正に制御することが実験的に裏付けられた。また、睡眠制御領域の特定を目的とした切断実験においては、頭部では光と温度の両方の刺激に応答する一方、足部では温度にのみ反応することが判明し、部位により異なる睡眠制御機構が存在する可能性が示唆された。これらの成果の一部は論文として公表された。一方で、因子Yの経時的変化を定量するための蛍光検出系の確立に関しては、現在も条件検討中であり、技術的課題として残されている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒドラにおける睡眠制御機構の分子的全体像を明らかにするため、まずは因子Yの経時的変動を正確に測定可能な定量系の確立に注力する。具体的には、検出感度および生体適合性に優れた蛍光試薬の選定と、蛍光強度の時間依存的変化を記録可能な画像解析環境の整備を進め、因子Yの作用機序の同定を試みる予定である。加えて、睡眠制御に関与する体内領域をより高解像度でマッピングするため、カルシウムイメージングの導入も引き続き検討していく。これらを通じて、ヒドラにおける睡眠制御ネットワークの全容解明に向けた統合的解析を推進していく。
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