| Project/Area Number |
23K21875
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| Project/Area Number (Other) |
22H00603 (2022-2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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| Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
田坂 さつき 立正大学, 文学部, 教授 (70308336)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽入 佐和子 帝京大学, 先端総合研究機構, 特任教授 (00126351)
島薗 進 大正大学, 地域構想研究所, 客員教授 (20143620)
芦名 定道 関西学院大学, 神学部, 教授 (20201890)
一ノ瀬 正樹 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20232407)
鈴木 隆泰 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (20282709)
建石 真公子 法政大学, ボアソナード記念現代法研究所, 研究員 (20308795)
柳原 良江 東京電機大学, 理工学部, 教授 (30401615)
香川 知晶 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (70224342)
土井 健司 関西学院大学, 神学部, 教授 (70242998)
安藤 泰至 鳥取大学, 医学部, 准教授 (70283992)
松原 洋子 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (80303006)
加藤 泰史 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90183780)
小島 優子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (90748576)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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| Keywords | 安楽死 / 自己決定権 / 尊厳死 / 反延命主義 / 生命操作 / 患者の意思 / ACP / DNAR / 尊厳の毀損 / 無益な治療 / 当人の意思 / 優生思想 / 人間の尊厳 / いのちの尊厳 |
| Outline of Research at the Start |
近年、安楽死・尊厳死については、本人の意志が確認できなくなる終末期ではなく、家族と医療従事者との話し合い(ACP)の中で決めておくことが提唱され、あたかも死ぬ権利が行使できるかのうようなことも言われるが、死の自己決定権については哲学的な検討が必要である。本研究では、安楽死が法制化された諸外国で起こっている問題が起こっている問題を見据えつつ、死の自己決定の意思確認を求められる患者や家族及び自殺幇助する医師の視点からこの問題を捉え、家族の負担軽減と無益な延命治療を拒否する死の自己決定権の行使が道徳的に正当化できるかどうかを人間の尊厳の毀損および人間の主体性と自由の観点から検討する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は生命操作の倫理を問うものであるが、昨今進行性難病ALS患者の自殺幇助事件に対して、日本にも安楽死法を制定する必要がある、という声もあり、自ら死を望み、他者に殺害を依頼することの倫理が問われている。安楽死・尊厳死が生命操作に当たるかどうかは議論があるが、本研究では、それも生命操作と判断し、研究を進めている。 2023年9月に立正大学品川キャンパスで、カンヌ映画祭カメラ・ドール賞受賞作品で、日本の未来社会で75歳になると安楽死を選べるというPLAN75という制度を利用する高齢者を描いた作品「PLAN75」を上映した。参加者は70名程度で、安楽死の問題について考えたことがない人もいることを想定して、研究分担者である鳥取大学の安藤泰至先生が15分ぐらいミニレクチャーをして、映画視聴後、10名程度のグループでシネマカフェを実施した。シネマカフェには哲学カフェの実績がある団体からファシリテータを招聘し、シネマカフェでのやり取りは記録係を置いて記録を取った。最後にアンケートを実施し、社会学の専門家に分析を依頼した。その結果については2024年度に報告する予定である また同年10月には、オックスフォード大学医療倫理学教授ドミニク・ウィルキンソン教授を招聘し、同教授と同じく神経内科医である研究分担者美馬哲也氏が座長となり、日本の終末期医療についてのコメントを求め、ウィルキンソン教授の論文「生命を脅かす病の乳幼児の生命の価値と苦痛の評価」について小児医療に携わる医師である早稲田大学教授笹月桃子が特定質問者に立ち議論を深めた。これについてはテープ起こしを完了し、2025年度に同氏による論考を含む共著本を出版する予定である。 これ以外に、研究分担者はそれぞれのテーマで研究を進めているが、3年間の研究成果として研究分担者による共著本を出版する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各研究分担者はそれぞれの専門領域での課題に取り組み、研究会で研究成果を共有してきた。全体企画としては、市民が考える生命操作の倫理について研究するために、映画PLAN75のシネマカフェを2023年に実施した。現在終末期の死の自己決定権も含めて、市民の関心が高く、政府もACPの普及を進めているため、生命操作の倫理構築には市民との丁寧な対話が必要である。その点でシネマカフェは良い方法だったと考えられ、市民からは再度の開催要望もあった。 また、死の自己決定権を法的に認める安楽死法は諸外国では既に制定されている。そのような国々で、どのような倫理的問題が発生しているのかも含めて、海外の研究者を招聘して議論することは計画されていたが、コロナ感染症拡大に伴い延期されていたが、2023年度オックスフォード大学医療倫理学教授ドミニク・ウィルキンソン教授を招聘し、実現できた。これまであまり議論されなかった、治らない病気をもつ子どもの生について議論できたことは大きな成果である。以上の研究成果を共著本として出版する計画を2025年度初めに具体化するために、京都で研究会を開催した。そこでは、研究分担者がそれぞれ研究成果を報告し、最終年度の論文執筆計画を発表し検討した。 また、2023年3月には科研研究会を開催し、研究分担者の研究報告を共有するだけでなく、最終年度に本科研で共著本を出版する計画を検討し、具体化への道筋を決めた。そこには、PLAN75シネマカフェの報告や、ウィルキンソン教授とのラウンドテーブル報告も掲載する。 研究会を重ねて分担執筆していたが、編者の一人が体調不良のため、最終年度内の出版が難しく、予算を繰り越して、編者一名体制で2025年当初の出版とせざるを得なかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
生命操作の倫理は多岐にわたり、研究分担者それぞれの専門領域での研究の深化が期待されているが、2023年3月に最終年度に出版予定の共著本に関する研究会が開催されたが、キリスト教・仏教・日本思想・先端医療・海外の安楽死法や関連する政策の動向などの研究の中間報告がなされ有意義であった。昨年度末の研究会では、共著本出版に向けて、研究分担者それぞれが執筆する論文のテーマを発表した。キリスト教、仏教、日本思想などの宗教学的観点および、先端医療問題、海外の安楽死法制定及びその施行に係る問題や日本の難病患者や重度障害者との臨床哲学対話など、多岐にわたるテーマでの執筆が期待されているが、編者の2人の体調不良のため、年度内の出版が難しくなったため、予算を繰り越して次年度初頭に出版することとせざるを得なかったため、2025年度6月に刊行する予定。 しかしながらこれでは十分ではなく、本科研のテーマはさらなる研究の深化が見込まれるため、福祉・医療の臨床現場の内側から生命操作を研究しているメンバーが加わり、科研基盤(B)「生死をめぐる意思決定の倫理-内と外から臨床現場をとらえ直すー」(研究代表者田坂さつき 科研番号25K00392)が2025年からスタートした。ここでは、これまでの生命倫理研究といういわば外側からの理論研究だけでなく、臨床現場の内側からの研究を2028年まで進めることとした。2024年度までの研究の集大成となることを目指している。
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