Project/Area Number |
23K21847
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Project/Area Number (Other) |
21H03779 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 匡子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20271934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川勝 忍 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00211178)
菅野 重範 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (00596645)
大沢 伸一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (00813693)
中里 信和 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80207753)
鈴木 麻希 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 寄附講座講師 (80422145)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,560,000 (Direct Cost: ¥11,200,000、Indirect Cost: ¥3,360,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 言語 / 原発性進行性失語症 / てんかん / 機能マッピング / 脳損傷 / 認知症 / 脳腫瘍 / 皮質脳波 |
Outline of Research at the Start |
言語はヒトのコミュニケーションに重要な働きをする。その神経基盤については近年多くの知見が得られているが、個体差については十分に考慮されてこなかった。
脳損傷患者の言語障害は多彩であり、また脳の手術前には各個人における言語野の分布を知ることが必須である。そこで、本研究では難治性てんかん、脳腫瘍、言語障害を主症状とする認知症である原発性進行性失語症の患者を対象に、神経心理学的検査、神経放射線学的検査、神経生理学的検査を組み合わせて、言語の神経基盤の個体差を明らかにする。さらに、その知見をもとに個々の症例で最適な治療を行う方策を考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本語における言語の神経基盤を理解するためには、脳損傷における言語障害の個人差を考慮し、日本語の言語体系によりもたらされる障害の特質を知る必要がある。本研究では、日本語話者において、言語に関連する活動を神経生理学的・神経放射線学的手法により測定し、脳損傷による言語障害について神経心理学的/心理物理学的手法で詳細に検討することにより、日本語の神経基盤を個人ごとに明らかにすることを目的とする。 今年度は、神経変性疾患として、失語症が前景に立つ認知症である原発性進行性失語症(primary progressive aphasia; PPA)およびパーキンソン病、手術を前提とした難治性てんかんの患者を対象に研究を行った。PPAは3つの臨床型に分かれ、主たる機能低下部位を反映して特徴的な言語症状を呈する。しかし、3型に当てはまらない分類不能のPPAが3分の1あることが問題になっている。我々は分類不能と言われるPPAの特徴を詳細に検討し、その言語症状に応じた脳機能低下部位を明らかにした。また、日本語のPPAの言語的特徴を明らかにするために、漢字のみを使う中国語話者のPPAのメタアナリシスを行った。さらに漢字、ひらがな、カタカナという多くの文字種をもつ日本語の特徴を反映し、どのような失読・失書が生じるかを総説としてまとめた。パーキンソン病においては小書症の神経基盤について神経機能画像法を用いて明らかにした。難治性てんかん患者においては、脳血管の分枝に短期間作用型麻酔薬を注入して言語野を同定する超選択的Wadaテストを行った。その結果、個々人における言語野の分布が多彩であることが分かり、治療方針の決定にも有用であった。 以上のように、さまざまな病態よる脳損傷患者において、言語機能の神経基盤の検討を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原発性進行性失語症、難治性てんかん患者などを対象とした検討は、ほぼ予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
原発性進行性失語症では、非流暢性失文法型の症例が多く、意味型とロゴペニック型の症例が少ないため、東北大学だけでなく、大阪大学でも積極的に患者をリクルートし3臨床型の比較ができるようにする。難治性てんかん患者、脳腫瘍患者においては、神経生理学的データの解析をさらに進めて、個々人における言語の神経基盤の時間的経過についても検討を行っていく。
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