Project/Area Number |
23K21761
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Project/Area Number (Other) |
21H03617 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64010:Environmental load and risk assessment-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
花本 征也 金沢大学, 環境保全センター, 准教授 (10727580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40422456)
黒田 啓介 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30738456)
端 昭彦 富山県立大学, 工学部, 准教授 (70726306)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 動物用医薬品 / 病原微生物 / 畜産 / 河川調査 / 数理モデル / 人用医薬品 / 抗生物質 / 指標微生物 / 養豚排水 / 殺菌消毒剤 / 陽イオン界面活性剤 / 浄化槽 / オンサイト排水処理 / 季節変動 / 現地調査 |
Outline of Research at the Start |
家畜から排出される抗生物質や病原微生物の管理は喫緊の課題となっている。アジアと欧米とでは家畜糞尿の管理方式が全く異なっており、家畜由来薬剤・微生物の主な水圏流出源は、アジアでは畜産場の排水処理施設、欧米では家畜糞尿が液肥として施用される農地や放牧場であると考えられる。本研究では、本州・九州(アジア方式)と北海道(アジア・欧米方式の併用)の畜産地域において、表流水・地下水の現地調査と、数理モデルの構築・検証を実施する。これにより、アジア・欧米の両方式における家畜由来薬剤・微生物の水圏汚染機構が明らかになり、(水圏汚染抑制の観点において)最適な家畜糞尿管理方式の決定に資する知見が提供される。
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Outline of Annual Research Achievements |
畜産業で使用される薬剤には、抗生物質の他にも消毒剤が考えられる。畜産場で使用される主な消毒剤の1つが陽イオン界面活性剤のジデシルジメチルアンモニウムクロライド(DDAC)である。陽イオン界面活性剤は感染症対策による使用量の増加や、薬剤耐性菌の問題により、近年、急速に注目が集まっている物質群であり、水生生物への生態影響及び、交叉耐性による多剤耐性菌の発生が懸念されているため、その適正管理は喫緊の課題である。陽イオン界面活性剤は家庭・病院・工場等で幅広く使用されており、下水処理水や工場排水の放流先河川では調査事例はあるが、畜産地域の河川では調査事例が無い。そこで本年度は、国内有数の養豚地域である肝属川流域において、家畜用消毒剤のDDAC及び、畜産排水・家庭排水のトレーサーとなり得る家畜用医薬品(7物質)、人畜両用医薬品(3物質)、人用医薬品(6物質)の現地調査を、各季節に1回の頻度で1年間実施した。その結果、肝属川流域ではDDACによる汚染度が高く、いくつかの河川では表流水におけるこれまでの報告濃度を上回った。採水した14地点においてDDAC濃度は家畜用医薬品の合計濃度と有意な相関があり、当該流域では養豚排水がDDACの主な水圏流出経路であると考えられた。養豚場では豚搬出後の豚舎に大量のDDACが散布されるが、当該流域の下流端では河川負荷量の変動は小さく、使用量の変動が様々な要因により打ち消されていると考えられた。肝属川流域ではDDACは畜産用途が80%を占め、当該流域において養豚排水がDDACの主要な水圏排出源であるという前述の結果と調和した。豚舎に散布されたDDACの多くが糞尿中に溶出している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は家畜用消毒剤を新たに対象物質に追加し、養豚地域において河川流域調査を実施したところ、家畜用消毒剤についても高濃度汚染が確認され、畜舎に散布された消毒剤が、養豚排水処理等を介して水圏に流出していることを明らかにした。病原・指標微生物に関しては、昨年度に引き続き、養豚場の放流先河川を含む、富山県内の5河川において汚染実態及び指標性を明らかにした。これらのことから、本研究は順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では降雨の影響はほとんど受けていないと考えられるが、畜産用消毒剤が降雨と共に水圏に流出する経路も考えられるため(車両消毒→畜産場路面→水圏、畜舎消毒→家畜糞尿→堆肥→農地→水圏など)、これらの流出経路にも着目して研究を進める。
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