Project/Area Number |
23K21835
|
Project/Area Number (Other) |
21H03752 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
|
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
西中 一朗 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 量子バイオ基盤研究部, 上席研究員 (70354884)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 医療用アルファ放射性同位体 / α放射性同位体 / 核医学利用 / アスタチン / ラドン / ジェネレータ / 大量合成 / アルファ放射性同位体 |
Outline of Research at the Start |
アルファ(α)放射性アイソトープを体内に投与して、癌細胞にα線を直接照射して治療するα標的アイソトープ治療が、最先端の癌治療として注目を集めている。この治療での利用が期待されるα放射性アイソトープのAt-211は、半減期が7.2時間と短いため、At-211を合成できる大型加速器施設の近隣地域での利用に限られる。より長い半減期(14.7時間)のラドンRn-211を利用するRn-211/At-211ジェネレータを開発することで、加速器施設から離れた広範囲の地域でも利用可能になる。本研究では、このジェネレータを大量合成するためのオンライン合成分離精製装置を新規に開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
医療用α放射性同位体At(アスタチン)-211の新しい供給法となるRn(ラドン)-211/At-211ジェネレータを普及するために必要となる大量合成のための「オンライン合成分離装置」の新規開発を継続して実施した。「オンライン合成分離精製装置」は、Rn-211合成と分離精製を同時に行える新しいシステムである。具体的には、先行研究において開発し、Rn-211/At-211ジェネレータを製造する際に利用した「Rn-211合成装置」と「Rn分離精製装置」を長さ約20メートルのステンレス管で連結した構造を持つ「オンライン合成分離精製装置」の設計、製作、性能試験を行っている。 昨年度までに、技術開発が必要な主構成部である①「Rn-211合成真空容器」、加えて②「合成用加熱部」と③「Rn-211合成加熱装置」を一体化した「Bi(ビスマス)照射用ステージ」の設計、製作を実施した。並行してオフライン性能試験の準備を進めた。 本年度からは、製作した装置のオフライン性能試験を開始した。その性能試験結果の評価に基づいて装置の改良を行い、装置性能の高度化を進めた。 加えて、加速器施設において、先行研究で開発したRn-211/At-211ジェネレータ装置を利用して、At溶液調製や基礎化学の研究を継続して実施した。薄層クロマトグラフィーによるAt溶液の液性と展開溶媒に対する系統的な分析結果、ならびに液性の異なる様々なAt溶液からのAt揮発量の測定結果から、溶存Atの揮発機構に関する新たな知見を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題申請時の当初計画では、初めの2年度で主構成部装置を製作し、それぞれ装置に対してオフライン性能試験を開始し、それらを連結した「オンライン合成分離装置」を構築し、3年度より装置のオフライン性能試験、3年度後半から4年度にかけてオンライン性能試験を複数回実施して、その性能評価に基づいて改良等を行って、装置性能の高度化を図る方針であった。この方針を見直して、まず初めに装置の詳細仕様、設計を検討するための性能試験を行い、設計・製作段階において新規開発する主構成部装置の完成度を高めることで、装置全体のオンライン性能試験、装置改良の試行回数を減らし、研究開発の高経済性、高効率化を図った。2年度目となる昨年度までに、主構成部装置の製作とオフライン性能試験の準備を整えた。3年度目となる本年度からオフライン性能試験を実施した。その結果、溶融ビスマスターゲットを形成する②「合成用加熱部」の開発に関して想定外の改良が必要であることが判明した。そのためオフライン性能試験、装置改良による装置性能の高度化を目指した試験研究を継続して行っている。オンライン性能試験に着手できていない。 一方、加速器を利用して実施したアスタチンの基礎的な溶液化学、気相化学についての実験研究では、アスタチン溶存化学種、揮発性化学種の生成機構、乾式蒸留分離での熱分離特性など、アスタチンに特有な化学特性について新しい知見を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
想定以上の改良が必要となった②「合成用加熱部」の研究開発を継続する。並行して、加速器施設においてビームラインに設置する「Rn-211合成装置」とホット化学室に設置する「Rn分離精製装置」を結合するための長さ25メートルのステンレス管を新規に配備し、「オンライン合成分離精製装置」全体の組み立ての準備を進める。年度内に加速器施設で装置全体を組み立て、オフライン、オンライン性能試験を実施する。 装置開発に並行して、加速器利用実験を実施し、これまでの研究開発で確立した薄層クロマトグラフ分析、高速液体クロマトグラフ分析を駆使して、アスタチンの特有な化学的性質を基礎化学の観点から明らかにする。加えて乾式蒸留分離での熱分離特性の観点からもアスタチン化学を探究する。
|