Project/Area Number |
23K21870
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Project/Area Number (Other) |
22H00598 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 彰 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80535097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 正樹 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (10792567)
若松 良樹 学習院大学, 法務研究科, 教授 (20212318)
清水 和巳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20308133)
坂本 治也 関西大学, 法学部, 教授 (30420657)
善教 将大 関西学院大学, 法学部, 教授 (50625085)
宇田川 大輔 阪南大学, 経済学部, 准教授 (60434221)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 実験政治哲学 / 実証分析 / 正義論 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、資源の配分原理の一般的受容性について、原理に即して制度や政策が施行されることをふまえて検討する。具体的には、原理の担い手である立法、行政、民間(市場)、特定の職業・立場(身分)が原理受容性に与える影響を実験により検証する。その際、原理の支持にかかわる「受容選好」のみならず、原理を支持するに至る「受容過程」に焦点を当てる。これらが一般的受容性に与える影響を解明し、政治哲学上の原理が人口に膾炙することなく政策的にも反映されない現状の打開を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、配分原理に即した制度や政策の担い手に着目して、原理の一般的受容性が担い手の変化によってどのように変化するのかを実験によって明らかにすることを目的とするものである。本年度は、原理の一般的受容性の複合性とバイアスに還元しえない規範的要素を明らかにすべく、(1)そのための方法論を実験および統計分析を通じて示すこと、(2)原理の一般的受容性が制度とどのようにリンクするのかを示すこと、以上の2点を中心に研究をおこなった。 (1)については、前年度に「受容選好班(清水和巳・宇田川大輔・若松良樹+井上彰)」でおこなった実験をふまえて論文を執筆し、投稿したものが、Syntheseという哲学のトップ誌に掲載された。内容は、統計分析で用いられるモデル選択が反照的均衡の方法的実践(の一部)として位置づけられることを、分配的正義の配分原理をめぐる実験研究によって示すものである。 (2)については、「受容過程班(坂本治也・善教将大・秦正樹+井上彰)」で、若者自身が若者への投票権付与にかんする選好についてsensitivity biasがみられることを題材とする研究をおこなった。当該研究はすでに過年度に実験を終えていたが、2021年度にJapanese Society for Quantitative Political Scienceでの報告に際してもらったフィードバックに基づいて追加実験をおこない、改めて論文を執筆した。現在投稿準備中(最終段階)にある。 その他、関連する政治法哲学・政治学その他の研究を各自おこない、成果をあげた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗状況はおおむね順調である。まず、「受容選好班(清水和巳・宇田川大輔・若松良樹+井上彰)」でおこなった実験に基づく投稿論文が、Syntheseという哲学のトップ誌に掲載されたことが大きい。くわえて、当該論文によって、原理の一般的受容性の複合性とバイアスに還元しえない規範的要素を明らかにする方法論を示したことで、次年度以降の研究の方法的基礎が固まったと言える。それにより、次年度以降の研究は、単にオリジナリティのある視角をもつだけでなく、安定した基礎を有するものになると考えられる。 また、「受容過程班(坂本治也・善教将大・秦正樹+井上彰)」での研究も追加実験を経て、投稿論文の最終チェック段階にある。それゆえ、公刊には至っていないが、それに向けて順調に投稿準備を進めている段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、サーベイ実験を中心に、対照実験を含めたさらなる追加実験や、それら実験結果を学会・ワークショップ等で報告し、最終的に複数の論文を国際学術誌にて発表することを目指す。 そのためにも引き続き、2024年度も実験デザインにかんする打ち合わせを適宜おこなう。また、2024年度は研究代表者の井上彰がサバティカルであるため、進展著しい英語圏での実験哲学的研究の実態を把握すべく、現地調査や現地の研究者との意見交換をおこなうなどして、最先端の知見をいかすことも模索する。 もし上記の進め方ではうまくいかなかった際には、共同研究者が一堂に会して、それぞれの実験の構想について批判的に検討する機会を設ける予定である。
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