Project/Area Number |
23K21622
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Project/Area Number (Other) |
21H03361 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kobe University (2023-2024) University of Miyazaki (2021-2022) |
Principal Investigator |
榊原 啓之 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20403701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員教授 (10162728)
芦田 均 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 教授 (90201889)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 抗ストレス / ポリフェノール / 食事成分 / 概日リズム / 加齢 / 社会的ストレス / ファイトケミカル / FGF21 / 食事 / 日内リズム / マウス / 生体調節機能 / 抗ストレス効果 |
Outline of Research at the Start |
ストレス社会の蔓延により、精神障害を抱える日本人の絶対数が増加している。そのため、精神障害予防を目指した新たな制圧戦略が必要である。申請者らはこれまでに、ストレス負荷動物モデルを用い、ヒトが日々摂取している植物性食品には、抗ストレス効果が期待できる成分が豊富に含まれていること、ストレス応答が敏感になる夜間の生体応答制御が重要であるとの概念を提示した。本研究は、ファイトケミカルの抗ストレス効果を、ストレスに対する生体応答機構が刻む日内リズムとファイトケミカルの摂取時刻の観点から検証し、抗ストレス効果を有するファイトケミカルを含んだ食事をいつ摂取すべきかの提案を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ストレス社会の蔓延により、精神障害を抱える日本人の絶対数が増加している。そのため、精神障害予防を目指した新たな制圧戦略が必要である。本研究は、ファイトケミカルの抗ストレス効果を、ストレスに対する生体応答機構が刻む日内リズムとファイトケミカルの摂取時刻の観点から検証し、最終的に抗ストレス効果を有するファイトケミカルを含んだ食事をいつ摂取すべきかの提案を目指すものであり、令和5年度は以下の成果を得た。 1)マウスを用いた試験系において、肝臓中FGF21の発現量および血中FGF21量が、社会的ストレス負荷時、特に4週間程度の慢性負荷時に低下することを見出した。 2)FGF21が社会的ストレス負荷時に低下する減少は、代表的なポリフェノール類の一つであるケルセチン配糖体の摂取では抑制できないが、抗ストレス効果が報告されているファイトケミカルXの摂取によって抑制されることを見出した。ファイトケミカルXを豊富に含む食材を探索し、2つの候補食材を選定した。そのうちの1つについて、FGF21を指標として抗ストレス効果を発揮するか否かを調べたところ、有効な効果は得られなかった。これは、食材に含まれるファイトケミカルXの摂取量が少なかったことが原因と考えている。 3)選定した食材中のファイトケミカルXを調べたところ、乾燥工程で含量が大幅に変動することを示唆する結果を得た。 4)腸内細菌叢および精子機能へ与える影響についても、昨年度から引き続き追跡しているが、現在のところ、ストレス負荷による明確な違いは見出せていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストレス社会の蔓延により、精神障害を抱える日本人の絶対数が増加している。そのため、精神障害予防を目指した新たな制圧戦略が必要である。本研究は、ファイトケミカルの抗ストレス効果を、ストレスに対する生体応答機構が刻む日内リズムとファイトケミカルの摂取時刻の観点から検証し、最終的に抗ストレス効果を有するファイトケミカルを含んだ食事をいつ摂取すべきかの提案を目指すものであり、令和5年度は以下の成果を得た。 1)マウスを用いた試験系において、肝臓中FGF21の発現量および血中FGF21量が、社会的ストレス負荷時、特に4週間程度の慢性負荷時に低下することを見出した。 2)FGF21が社会的ストレス負荷時に低下する減少は、代表的なポリフェノール類の一つであるケルセチン配糖体の摂取では抑制できないが、抗ストレス効果が報告されているファイトケミカルXの摂取によって抑制されることを見出した。ファイトケミカルXを豊富に含む食材を探索し、2つの候補食材を選定した。そのうちの1つについて、FGF21を指標として抗ストレス効果を発揮するか否かを調べたところ、有効な効果は得られなかった。これは、食材に含まれるファイトケミカルXの摂取量が少なかったことが原因と考えている。選定した食材中のファイトケミカルXを調べたところ、乾燥工程で含量が大幅に変動することを示唆する結果を得た。 3)腸内細菌叢および精子機能へ与える影響についても、昨年度から引き続き追跡しているが、現在のところ、ストレス負荷による明確な違いは見出せていない。 以上のように、当初予定していた研究計画を順調に遂行中である。また付随して、新たなバイオマーカー候補として、精子の質や腸内細菌叢への影響を取り入れた研究を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
【ストレス負荷状態が抗ストレス成分の体内動態に与える影響を検証し、夜間に体内に留めるために最適な摂取時刻を見出す】 ファイトケミカル等の食事成分を2つの時間帯(活動期の最初と最後)にマウスへ経口投与した後、経時的に血液や尿、臓器を採取する。 高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーを用いて投与成分の体内動態を比較測定する。さらに、マウスに単独隔離ストレスを4週間負荷し、体内濃度が高まる時間を加味して被験成分を経口投与し、同様の評価を行う。以上の結果より、ストレス負荷状態が投与成分の体内動態に与える影響を検証し、夜間に体内に留めるために最適な摂取時刻を見出す。また、1日の中の時間だけでなく、生命の時間についても対象とした研究へと展開していく。 【FGF21を指標とした抗ストレス評価】 昨年度までの研究により、比較的長期間のストレス負荷時に肝臓中のFGF21の発現が夜間に低下するとともに、血中量が低下することを見出している。そこでFGF21及び糞便・腸内用物の菌叢の変化を指標として、抗ストレス成分候補の摂取がストレス応答に及ぼす効果を検証する。また、選定したストレス成分を豊富に含む食品について、探求する。 【理想的な抗ストレス食事組成と摂取時刻の提案】 抗ストレス効果が期待できる抗ストレスカクテルを試作する。具体的には、これまでの研究で見出した抗ストレス効果が広く知られているGABAを豊富に含む食材と抗ストレスポリフェノールのカクテルを考える。
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