血液脳関門の破綻に着目した術後神経認知機能障害の発症機序解明
Project/Area Number |
23K21456
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Project/Area Number (Other) |
21H03025 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90264738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志田 恭子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (00381880)
加藤 大輔 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (10712292)
小山内 実 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90286419)
大澤 匡弘 帝京大学, 薬学部, 教授 (80369173)
打田 佑人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20834261)
中西 俊之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80857243)
上村 友二 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80791144)
仙頭 佳起 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (80527416)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 術後神経認知機能障害 / 血液脳関門 / ミクログリア |
Outline of Research at the Start |
麻酔・手術後の神経認知機能障害(neurocognitive disorder: NCD)を発症機序まで詳細に突き止めた研究はない。本研究では、マウスの術後NCDモデルで血液脳関門(BBB)の破綻の存在や部位を確認し、神経活動の障害との関連を明らかにする。また、脳内炎症や各種神経疾患に関与するミクログリアに着目し、BBBの破綻の発生機序を詳細に検討する。さらに、申請者らが開発したヒトのMRIによるBBB機能評価法を用いて、術後NCD患者のBBBの破綻を確認する。 術後NCDの発症機序の解明と周術期管理におけるリスク因子の検討で、高齢化で問題性が高まる術後NCDの予防や治療法の開発に貢献できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
血液脳関門(BBB)の破綻の部位と時間の検討を行うため、昨年度に引き続き、2光子顕微鏡を用いて術後神経認知機能障害(NCD)モデルのBBBの破綻の観察を行った。投与後6時間で残存色素がなくなり、追加投与が可能なフルオレセインナトリウムを用いた。9週齢で円形開頭術を行ったマウスに14-15週齢でイソフルラン麻酔下に試験開腹術を行い、術後NCDモデルマウスとした。このマウスにフルオレセインナトリウムを投与し、術前と術後(0-6hr, 12-18hr, 24-30hr)の血管内外の色素の輝度値の変化を経時的に撮影した。血管外と血管内の輝度値の開きが大きい部分を色素の漏出と仮定し、麻酔+手術群で輝度値の開きを確認した(n=1)。 その後の撮影の途中で、鎮痛薬の循環動態への影響を再検討した。当初のモデルでは、臨床の状況に合わせ、麻酔のみ群は生理食塩水を、麻酔+手術群には術後鎮痛のため、ブプレノルフィンを投与していた。しかし、これが循環動態に影響を与えている可能性があるため、麻酔のみ群にもブプレノルフィンを投与して、イメージングを実施した。 現在、これらの結果を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2光子顕微鏡のイメージングの途中で、鎮痛薬として使用したブプレノルフィンがどの程度、脳循環に影響するかの確認が必要になり、撮影引数が増えた。このため、BBBの破綻の部位と時間の検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
2光子顕微鏡での観察で、麻酔のみ群のマウスと、麻酔+手術群のマウスで、同様に撮影した際の血管内外の輝度値の変化をイメージングしたデータを解析し、血管内外の輝度値の開きに変化があるかが確認できたら、これをBBBからの色素漏出と仮定する。 1)イメージング結果で麻酔+手術群での血管外輝度上昇を認めた場合:追加の2光子顕微鏡撮影を実施して撮影数を増やす。また、アデノ随伴ウイルスを使用してミクログリアに標識し、麻酔+手術後の動態を確認する。ミクログリアが関与していると仮定し、ミノサイクリン投与による術後NCD発症の予防の検討を行う。さらに、術後マウスのLPT(Long-term potentiation)の測定などを予定する。 2)イメージングで結果を得られなかった場合:術後マウスのLPTの測定と、ミノサイクリン投与による術後NCD発症の予防の検討を実施する。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)