Project/Area Number |
23K21626
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Project/Area Number (Other) |
21H03368 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
丸中 良典 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (00127036)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 食品 / pH / 微小空間 / 癌 / ナノスケール / 食品成分 / 癌細胞増殖 / イオン輸送体 / 腸管 / がん細胞 / ラマン分光 / カルボキシル基 / ムメフラール / 間質液 |
Outline of Research at the Start |
癌細胞は大量(H+)の酸産生を行うことにより癌細胞膜外超微小ナノスケール空間におけるpHを低下させ、このナノスケール空間におけるpH低下が癌細胞周辺の正常細胞を死滅させ、癌細胞周辺領域に癌細胞増殖スペースを生み出す。食品成分(漢方薬も含む)によって細胞外pH低下を抑制(正常化)することで、癌細胞増殖の抑制が生じ、その結果癌細胞との共存が可能となる。このようなメカニズムにより、特に高齢者にとってのガン発症予防とガン温存療法を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究において以下の癌細胞を用いた。食道癌幹細胞 (J Gastroenterol 53:197, 2018)、ヒト食道扁平上皮癌細胞 (Ann Surg Oncol. 27:3218, 2020; Sci Rep 9:16055, 2019; Am J Pathol 189:1973, 2019; Oncotarget 9:29957, 2018; Oncotarget 9:25993, 2018;Oncotarget 9: 23237, 2018; Oncotarget 8:17921, 2017; Oncotarget 8:2209, 2017)、ヒト胃癌細胞 (Int J Oncol 55:905, 2019; Gastric Cancer 22:473, 2019; Oncotarget 8:101394, 2017; Cell Physiol Biochem 42:68, 2017)、ヒト直腸癌細胞 (J Gastroenterol 50:287, 2015)、ヒト肝臓細胞癌細胞 (Int J Oncol 50:1857, 2017; J Cancer 7:1524, 2016)、ヒト膵癌細胞 (Pancreatol 12:440, 2012)、ヒト乳癌細胞 (Arch Biochem Biophys 539:92, 2013)である。癌細胞周辺の超微小ナノスケール空間(細胞膜外100 nm 以内の範囲)細胞外液pH測定法は研究代表者がすでに報告している方法を用いた(Nature Commun 9:5278, 2018)。これらの癌細胞では解糖系による糖代謝によるエネルギー産生に伴い大量のH+生成が行われ、癌細胞周辺超微小ナノスケール空間(細胞膜外100 nm 以内の範囲)細胞外液pH低下を定量的に測定した。癌細胞が生成する酸性環境により癌細胞周辺正常細胞がダメージを受けることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌細胞表面のpH測定は順調に推移している。さらに癌細胞周辺pH低下が周囲の正常細胞にダメージを与えることが明らかとなった。酸性環境が正常細胞にダメージを与えることにより、癌細胞が自らの増殖スペースを確保することに対する酸性環境形成が癌細胞にとって有利に働くことが示唆された。 また、間質液アルカリ化食品、とくにカルボン酸を含有し、かつ腸管におけるナトリウムイオン依存的カルボン酸輸送体発現を高めるムメフラールをも含有した食品摂取により、モデル動物の間質液pH改善(上昇)させることも明らかとなった。このことは、食品摂取により癌細胞増殖にとって有利に働く酸性環境形成を防ぐ可能性があることを示唆している。 これらのことより、担癌動物モデルにおける癌細胞周辺正常細胞ダメージが、カルボン酸およびムメフラール含有食品摂取により、軽減され得るかを2023年度に検証できる目処が立ったので、本研究は順調に進捗するものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究結果により、癌細胞周囲液pH低下(酸性環境形成)を防ぐことが癌細胞増殖を阻止する有力な手段であることが示唆された。よって、本年度は癌細胞に発現している各種イオン輸送体の阻害剤を用いて、癌細胞の増殖が抑制されるか否かを検証する。さらに、食品摂取により、モデル動物のおける間質液pHがいかなる変化を示すかを検証することができる可能性が高いことから、食品摂取によりモデル動物での間質液に対する食品摂取の効果を検証することを本年度の研究目標の一つとする。
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