Project/Area Number |
23K21816
|
Project/Area Number (Other) |
21H03718 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
一藤 裕 長崎大学, 総合生産科学研究科(情報データ科学系), 准教授 (90590274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 大輔 統計数理研究所, 統計基盤数理研究系, 准教授 (20738249)
蓮池 隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50557949)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
|
Keywords | 観光行動分析 / 位置登録情報 / 人流可視化 / 人流推定 / 時空間モデリング / 価格最適化 |
Outline of Research at the Start |
観光は我が国にとって重要な産業の一つである。現在、観光はコロナ禍から脱し活発化しているが、コロナ禍以前と違う行動が見られるようになり、現状に見合った対策を取る必要がある。そこで、本研究では、観光客の行動を明らかにし観光客誘引のための要因を明らかにすることを目的とする。具体的には、通信キャリアの位置登録情報と属性情報(性別、年代、居住地)や他のセンサーデータを利用し、観光地を選択し行動する理由を推測するため、行動分析モデルを確立することを目指す。また、観光地ごとに特徴があることから、長崎および京都を対象とし、行動の違いや要因について分析する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、センサーデータから観光行動の要因を解明すること、および、観光地へ誘導する要因を明らかにすることである。これまでに、センサーデータとして通信キャリアの位置登録情報および属性情報(居住地、性別、年齢)を利用し、観光客の移動および増加傾向についてモデル化を行った。提案モデルでは、観光スポットの日別の単純集計データのみに着目し、2地点間の相互影響力について評価するものである。その結果、居住地によって観光地を訪れるタイミングが異なり、長崎では関東圏からの観光客が増加する時期は九州圏からの観光客が他の時期よりも減るという傾向が明らかとなった。また、観光客が増え始めるエリアとそれに影響を受けるエリアが明らかとなり、その違いから観光客の流動性について可視化することができた。ただし、単純集計のみのデータを利用しているため、解釈しにくい結果も出力されており、この部分の解明は今後の課題である。 また、観光地の価値を算出する手法の提案・構築を行った。具体的には、移動費、滞在費、入場料に加え、居住地の人口、観光地の訪問者数のデータから観光地の金銭的価値を評価した。長崎の観光地の2か所を選定し、価値を比較した結果、関東圏および福岡などの大都市圏には価値が高いと出力されたが、東北などの長崎から離れた地であればあるほど、価値が下がるという結果が得られた。これは、長崎までの移動手段が東日本には乗り継ぎ以外なく、不便であることが原因の一つとして考えらえる。利便性がそのまま観光地の価値に直結するため、利便性を除いた評価基準の組み込みを今後の課題としている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、通信キャリアの位置登録情報を単純集計した結果を基に観光地間の関係性について評価する手法を確立した。その結果、居住地によって観光地を訪れる時期が異なっていること、また、離れた観光地であっても観光客数が増加すると影響をもたらしていることが示された。観光地間の相互影響力や人の動きをモデル化および解釈できるようになったため、これらのモデルの精度を上げ、シミュレーションを行うことで観光客の行動要因の解明や分析につなげるための知見を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、センサーデータの精度の違い(大都市圏と地方都市)について十分に評価した上で、観光客の行動傾向のモデル化を行う。今年度までは、属性情報が付随した各観光スポットの単純集計データを用いて観光地間の関係性を評価し、観光客の行動をモデル化・推定していたが、解釈ができない結果が含まれていた。そこで、最終年度は、各観光スポットの単純集計データに加え、2地点間の移動データをモデルに追加することで、より解釈性の高い観光客の行動モデルを提案し、その有用性について評価する。 また、この提案モデルをもとに観光客の行動のシミュレーションを行い、オーバーツーリズムも含めた観光課題の解決のためのポイントについて明らかにする。 これらの成果を、条件を変えて確認するための基盤の構築し、利活用するための方針について検討を行う。
|