Project/Area Number |
23K21665
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Project/Area Number (Other) |
21H03437 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上山 憲昭 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90710294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 遼 福岡大学, 工学部, 講師 (00881989)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 情報指向ネットワーク / 転送テーブル / 経路制御 / ICN / NDN / 配置制御 / マイグレーション / 最小木 / Anycast / 名前解決 / アクセス制御 / 集約 / 名前付与法 / 情報志向ネットワーク / FIB / 最適化 |
Outline of Research at the Start |
これまでに情報指向ネットワーク(ICN)のルータの転送テーブル(FIB)サイズを低減する技術の3つのアプローチの1つとして、CDNをコンテンツのオリジナルの提供プラットフォームと位置づけ、オリジナルの位置を制御するこでFIBサイズを低減する技術に取り組んできた。これまでは発見的な単純なアルゴリズムにより、オリジナルの配置位置を設計するアルゴリズムを開発してきた。今後は、より効果的な配置を行うため、最適化問題の近似解法として用いられることが多い遺伝的アルゴリズムを用いた配置アルゴリズムを確立する。
また検討してきた様々なアプローチの効果を定量的に比較し、各々が有効となる条件を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
課題1:攻撃者が無効なコンテンツをキャッシュに注入するContent poisoning攻撃(CPA)が生じた場合、無効コンテンツのFIBエントリが生じることから、CPAの影響を分析した。またコンテンツの位置を制御することでFIBの集約効果を向上させる技術の効果は、コンテンツのオリジナルの位置に依存する。そこでCDNのキャッシュサーバ選択に用いられるAnycast CDNのキャッシュサーバ(CS)集合の構成法を検討した。限定された少数のCSグループで多くの需要がカバーされるよう、カバー率を最大化する手法を検討した。 課題2:IPとNDNの混在した状態の分析においては、NDNがどの程度、普及するかを想定する必要がある。そこで各ISPが経済的な観点からNDNの導入を自律的に判断するマルチエージェントシミュレーションにより、NDNの普及可能性を分析した。また階層的なAS間構造を想定した場合の各ISPの利益を解析的に導出し、NDNの普及可能性を分析した。そしてNDNの普及を促進するための、ISP間の調整金のやり取りを行うことを提案し、提携を伴わない場合の合理的な配分法であるナッシュ交渉解や、提携を伴う場合の合理的な配分法であるシャープレイ値を用いた配分法を検討した。 課題3:我々が考案した制約付き最短経路木ルーティングの実装上の課題を検討した。具体的には、NDN のためのルーティングプロトコルである NLSR (Named-data Link State Routing) を用いることで、提案ルーティング方式が動作する上で必要なパラメータを NDN ルータ間で伝搬できる、ということを確認した。さらに、提案ルーティング方式は、経路キャッシュやコンテンツのオリジナル配置ノードの位置調整のような他の FIB 低減方式の効果を高められる可能性を有していることも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各課題に対し、以下の取り組みを行った。 課題1:攻撃者が独自に作成したfakeコンテンツを攻撃者が設置したボットから要求することでfakeコンテンツをルータに注入する独自fake型CPAにおいて、攻撃の効果が増加するようfake/ボットをルータに配置する設計法を検討した。そしてトポロジやfakeコンテンツ/ボット配置法、fakeコンテンツ数などがCPAの効果に与える影響を分析した。またAnycast CDNのCSグループを貪欲算法と遺伝的アルゴリズムで各々、設計する方法を検討し、実際のWebコンテンツの地理的な要求パタンを考慮した数値評価により有効性を確認した。これらの成果が複数の査読付国際会議に採録された。 課題2:実際のAS間のトポロジデータを用いて、ランダムに選択したASが利益が増加する場合にのみNDNを導入する処理を反復するマルチエージェントシミュレーションを行い、Tier 1のASは自律的なNDN導入が困難なことを明らかにした。また3階層からなる規則的なAS間トポロジを対象に、各レイヤのNDN普及率を与えたときの、各レイヤの各ASの利益を定式化し、3つのレイヤ間での調整金をナッシュ交渉解で導出した。これらの成果が複数の査読付国際会議に採録された。 課題3: 提案ルーティング方式による有効性はこれまでに検証できていたものの、提案ルーティング方式を実装する上での議論は不十分であった。このため、本年度は、実装する上での必要な課題を洗い出し、これらの課題を NDN の代表的なルーティングプロトコルで解決できることを確認した。その結果として、ルーティングプロトコルを改変する必要はなく、プロトコルで規定されているメッセージを活用すればよいと結論付けることができた。これまでに得られた成果の一部は、1 件の査読付き国際会議に採択されている。さらに、論文誌にも投稿している最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1:独自fakeコンテンツの攻撃の効果が高くなるfakeコンテンツ/botの配置ノードをより様々な条件で求めるため、グラフニューラルネットワークを用いてトポロジ上の影響を考慮した配置法を検討する。またAnycast CDNでの提案するキャッシュサーバセット構成を用いた場合の遅延時間の低減効果を、Cloudflareなどのカスタマイズ可能なCDNを用いて実測評価する。 課題2:3つのレイヤのASの調整金の設定方法として、ナッシュ交渉解を用いる方法に加え、協力ゲームのシャープレイ値や仁を用いた場合の結果を比較し、各々の長所と短所を考察する。さらに、GoogleやAmazonなどのハイパージャイアントが存在する場合を想定し、AS間の階層トポロジをより現実的なものに変更したモデルに対しも各ISPの収益の定式化を行う。 課題3:提案ルーティング方式は、他の FIB 低減方式と共存できることは可能であるものの、その有効性は未知である。このため、この有効性を明らかにすることが重要な課題の一つである。また、実際の大規模なコンテンツ環境に、提案ルーティング方式がスケールできるかどうかを明らかにすることも重要である。これらの課題を鑑みながら、これまでに得られた成果が論文誌に掲載されるように、検討を進める。 課題4: 課題1~3の3つの解決方法の効果を様々な条件に対して計算機シミュレーションにより定量的に比較し、各々の有効性や適用条件を明らかにする。
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