視床下部の新生神経の成熟過程におけるcAMP濃度変動が果たす機能の解明
Project/Area Number |
23K21371
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Project/Area Number (Other) |
21H02666 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48020:Physiology-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中島 則行 久留米大学, 医学部, 教授 (80625468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武谷 三恵 久留米大学, 医学部, 准教授 (30289433)
中島 明子 久留米大学, 医学部, 助教 (40867024)
鷹野 誠 久留米大学, 医学部, 教授 (30236252)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | cAMP / Neural renewal / Hypothalamus / OMP / NES / Bioinformatics / CAPN |
Outline of Research at the Start |
本研究では視床下部において新生を繰り返す神経に焦点を絞り、cAMP動態が新生神経の成熟過程やストレス応答において果たす機能の解明を目的とする。そのためには、任意の時点で新生神経に「めじるし」をつけ、その後、この細胞が成熟に伴って移動する過程を追跡し、さらにこの細胞が細胞周期のどの時期にあるかを明らかにする必要がある。新生神経に着目し、細胞周期を可視化しつつ脳内での運命を追跡する技術を用いて、神経新生過程においてcAMPの動態制御が果たす役割を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
嗅細胞マーカOMPは、嗅細胞では嗅覚受容体の下流シグナルを制御する。脳内でも嗅覚受容体が嗅細胞マーカOMPと共役して機能すると仮説し、細胞ストレスメディエータと考えられる乳酸受容体(Olfr78)を全脳で検索したところ、脈絡叢のミクログリアおよび視床下部バソプレシン神経に発現することが分かった。さらに、OMP遺伝子は、細胞の形態形成・アポトーシスに関わるカルシウム依存的プロテアーゼ(カルパイン5:CAPN5)遺伝子のイントロンに「入れ子構造(nested gene)」で存在しており、転写因子GAP43によってCAPN5と相反的な発現制御を受ける可能性を発見した(Nakashima N. et al., Mol. Brain, 2019)。そこで、新たに考案したBioinformatics計算法(PKV法)によって、OMPの内部にカルパインファミリーの切断サイトを見つけた。OMPはCAPN5では切断されないが、それ以外のCAPNサブタイプによって直接切断される可能性を見出した(Nakashima N. et al., Mol. Brain, 2022)。さらにOMPには、高度に保存されたロイシンリッチ領域があることを発見した。ロイシンリッチ領域は他のタンパク質において核外輸送シグナル(NES)として知られている。そこで、ロイシンをアラニンへ変えてシグナルを破壊したアラニン変異型OMPを作成し、HEK293T細胞に発現させたのちにOMPの細胞内分布を確かめた。その結果、アラニン変異型OMPは野生型OMPに比べて核に存在する割合が増加し、ロイシンリッチ領域がNESとして機能することを突き止めた(Nakashima N. et al., Mol. Brain, 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
OMPの脳内での分子メカニズムについての新知見が得られることにより、OMPの細胞内分布が変化することが判明した。そこで、OMPが作用する細胞内シグナル動態を細胞内サブドメインで観察できるようにレポータコンストラクトの改訂が必要となった。代用案として、膜移行シグナルや核移行シグナルを付加したコンストラクトの設計および作成を進めており、当初の計画内容に従って細胞内シグナルの可視化実験を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の遂行と並行して、OMPの分子機能について研究を進めた結果、新たな仮説が得られた。その結果を踏まえて、さらにOMPの分子メカニズムの解明のための分子生物学実験を並行して行いつつ、引き続き当初計画に従ってIn vivo実験実施のためのコンストラクトを作成し、In vivoでの細胞機能の可視化のための実験を実施する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)