Project/Area Number |
23K21780
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Project/Area Number (Other) |
21H03660 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 康紀 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 教授 (70545649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
醍醐 市朗 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20396774)
村上 進亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40414388)
所 千晴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90386615)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | ライフサイクルアセスメント(LCA) / マテリアルフロー分析(MFA) / 金属資源リサイクル / 蓄電池 / 太陽光パネル / マテリアルフロー分析 / ライフサイクルアセスメント(LCA) |
Outline of Research at the Start |
再生可能資源由来エネルギー(再エネ)を主力化するための蓄電池や太陽電池などの技術は、レアメタルや貴金属といった鉱物資源を基幹的な部品に含み、温室効果ガス(GHG)排出による気候変動リスクとは異なる資源消費リスクを引き起こしうるため、リサイクルによる循環が不可欠である。本研究では、適用可能な資源リサイクル技術オプションの全組み合わせを記したスーパーストラクチャを構築し、ライフサイクル評価(LCA)による技術評価結果を用いて、気候変動や資源消費といった環境影響を最小化するリサイクルシステムを設計する手法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、資源循環の最適化のために、化学プロセス合成やシステム設計分野において利用されている、対象となる系に含まれ得る全要素を書き下した構造(スーパーストラクチャ)による設計最適化手法を応用し、再エネを主力化する新興エネルギー機器(特にPV、LiB)をリサイクルするシステムのオプションを生成する。 A)再エネ主力化のためのエネルギー技術における金属資源Criticalityの解析:PVおよびLiBに関して開発中の製造/リサイクル技術に関する調査と利用されている金属資源に関しCriticaliryの分析を行った。特にLiBについては、府省事業においても多くの新規LiB開発とリサイクル技術・システムの提案が行われているため、将来社会にストック・フローを生じる可能性のある金属資源が増加していた。 B)資源循環のためのリサイクル技術の体系的整理と数理モデル化:PVおよびLiBのリサイクルに関し、スーパーストラクチャの構築を行った。特にLIBについては、府省事業を展開している事業者へのヒアリングも通じながら将来社会に実装されうるリサイクル経路をスーパーストラクチャへ取り込み、一部の数理モデル化に成功した。 C)リサイクルシステムのスーパーストラクチャ構築と最適化手法の開発:構築したスーパーストラクチャと数理モデルに基づき、ライフサイクル評価ならびにマテリアルフロー分析により金属資源の循環にまつわる環境負荷とストック・フローの可視化を行った。 D)スーパーストラクチャを用いた資源循環最適化に基づく先制的ライフサイクル設計手法の開発:スーパーストラクチャを用いて複数の事業者へのヒアリングやワークショップを通じ、多様なシステムが存在しうる新興技術のライフサイクルに関して、コミュニケーションを促進する効果があることがわかった。将来シナリオ設計などに活かせる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、資源循環の最適化のために、化学プロセス合成やシステム設計分野において利用されている、対象となる系に含まれ得る全要素を書き下した構造(スーパーストラクチャ)による設計最適化手法を応用し、再エネを主力化する新興エネルギー機器(特にPV、LiB)をリサイクルするシステムのオプションを生成する。現在普及段階にある新興エネルギー技術が回収され、資源がリサイクルされる将来のライフサイクルを先制的に設計し、再エネの持続的な主力化に資する設計手法を開発する。 2023年度は多くの国際会議が対面で開催されることとなり、コロナ禍を経て多くの参加者が集まった。特に、LiB等の新興技術に関しては、コロナ禍中に欧州蓄電池規制などの国際的な動きがあったため、4年ぶりの対面会議におけるセッション/ワークショップ等への参加により、最新の科学的な検討状況と、国際的な実態、資源循環に関連する新たな動きや機運などを、多く情報として収集することができた。これにより、本研究で提案しようとする先制的ライフサイクル設計手法とスーパーストラクチャの関係性がより明確に整理できるようになり、手法論としての論理構築を大きく推進できるようになった。また、並行して国内の府省事業におけるPVおよびLiBのライフサイクルマネジメントの必要性が高まり、関連組織との連携を進めることができたため、最新の技術情報や、政策へのライフサイクル知の活用方法に関し、熟議を進めることができるようになった。ただし、最新の企業等事業者の開発情報は極めて機密性が高く、研究利用においてもアクセスできないものも多いことが改めて確認できた。今後のライフサイクルマネジメントにおいて機密情報の活用の仕方を工夫する必要がある。 以上の状況から、(2)おおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
カーボンニュートラルへ向かう社会において、蓄電池・太陽光パネルにまつわる資源循環の社会ニーズは高まる一方となっている。引き続きスーパーストラクチャの構築とライフサイクル設計手法の開発を進め、ネットワークを創ることができた企業や関連研究者らとの研究討議を実施する。また、欧州との連携を強化することも検討する。特に大きな国際会議は2025年度に開催されるが、これに向けた準備として、国内におけるライフサイクル知のマネジメントについて、関係研究者との討議を行う。ここで、スーパーストラクチャの価値について検証し、先制的ライフサイクル設計手法としてまとめていく。 また、ケーススタディとしてのライフサイクル評価ならびにマテリアルフロー分析は継続して進める。
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