歩行補助用具の神経科学的特性の解明-虚弱高齢者の積極的な歩行機能改善を目指して
Project/Area Number |
23K21866
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Project/Area Number (Other) |
21H03854 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90150:Medical assistive technology-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小幡 博基 九州工業大学, 教養教育院, 教授 (70455377)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
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Keywords | 歩行補助用具 / 運動学習 / 歩行適応 / 神経科学 / 高齢者 |
Outline of Research at the Start |
本研究の最終目的は、虚弱高齢者の歩行能力を最大限に引き出すための新たな歩行補助用具を開発することである。これを達成するため、これまで物理的な安定性のみが追及されてきた歩行補助用具の設計概念に、歩行ニューロリハビリテーションの要点である①二足歩行(通常歩行)との神経基盤の共有、②脊髄歩行神経回路の活性化、③脳の高次中枢の参画、の3点を加えることを目指す。本研究では、既存の歩行補助用具である歩行器や片手杖を用いた歩行および、これらの用具よりも歩行機能の改善に効果的であることが報告されているポール・ウォーキング(PW)について、①から③の要点をどの程度満たすのかについて明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究実施計画のうち、通常歩行(CW)と歩行器(WW)での歩行の「神経基盤の共有の程度の理解」について実験および解析を行った。健常成人を対象に、左右二枚のベルトが別々の速度で動作するスプリットトレッドミルを用い、左右非対称のベルト速度への歩行適応を促す運動学習課題を行った。CWまたはWWで適応後に左右対称のベルト速度に戻し、二足歩行での脱適応の過程を観察することで、歩行補助用具を用いた歩行と歩行補助用具を用いない二足歩行の間で歩行適応の影響をどの程度共有するのかを調べた。歩行接地時の制動力を指標とした。その結果、(1)WWではCWに比べてスプリット条件開始直後の左右差が小さい、(2) CWでの脱適応において認められるスプリット歩行適応の影響はCWでの適応に比べてWWでの適応では小さい、(3) CWで適応し、WWの脱適応で適応の影響を忘却しようとしてもCWには適応の影響が残る(逆の条件でも同様)ことがわかった。 これらのことから、(1)通常歩行と歩行器での歩行は独立性が強く、互いに与える影響は小さいこと、(2) 歩行器での歩行時は左右のベルト速度の変化にすぐに対応することはできるが、通常歩行に比べて適応効果が保持されにくいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究計画のうち、課題①「歩行適応」、研究②「筋シナジー」、研究③「脳波」、研究④「介入研究」に関して、それぞれ進めることができた。課題①については着実に進展しており、歩行器歩行の歩行適応について大きな発見があった。研究②および研究③については今年度で実験は終了しており、現在解析中である。研究④については、協力施設で被検者を徐々に増やしているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究申請の年次計画に従い、課題④である介入研究を引き続き実施する。 課題①の歩行適応課題を用いた歩行補助用具と通常歩行の「転移性」に関する研究については、ポール・ウォーキング用のポールを片手杖として実験を行ったが、高齢者が日常的に使用するのはT字杖である。そのため、T字杖を使った歩行適応について予備実験を行い、ポール・ウォーキング用のポールと傾向が異なるようであれば、本実験を行う。 課題②と③については、今年度中に解析を終える予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)