Project/Area Number |
23K21375
|
Project/Area Number (Other) |
21H02703 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
塚本 善之 大分大学, 医学部, 助教 (00433053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麓 祥一 大分大学, 医学部, 客員研究員 (00532631)
柴田 智隆 大分大学, 医学部, 講師 (20566905)
喜多 加納子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (30457600)
泥谷 直樹 大分大学, 医学部, 准教授 (80305036)
守山 正胤 大分大学, 医学部, 客員研究員 (90239707)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 癌オルガノイド / 薬剤感受性 / 抗癌剤 / がんオルガノイド / 患者由来 / 個別化医療 / プロテオミクス |
Outline of Research at the Start |
抗癌剤の効果は個々の患者により異なる。本研究は患者由来の癌組織培養(癌オルガノイド)を用いた抗癌剤効果予測法の開発を目的とする。2019年度より保険適用が始まった「がんゲノム医療」では、癌組織のゲノムDNAを使って、100以上の癌関連遺伝子の異常をパネル検査により解析し、抗癌剤を選択する。この方法は現在、抗癌剤の選択法としてもっとも優れているが、「異常が検出されてもそれに対応する抗癌剤が開発されていない」、「遺伝子異常を標的としない抗癌剤の効果予測が難しい」、といった課題が残されている。本研究ではこのようながんゲノム医療とは全くことなるアプローチにより、患者に適した抗癌剤選択方法を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は食道癌、胃癌、大腸癌オルガノイドの樹立を進めながら、薬剤感受性試験を実施し、それぞれの癌オルガノイドのIC50を解析した。抗癌剤の選択としてCOSMICデータベースよりafatinib, sapitinib, AZD5582, Oxyphenisatinがこれらの癌腫において効果が高いことがわかった。そこで、これらの抗癌剤について癌オルガノイドの感受性を解析した。中でもAZD5582およびOxyphenisatinは著しく効果の高い癌オルガノイドと低い癌オルガノイドが存在した。そこで、これらについて感受性予測のためのバイオマーカーを探索した。その結果、特定のリン酸化タンパク質やmRNAの変動が感受性と強く相関することを見出した。これらのデータをもとに、抗癌剤の効果予測法として特許出願に至った(特願2023-048755)。 また、これまで開発を続けていたシスプラチンの効果予測法について、成果をまとめて報告した(Lab Invest 2022)。シスプラチン効果予測法として、シスプラチン投与後のc-Jun活性化がバイオマーカーとして使えることを見出した。癌オルガノイドのIn vitroで強い相関を認め、さらに患者から樹立した癌オルガノイドで効果予測を行い、実際の患者治療効果との相関を解析したところ、有意性は見出されなかったものの、傾向が認められた。今後、症例数を増やすことで臨床応用が期待される。 さらに、将来的な個別化医療へ向けて、少量の検体からの癌オルガノイドの樹立を目指した。胆道癌患者で初診時に手術不能癌である患者は少なくない。そのような患者から癌オルガノイドを樹立するために、我々は検査で採取される胆汁に着目した。検査用胆汁に含まれる癌細胞から癌オルガノイドを樹立する方法を開発し、報告した(Lab Invest 2023)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、主な成果として特許出願1件と責任著者である論文報告を2編報告した。また、新しい取り組みとして、患者間で効果のバラツキが多い、すなわち効果の高い患者の選別が必要な抗癌剤を見出した。そしてその抗癌剤について、感受性の高い患者のスクリーニングのためのバイオマーカーを発見した。 このように、これまでの成果をまとめ、報告しつつ、次につながる成果も得ることができたので、研究はおおむね順調に進んでいると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
論文報告した内容についてはまだまだ症例数が足りていないので、症例数を増やしての検証研究を実施する。シスプラチン効果予測法については特許出願済みなので、臨床応用へ向けてコラボレーションの可能性を探索する。胆汁由来癌オルガノイドについては、実際に効果予測法やその他の効果予測診断法に使えるかどうか、検証する。 また、新しく同定されたバイオマーカーについては臨床応用を目指した解析を進め、論文報告する。さらに、マウスを用いた個体レベルでの検証を行う。
|