Project/Area Number |
23K21756
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Project/Area Number (Other) |
21H03607 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
赤田 尚史 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 教授 (10715478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 将裕 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (00435520)
真田 哲也 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (00544272)
柿内 秀樹 公益財団法人環境科学技術研究所, 環境影響研究部, 研究員 (20715479)
平尾 茂一 福島大学, 環境放射能研究所, 准教授 (30596060)
田副 博文 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 准教授 (60447381)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | トリチウム / モニタリング / 簡易手法 / バックグラウンド濃度 / 低濃度検出 / 高精度 / 簡易計測 |
Outline of Research at the Start |
福島第一原子力発電所事故に伴うトリチウムを含む処理水の海洋放出、使用済み核燃料再処理施設の本格操業、核融合開発を受け、トリチウムに対する一般公衆からの関心が高まっている。しかし、トリチウムは低エネルギーベータ線を放出する放射性核種であるため、環境試料の採取、保管、前処理、計測、といった一連の作業工程が煩雑である。本研究では、トリチウム計測に携わる多くの方が抱える課題を解決するため、簡易で迅速に環境トリチウムを計測するための資料採取法、前処理法を確立し、日本国内における環境トリチウムのバックグラウンド濃度を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、国民の“トリチウム”に対する関心は高い。この「トリチウム」の環境・健康影響を明らかにするためには、環境中に低濃度で存在するトリチウムを高精度で計測する必要がある。そのため、一般に公開されているデータは極めて少ない。福島原発周辺地域の住民からは、「多くの環境トリチウムデータの公開が風評被害の払しょくに繋がる」との声も上がっている。この問題をクリアするためには、高精度・簡易環境トリチウム計測法を開発することが重要である。そこで、これまでの核融合工学研究で培った技術と環境放射能研究によるの経験を活かし、①固体高分子膜電解濃縮装置の高効率化による高精度測定前処理手法の確立、②パッシブ型大気トリチウム簡易モニタリング装置の開発、③簡易・自動有機結合型トリチウム前処理手法の確立を行う。また開発した手法により日本の一般環境におけるトリチウムのバックグラウンド濃度とその分布を明らかにするとともに、トリチウムと安定・放射性同位体を組み合わせたマルチアイソトープ手法により気圏-陸圏-水圏における人為起源トリチウムの環境影響診断手法の確立を目指す。 ①については、良好なデータを得ることができ、成果を論文として投稿した。②については、疎水性触媒を用いた大気中HTも同時に捕集できるサンプラーについて検証し、良好なデータを得ることができた。③について、魚試料の燃焼を行い、質量分析法による測定結果と比較した結果、良好な結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究では4つの項目について検討することを計画している。3年目までに、極低濃度試料の測定に向けた固体高分子膜電解濃縮装置の改良と大容量試料を対象とした濃縮効率の最適化を終えた。パッシブ型大気中HTO+HT捕集システムの開発では、フィールドにおいてアクティブサンプリング手法との比較実験を行い、良好な結果を得ることができた。有機結合型トリチウム分析に関する検討では、北海道で採取された淡水魚の非交換型フラクションを対象に比較実験を行い良好な結果を得た。バックグラウンド濃度の把握として、福島県富岡町での降水採取も開始した。これらすべての項目において予定に近い成果を得ており、順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年である2024年は、確立した改良型固体高分子膜電解濃縮装置を用いた太平洋沖合海水のトリチウム測定を実施する。また、岐阜県土岐市においてパッシブ型HTO+HT捕集システムを活用したフィールド観測も継続する。有機結合型トリチウム分析については、海草や海産物を対象に実験を進め、トリチウム処理水の海洋放出による影響を評価する。更に、これまでにネットワーク観測で降水採取した札幌、弘前、浪江町、富岡町、いわき市、土岐市、広島市、福岡市、長崎市、熊本市、鹿児島市、西原町の全データを活用し、日本全国のバックグラウンド濃度を明らかにする。また、それらのデータとデータベースに寄る公開データを用い、非採取地における降水中トリチウム濃度を推定する。
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