Project/Area Number |
23K21513
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Project/Area Number (Other) |
21H03183 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
高橋 忠伸 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (20405145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 忠宗 広島国際大学, 薬学部, 准教授 (30365879)
池田 潔 広島国際大学, 薬学部, 教授 (40168125)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
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Keywords | シアリダーゼ / インフルエンザウイルス / ノイラミニダーゼ / 蛍光イメージング / 増殖 / 酵素 / 流行 |
Outline of Research at the Start |
A型インフルエンザウイルスが細胞内への侵入に利用するエンドソーム・リソソームは細胞内の酸性環境であることから、シアリダーゼの酸性安定性に影響することが予想される。細胞侵入過程におけるA型インフルエンザウイルスのシアリダーゼ活性の挙動を解析する。シアリダーゼ活性の安静安定性が異なるウイルス株間で比較することで、このシアリダーゼ活性の挙動に違いが見られるのか調査する。さらに、この違いから生じる細胞内すぐなるや現象について解析する。さらに、実際に自然界で発生した2009年パンデミック後のシアリダーゼ活性の酸性安定性の変化について調査する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトのA型インフルエンザウイルスは数十年に一度、新型(新抗原性)インフルエンザによる世界大流行(パンデミック)を起こす。インフルエンザウイルスの表面酵素ノイラミニダーゼ(NA)の酵素性状の一つである酸性安定性は、季節性ウイルスではほぼ見られず、過去のパンデミックを起こしたすべてのウイルスに見られる特有の酵素性状である。この酵素性状は培養細胞レベルでウイルス増殖を促進させることから、当時のパンデミック発生に貢献する一要因の可能性が考えられた。本研究では、NAの酸性安定性に基づく細胞レベルのウイルス増殖促進機構を解析し、パンデミック発生に貢献する宿主細胞側の要因を解明する。この細胞レベルの機構を自然界のパンデミックウイルスで確認し、NAの酸性安定性やこの酵素性状を介した機構がパンデミックの一要因である可能性を検証する。NAの酵素性状やこの性状を介した機構は、パンデミックを予測する指標に利用できるものと期待される。 ウイルス細胞侵入過程のNAのみにおける細胞への影響を解析するため、前年度に引き続きNAのタンパク質発現・精製系の確立をめざした。バキュロウイルス-タンパク質発現システムを利用して、1968年にパンデミックを起こしたホンコンインフルエンザウイルス株のN2型NA四量体の分泌型タンパク質の大量発現系を確立した。これにエンドサイトーシスシグナルを付加したところ、精製後の収量が大きく減少した。NA発現時にヘパリンを添加したが、収量の改善は見られなかった。その他、細胞内のNAのシアリダーゼ活性をイメージングするための蛍光剤の開発や方法の検討を行った。既報の蛍光剤を利用して、固定化した感染細胞内のゴルジ装置に局在したNAのシアリダーゼ活性を蛍光イメージングする手法を確立した。さらに、既報の蛍光剤の性能を向上させた新規蛍光剤の候補が探索できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バキュロウイルス-タンパク質発現システムを利用して、シアリダーゼ活性を有しているNA四量体の分泌型タンパク質を大量に生産できるようになったが、エンドサイトーシスシグナルを付加したところ、収量が大きく減少した。収量を増加するための条件を検討中であるが、現在のところ改善していない。しかしながら、NAのシアリダーゼ活性を解析する蛍光剤の開発や手法の確立では大きな進展があった。本年度の「やや遅れている」は、「おおむね順調に進展している」に近い判定である。
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Strategy for Future Research Activity |
インフルエンザウイルスはエンドサイトーシス過程を介して細胞内へ取り込まれる。バキュロウイルス-タンパク質発現システムで生産したNAはそのままでは細胞内へ取り込まれないと予想されるため、エンドサイトーシスシグナル配列を付加した。収量が大きく減少してしまったことから、このシグナルの付加位置を検討して、収量の改善をめざす。最終的には、四量体化シグナル配列とエンドサイトーシスシグナル配列の両方を付加したNAを生産し、酸性安定性の異なるNAを細胞に取り込ませて、細胞における影響の差を解析することで、NAのみを介した機構を解明する。 前年度までに酸性安定性の異なるNA遺伝子を持つインフルエンザウイルスを作製したので、そのウイルス間で細胞への影響の差を解析する。 ウイルス細胞侵入過程の細胞内NAのシアリダーゼ活性の局在を解析する手法の確立をめざす。これを達成するためには、性能を向上させた新規蛍光剤も必要と考えられる。性能を向上させた蛍光剤構造も視野に入れて、新規蛍光剤の開発をめざす。酸性安定性は細胞内のエンドサイトーシス過程のシアリダーゼ活性に影響していると予想される。蛍光剤を死使用して、酸性安定性の異なるNAを持つウイルスあるいはバキュロウイルス-タンパク質発現システムで生産したNAの細胞内でのシアリダーゼ活性の局在や持続時間を比較する。細胞内のシアリダーゼ活性の位置や時間と細胞内の分子機構との関連を明らかにすることをめざす。
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