Project/Area Number |
23K21758
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Project/Area Number (Other) |
21H03612 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
青木 一真 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (90345546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 仁 富山県農林水産総合技術センター, 富山県農林水産総合技術センター森林研究所, 調査作業補助員 (00397316)
小熊 宏之 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 室長 (10342734)
久米 篤 九州大学, 農学研究院, 教授 (20325492)
竹内 望 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30353452)
島田 亙 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (70401792)
中島 春樹 富山県農林水産総合技術センター, 富山県農林水産総合技術センター森林研究所, 副主幹研究員 (90446625)
野間 直彦 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80305557)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 気候変動 / 中部山岳域 / 気候変動影響評価 / 大気 / 雪氷 / 植生 |
Outline of Research at the Start |
標高の高い山岳域では、気候変動により積雪量や融雪時期、気温や日射量などが大きく変化し、生態系変動を引き起こす。植生群落を構成する種構成や分布、ひいてはそれを利用する生物の行動も変化する。気候変動の環境影響を評価するためには山岳域の環境と生態系変化の定量化が必要となる実測データが不足している。そこで、中部山岳国立公園内の立山において、デジタル機材や観測網を活用した山岳全体を対象とした観測体制を確立する。気象・雪氷・森林の定点観測をベースに、定点撮影、雪氷藻類動態、森林・植生動態解析を統合し、中部山岳域における気候変動の影響を分野横断的に定量的に評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
中部山岳域における気候変動の影響について、気象・雪氷・森林の定点観測をベースに、定点撮影、雪氷藻類動態、森林・植生動態解析を統合し、分野横断的に定量的に評価するべく研究を進めている。ただし、新型コロナの行動制限の影響や観測機器の部品調達の遅れなどにより、一部の定量的な測定が遅れていたものの、令和4年度には、当初予定していた以下の体制が整ってきた。研究実績としては、高山帯の環境変動の基盤となる気象・雪氷観測体制を拡充し、高山帯の環境と生態系の変化を領域横断的な定量的把握およびその変動影響を解 明することを目的としているため、この標高別の環境と生態系の観測データを統合することで、リモートセンシグ、GIS解析、領域モデルと組み合わせ て、次の5項目、1)立山から中部山岳域の気候変動の動態解明、2)気候変動が生態系の各要素に及ぼしている影響、3)植物種間の気候応答 の違いが将来的な植生ならびに環境変動に及ぼす影響、4)雪氷藻の動態把握も含めた生態系の生物的な要素が積雪融解などの水文学的な要素 に及ぼす影響、5)広域大気汚染の負荷量変化の影響について明らかにするために、データを蓄積している。新たに、立山・浄土山南峰山頂にある富山大学立山施設において、積雪深計とエアロゾルの光学的特性が測定が出来る観測態勢が整い、計測を開始している。また、行動制限化の中、立山・室堂平において立山積雪調査を行い、貴重なデータを取得することが出来た。ただし、化学分析はこれからである。これらの研究から、Maki et al., 2022やMomoi et al., 2022などの論文実績や第42回日本登山医学会学術集会において、「地球温暖化から観た山岳環境の未来」と題して、招待講演を行った。また、国際会議の研究発表や新聞やラジオなどの報道により研究活動が紹介されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標高の高い山岳地域では、地球温暖化のみならず気候変動により積雪量や融雪時期、気温や日射量などが大きく変化し、生態系変動を引き起こす。植生群落を構成する種構成や分布、ひいてはそれを利用する生物の行動も変化する。気候変動の環境影響を評価するためには山岳域の環境と生態系変化の定量化が必要となる実測データが不足している。このような厳しい自然環境化である中部山岳国立公園内の立山において、デジタル機材や観測網を活用した山岳全体を対象とした観測体制を確立し、新たに、立山・浄土山南峰山頂にある富山大学立山施設において、積雪深計とエアロゾルの光学的特性が測定が出来る観測態勢が整い、計測を開始した。また、行動制限化の中、立山・室堂平において立山積雪調査を行い、貴重なデータを取得することが出来たが、化学分析はこれからである。引き続き、それぞれの通年観測の項目は継続しており、融雪後の観測を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究実施計画は、ひきつづき、 1)立山から中部山岳域の気候変動の動態解明: 富山大学立山施設と立山を中心に、気象・雪氷の観測を行う。また、過去に取得したデータ を整理し、解析する。 2)気候変動が生態系の各要素に及ぼしている影響: 立山において、デジタルカメラの通年観測を行う。また秋季に結実量の調査を行う。 3)植物種間の気候応答の違いが将来的な植生ならびに環境変動に及ぼす影響: 中部山岳において、過去に取得した森林データを整理する。 4)雪氷藻の動態把握も含めた生態系の生物的な要素が積雪融解などの水文学的な要素に及ぼす影響: 立山において、雪氷藻類の観測を行う 。また、過去に取得した雪氷藻のデータを整理する。 5)広域大気汚染の負荷量変化の影響について: エアロゾルの光学的特性の観測とそれらの波長特性の解析を行う。 上記項目の研究を行いながら、学会及び学会誌への研究成果を報告し、ウェブなどで公表できる範囲でデータや成果を発信する。
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