Project/Area Number |
23K21852
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Project/Area Number (Other) |
21H03794 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20532104)
重松 大輝 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (50775765)
西辻 光希 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (60770823)
花島 章 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70572981)
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80341080)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 心筋細胞 / T管膜 / カルシウム / 脊椎動物 / 心不全 / 哺乳類 / 心臓 / バイオメカニクス / 微小管 / 循環生理学 / メカノバイオロジー |
Outline of Research at the Start |
我々哺乳類の心筋細胞には,形質膜が収縮方向と直交方向に周期的に陥入した膜構造(T管膜)が存在している.T管膜は,哺乳類の高い心臓血液拍出能力に必須であるため,その崩壊は心不全に直結する.しかしながら,T管膜の維持機構と崩壊機序に関する詳細は不明である.本研究では,T管膜を保持する哺乳類と保持しない哺乳類以外の脊椎動物の心筋細胞を階層的・多面的に比較することで,T管膜構造の維持機構を明らかにするとともに,新規心不全治療に有用な知見の提供を目指す.研究を進める過程で,T管膜の獲得が哺乳類の心臓に及ぼした影響にも迫りたい.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,T管膜を保持する哺乳類と保持しない脊椎動物(両生類,爬虫類,鳥類)の心筋細胞を階層的・多面的に比較することで,T管膜構造の維持機構と崩壊機序を明らかにするとともに,哺乳類がT管膜構造を獲得した進化的意義を探求することを目的とする. 鳥類(T管膜なし)と哺乳類(T管膜あり)および哺乳類(T管膜破壊)の心筋細胞のCa2+濃度の時空間変化を比較した結果,T管膜はCa2+濃度変化の迅速化よりも空間的な均一化に重要な役割を果たすことが示唆された.鳥類の成体の心筋細胞が哺乳類の成体よりも細い形状をしているのは,細胞短軸方向のCa2+濃度の空間的不均一性を軽減するためと考えられる.このことから,哺乳類がT管膜を獲得することで細胞の幅が増大可能になったとの仮説が導かれた. この仮説を検証するために,ラットの新生児を用いて,T管膜の形成と細胞の幅の関係を調べた.具体的には,大動脈から膜染色液を流し入れることで細胞を単離することなく心筋細胞の膜を染色し,共焦点レーザー顕微鏡で心臓表面の心筋細胞膜を観察した.その結果,T管膜形成前の心筋細胞の幅は鳥類と同程度であり,T管膜の発達した成体の心筋細胞よりも顕著に細かった. さらに,T管膜の形成過程において,T管膜面積と細胞の形態の関係を調べた結果,細胞幅とT管膜面積の間には正の相関が見られたのに対し,細胞の長さとT管膜面積には相関が見られなかった.このことは,T管膜形成と細胞幅が強く関連していることを示唆しており,仮説を裏付ける結果となった. 今後はさらにデータを増やすとともに,異なる手法を用いた多角的な解析により,T管膜獲得の進化的意義について探求していきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心筋細胞の形態情報とT管膜の関係性について新たな知見が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
原子間力顕微鏡を用いて,哺乳類と非哺乳類の膜の構造・力学特性を明らかにし,T管膜の維持機構の解明に挑む.
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