超高磁場MRIを用いた視床下部機能的結合解析の新規開発と気分障害への応用
Project/Area Number |
23K21413
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Project/Area Number (Other) |
21H02849 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30335286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 広臨 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10599608)
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40526878)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | うつ病 / MRI / 視床下部 / 安静時機能的MRI / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
継続課題のため、記入しない。
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Outline of Annual Research Achievements |
うつ病の神経基盤は、脳領域間の結合性の病態であるとの知見が集積しつつある。脳領域間の結合性の病理は、安静時fMRIによって視覚化が可能であり、これまでの研究から、うつ病では複数の脳構造間の機能的な結合の異常が関与すると推察されている。 一方、脳領域間結合性のイメージングに関する技術的限界も指摘されている。うつ病では、視床下部-下垂体-副腎系を介した内分泌機能調節異常が存在するが、視床下部は、1.周囲との機能的境界が不明瞭、2.内部に機能の異なる小神経核が混在、という解剖学的特徴のため、信頼性と妥当性を備えた機能的結合の描出に限界があった。 しかし、高いシグナル・ノイズ比と空間解像度を実現できる超高磁場MRI(7テスラ)の導入後、より高精度・高精細な安静時fMRI撮像が可能となった。この特性を最大限に活用することで、これまでは研究対象とできなかった脳領域に関しても機能的結合を評価できるようになった。 本研究では、うつ病患者にて超高磁場MRIを用いた安静時fMRIを撮像し、これまで十分に検討されてこなかった視床下部に関し、機能的結合の観点からみた特徴を高精度かつ網羅的に抽出する。また、周囲脳構造との機能的境界の決定や、内部構造の高精度分割化を行うべく、データ駆動型の脳領域分割手法を応用した画像解析技術を開発する。これらにより、うつ病の症状や関連する心理指標との関連を調べ、病態理解を推進することを目標とした。 本年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により若干の実験進捗に支障が出たものの、概ね順調にMRI撮像等のデータ取得が進み、新たな解析方法の進捗をみた。また、従来稼働中の3テスラ安静時fMRIに対して、データ駆動型解析を応用し、うつ病の治療経過における脳内情報伝達の方向性とダイナミクスの変化を明らかにした論文成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 7T-fMRIデータ収集:2022年度までで、合計64名(うつ病患者30名および健常人34名)の撮像を行った。COVID-19拡大の影響でリクルート体制に若干支障は出たものの、概ね順調であった。また、7T-fMRIを撮像した症例においては、従来稼働中の3T-fMRI撮像も併せて行った。 2. 7T-fMRI画像解析手法の開発 1) 機能的境界の改良および高精度の脳領域分割化: 脳領域分割に深層学習を応用することで、視床下部の境界面および内部に関し、高精度なsegmentation技術を確立した。 2) 解剖画像への高精度のregistration手法の開発: 0.7mmの高空間分解能を有する3次元T1強調画像(MP2RAGE)から得られる灰白質・白質境界情報を用いて、解剖画像への高精度位置合わせを含めた、7T-fMRIのための適切な歪み補正法を確立した。 3. 心理行動指標:7T-fMRI撮影と同時にうつ症状および不安症状および、これに関連する自尊感情、ストレスコーピング、レジリエンス等の定量化尺度としての各種心理検査を行い、心理行動指標のデータベースを構築している。心理検査後のデータ入力を含め、データベースの構築や、脳画像指標との関連を調べるにあたって必要となる尺度の信頼性・妥当性の検証など、概ね順調な進捗状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 7T-fMRIデータ収集:2022年度のリクルートは順調に進んだと考えられるため、現状の体制を維持しつつ、今後もうつ病および健常者の被験者リクルートを継続する。しかし、本年度の新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、被験者リクルートに影響が出る可能性があり、感染状況を見ながら柔軟に対応した上でデータ収集を継続する。 2. 心理行動指標:2022年度と同様に、現在の体制を維持しつつ、今後も7T-fMRIと同時に神経心理検査を行い、心理行動指標のデータベースの構築を進める。
画像解析手法の新規開発については、主要な部分に関しては開発に成功したため、これまで集積した7T-fMRIデータを用いた予備的解析に着手する。得られた研究結果については、次年度以降での国内外の学会、および学術論文として報告を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)