Project/Area Number |
23K22001
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Project/Area Number (Other) |
22H00729 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
森下 章司 大手前大学, 国際日本学部, 教授 (00210162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 大樹 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員教授 (00612433)
高橋 照彦 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (10249906)
長友 朋子 (中村朋子) 立命館大学, 文学部, 教授 (50399127)
山本 堯 (山本 尭) 公益財団法人泉屋博古館, 学芸課(本館), 学芸員 (90821108)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 考古学 / 東アジア / 飲食 / 饗宴 / 図像資料 / 庖厨 / 飲食器 / 古代東アジア / 供膳形態 / 饗宴システム / 飲食儀礼 / 比較研究 / 饗宴形態 |
Outline of Research at the Start |
古代東アジアでは、政治機構の場において大規模な宴会を開催することが、君臣関係の確認や維持に重要な役割を果たし、それに必要な庖厨施設、飲食器の制度が整えられた。中国で生まれたこの「饗宴システム」の実態、朝鮮半島や日本に与えた影響、時代による変遷や地域的な変容を、図像・出土品・文献など多彩な資料を通じて解明する。生活史的な観点から扱われてきた飲食関係資料に対し、政治制度と関連付けた歴史資料としての新たな意義を見出し、古代東アジアの統治機構の特質、その影響関係について新たな側面から解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
中国殷周代の青銅礼器と儀礼・社会との関わり(山本)、秦漢代の図像・文献資料・出土飲食器資料による庖厨・饗宴形態の復元と統治機構における役割(森下)、科学分析データ収集による古代中国の飲食物内容の復元(菊地)、朝鮮半島~弥生・古墳時代の飲食器・庖厨形態と地域間の影響関係(長友)、律令期の宮都における飲食器の検討(高橋)という役割分担により、基礎データの蓄積と分析、東アジア各地の様相の比較検討を行った。比較研究の基礎となる漢代の庖厨・饗宴形態の実態については、画像資料の分析を進め、文献記事も利用して統治機関における施設の特徴やその進行状況の復元を行った。図像を出土した墓葬の被葬者の地位・性格や地域性などを考慮しつつ、統治機構・施設との関係性についてまとめ、論文を準備している。殷周代の中心的な飲食礼器である「爵」について、長らく問題となってきた命名の問題とその使用法についての検討成果を研究論文としてまとめられた(投稿中)。朝鮮半島~倭の4~5世紀の生活(炊事)様式の変化についての研究成果をまとめ、2024年度の国際学会で発表予定である。また同時期の日本古墳時代の飲食器の供献形態を復元する上でもっとも良好な資料となる、行者塚古墳西造り出しにおける食物形土製品・土器の出土状況についての詳細な報告を刊行した。古墳での供献という特殊な状況ではあるが、飲食物の内容と器との関係を示す基礎資料となる。以上のような各分野における検討成果を比較しつつ、古代東アジアにおける庖厨・供膳形態の影響関係や違いに関する議論を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎的な資料収集・整理作業の中で、作業が遅れているものがある。戦国~漢代の耳杯資料の集成は作業が続いており、目的の法量分析には至っていない。法量のちがいや使い分けの視点から、他地域の個人別飲食器との比較を進めるという検討が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎作業として引き続き中国、朝鮮半島、倭における飲食形態に関する画像資料・出土器物・文献記述など関連資料の収集・集成を行い、各地域における庖厨・饗宴の実態復元を進める。中国においては動植物遺存体の分析・報告例および炭素同位体分析を利用した食性復元データが爆発的に増加しており、さらに情報を収集、整理して古代中国の飲食の実態を検討する。殷周代の青銅礼器、漢代の画像資料については集成作業がほぼ完了しており、遅れている耳杯など飲食器資料の集成を完了する。その法量分析を通じて、戦国~漢代の個人別飲食器の具体的な使用方法や配膳方法を検討する。本年度の新たな研究視角として、近年多くの成果が発表されている漢代の郡県統治機関の制度や実態に関する文献研究成果を盛り込むことを計画している。墓の被葬者の身分やその政治的役割と連結し、統治機構における庖厨・饗宴形態の復元とその統治機構への組み込まれ方について研究成果をまとめる。 中国で誕生した庖厨・饗宴形態の朝鮮半島・倭への伝播については、5世紀における炊事様式の影響関係を今後の検討視点のひとつとする。古墳での供献例などを元に、個人別飲食器の使用法・配膳形態を中国の状況と比較する。 以上のような基礎作業・検討作業を各研究者の分担で進めると共に、各自の研究成果の検討会を実施して、東アジアにおける地域の比較検討や問題点の抽出に努める。
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