Project/Area Number |
23K21414
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Project/Area Number (Other) |
21H02851 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
平野 羊嗣 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90567497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 進介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10633167)
三輪 秀樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 室長 (80468488)
鴻池 菜保 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (80645169)
那波 宏之 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (50183083)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 統合失調症 / ガンマオシレーション / E/Iバランス障害 / トランスレーショナルリサーチ / バイオマーカー / E/Iバランス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、興奮性(E)と抑制性神経(I)のバランス障害を背景とした、統合失調症の新たな病態マーカーとして注目されているガンマオシレーションを軸に、トランスレーショナルリサーチ(TR)やリバースTRといった双方向の橋渡し研究を行うことで、E/Iバランス異常に基づいた統合失調症の生理学的基盤と病態マーカーを同定し、最終的には、既存のドパミン仮説に基づいた治療法に反応しない患者群からE/Iバランス障害型の統合失調症を抽出・同定し、新たな治療法開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症は個人的かつ社会的な損失が甚大で、既存のドパミン仮説を超えた信頼性の高い病態マーカーの同定とそれを応用した革新的治療法の開発が望まれる。本研究では、興奮性(E)と抑制性神経(I)のバランス障害を背景とした、統合失調症の新たな病態マーカーとして注目されているガンマオシレーションを軸に、基礎研究と臨床研究の双方向のトランスレーショナルリサーチを行うことで、E/Iバランス異常に基づいた統合失調症の神経生理基盤と病態マーカーを同定し、新規治療法開発を目指す。2022年度はCOVID-19の影響も減ったことで順調に共同研究を進めることができた。各自の実績は以下の通り。
<臨床研究:脳波・脳磁図(平野・田村)>ガンマオシレーションを強烈に誘発する音刺激(chirp-ASSR刺激)を同定・作成し、統合失調症の有用な病態マーカー候補としてデータを取得・解析し、その結果を国際学会や国際専門誌に発表した。また同実験系を以下基礎研究への転用を進めた。 <臨床研究:fMRI-EEG同時測定(平野・田村・小池)>fMRI-EEG同時測定により、ガンマオシレーションの挙動と一致するBOLD信号とfluctuationの変化を検索し、ネットワークレベルでの解析を行い、健常群と統合失調症群での相違を検出し、国際学会で発表した。 <基礎研究:モデル動物(鴻池・三輪)>ケタミン投与モデルマーモセット(鴻池)ならびに、PV-GAD67cKOマウス(三輪)を用いてガンマオシレーションを計測し、データを取得し、解析を行い、その結果を国際学会や国際専門誌に発表した。また基礎研究と臨床研究のトランスレーションも進めた。 <新規治療研究:ニューロフィードバック(平野・田村・光藤)>健常者と統合失調症者における音声弁別や情動制御時のガンマオシレーションの挙動を調べ、被験者にフィードバック可能な脳機能指標を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響も減ったことで、特にリクルートが困難であったヒトを対象とした臨床研究は、今年度に入り、予定よりも進めることができたと考える。基礎研究と臨床研究のトランスレーションも進んでおり、十分に成果が出せたと考える。2022年度は、多数の英語論文が国際英文誌に受理されており(合計39本、平野:18本、小池:15本、鴻池:4本、三輪:2本)、国内外の精神科や神経科学系の基幹学会でも発表することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、臨床研究(主に脳波とfMRI-EEG同時測定)と基礎研究(モデル動物の電気生理学的研究)を同時に推し進めつつ、ニューロフィードバック研究への応用も推進する。特に脳波研究では、統合失調症の頑健な病態マーカー候補(chirp ASSR)のデータの取得とその解析、論文化に注力し、それをモデル動物に転用し、検証作業を進めていく。fMRI-EEG同時測定研究では、統合失調症のガンマオシレーション異常を、ネットワークレベルで調べ詳細に検証していく。ニューロフィードバック研究では、健常者と統合失調症者における音声弁別や情動制御時のガンマオシレーションの挙動を詳細に調べ、被験者にフィードバック可能な脳機能指標を同定し、それを実験系に組み込み検証していく。
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