Project/Area Number |
23K21926
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Project/Area Number (Other) |
22H00654 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
傳 康晴 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (70291458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 圭祐 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (20962509)
高梨 克也 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (30423049)
岡本 雅史 立命館大学, 文学部, 教授 (30424310)
居關 友里子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (70780500)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | コーパス言語学 / 相互行為言語学 / アノテーション / 発話アドレス |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、会話において発話を他者に宛てる(アドレスする)行為に見られる多様性を、会話コーパスへのアノテーションに基づく実証的分析により明らかにすることである。具体的には以下のことを行う。 課題A:発話のアドレスのアノテーション手法を開発し、会話コーパスに施行する。 課題B:Aに基づき、以下の観点から会話におけるアドレスの多様性の実態を明らかにする。B1)アドレス手段の多様性、B2)アドレス先の多様性、B3)アドレスの多層性 これにより、多人数コミュニケーションの革新的なモデルを構築するとともに、多様なコミュニケーション状況における会話支援の方策を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、会話において発話を他者にアドレスする行為に見られる多様性を、会話コーパスへのアノテーションに基づく実証的分析により明らかにすることである。今年度は、日本語用論学会で本研究課題に関するワークショップを開催した。これを含め、以下の成果を得た。 【課題A・B1】前年度策定したアノテーション方針に基づき、『日本語日常会話コーパス』を対象としたアノテーションを遂行した。その結果、とくに非言語的手段について、タグセットの拡充やタグ付与対象の再検討の必要性が見出されたため、再度リストアップ作業を実施し、新たなタグセットと作業方針を策定した。これらの成果について、上記ワークショップで報告した。 【課題B2】発話のアドレス先以外の第三者に向けた行為が何を達成し得るのかについて検討するために、発話による反応が期待されない伴侶動物や乳児に対するアドレス行動の微視的分析を行った。また、これらを含む、日常会話場面や格闘技の集団練習場面を総括して、発話のアドレス先と行為の向け先との関係を行為の種類の観点から整理した。これらの成果について、上記ワークショップで報告した。 【課題B3】エピソードトークの巧拙を測る尺度としてラジオパーソナリティの非流暢性の定量的分析を行い、その成果を学会で報告した。さらに、実況アナウンスにおけるアドレス性を考察するため、駅伝実況における間投詞「さあ」の談話機能を分析し、その成果を学会で報告した。 【体系化の試み】関連性理論や言語行為論、会話分析などの関連分野の知見に基づき、アドレス行動の認知語用論的モデル化についての理論的な検討を行った。この成果について、上記ワークショップで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題Aに関して、より大規模なコーパスへのアノテーションの試行によって、問題点を炙り出し、より洗練された作業方針を策定できた。これにより、アノテーション基準はほぼ固まった。課題B1~B3についても、具体的な事例に基づいた分析が進み、実証的な観点からの体系化も進みつつある。さらに、理論的な体系化についても、関連分野の整理と独自のモデル化が進んだ。以上のように、当初予定と比べておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績に挙げた4つの項目について、引き続き推進する。とくに、最終年度である次年度は、課題Aの実データへのアノテーションの量を増やすとともに、実証的・理論的観点からのアドレス行動の体系化を完成させる。
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