単球・マクロファージおよびミクログリアの動態からみた中枢神経障害の病態解析
Project/Area Number |
23K21459
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Project/Area Number (Other) |
21H03032 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田崎 修 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (90346221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 吾郎 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (00437427)
上村 恵理 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (20850647)
村橋 志門 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (40911532)
池松 和哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
村瀬 壮彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40823315)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | ミクログリア / 中枢神経障害 |
Outline of Research at the Start |
救急領域では、頭部外傷後の後遺症、敗血症・熱中症後の認知機能障害やうつ症状が社会復帰への大きな障壁となっている。しかし、そのメカニズムは未だに解明されていない。生体に上記の侵襲が加わった時には、まず炎症が起こり、その後に修復や再生が行われる。単球、マクロファージ、ミクログリアという血液や神経に存在する細胞は、炎症や再生に関わると考えられている。本研究では、それぞれの細胞の役割を明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
救急・集中治療領域では、頭部外傷後の後遺症や、敗血症・熱中症後の認知機能障害やうつ症状が社会復帰への大きな障壁となっている。しかし、そのメカニズムは未だに解明されていない。単球・マクロファージ(Mo/Ma)やミクログリア(Mi)のフェノタイプは共通して炎症性、あるいは抗炎症性に作用すると考えられたきたが、我々はMo/MaやMiが異なる時期に異なる作用を与えるのではないかと考えた。本研究では、頭部外傷、敗血症、熱中症モデルを用いて、それぞれが急性期の炎症や亜急性期の神経再生に果たす役割を明らかにすることを目的とした。 今年度はマウス頭部外傷(TBI)モデルでsham, TBIday1, およびTBIday7の3群の脳挫傷部よりRNAを抽出し次世代シークエンサー(NGS)によるトランスクリプトーム解析をすすめて、統計的に有意な発現変化を示したターゲットを同定した。NGSでは1300のmRNAの発現に有意差を認め(p<0.05)、shamに対して2倍以上の変動を示したなかから、GO解析、Pathway解析でマクロファージとミクログリアに関与する遺伝子群を抽出してqPCRを施行した(各群n=6)。遺伝子群から抽出したマーカーのqPCRでは、Day1でccr2, ccl3, cxcr2, trem1, cd14の増加(p<0.05)とaif, tmem119, rgmaの低下(p<0.05)をみとめ、Day7でcsf1, cst7の有意な上昇を示した(p<0.05)。mRNAの発現パターンからTBI後Day1ではマクロファージが有意な活性化を示し、Day7で神経阻害因子RGMaを発現したミクログリアが増加して神経再生阻害にはたらくことが示唆された。また並行して脳組織の凍結切片の作成と免疫染色、脳組織から細胞を分離してフローサイトメーターによる測定の基礎的な手技の確立を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳組織の凍結切片の作成と免疫染色、および脳組織からの細胞分離とフローサイトメーターによる測定手技の確立に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、脳組織の免疫染色でマクロファージ、ミクログリアを中心とした各細胞マーカー(Iba1, GFAP, NeuN, Claudin5, neurofilament)と、NGSで抽出したターゲット蛋白(RGMa, CCR2, Tmem119, Tremなど)の多重染色を行い、損傷脳におけるマクロファージ、ミクログリアの集積とターゲット蛋白の発現分布を観察して、TBI後の損傷脳におけるマクロファージ、ミクログリアの経時的な動態を明らかにする。また、TBI後の脳組織から細胞を分離して、フローサイトメーターを用いて各細胞マーカーと活性化マーカーを中心としたターゲット蛋白の多重染色を行い(細胞マーカー:CD45, CD11b, Iba1, GFAP、活性化マーカー:CCR2, Tmem119, Cx3cr1, Trem2, Csf1)、損傷脳におけるマクロファージ、ミクログリアの経時的な活性化とフェノタイプの変化を明らかにする。さらにマグネティックビーズあるいはフローサイトメーターによるソーティングで、損傷脳からのマクロファージ(CD45 high CD11b+)、ミクログリア(CD45low CD11b+)を分離して、より詳細なフェノタイプの解析を進めていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)