Project/Area Number |
23K22022
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Project/Area Number (Other) |
22H00750 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04010:Geography-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八反地 剛 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (00418625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土志田 正二 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, 研究員(移行) (20526909)
小倉 拓郎 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (50906154)
古市 剛久 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 森林総研特別研究員 (60464202)
田中 靖 駒澤大学, 文学部, 教授 (80348888)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥12,740,000 (Direct Cost: ¥9,800,000、Indirect Cost: ¥2,940,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 地形 / 斜面崩壊 / 土砂災害 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では谷頭斜面での表層崩壊から谷頭凹地の形成、そして次の表層崩壊に至るまでの一連の谷頭地形の発達を「表層崩壊ライフサイクル」ととらえる。この崩壊から次の崩壊に至るまでの1サイクルを対象として、崩壊後数年間、数十年間、数百年間の3つのタイムスケールに焦点を当て、谷頭地形の変遷を明らかにする。さらに、このサイクルに対する過去特に中世以降に生じた人間活動の影響についても明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では谷頭斜面での表層崩壊から谷頭凹地の形成、そして次の表層崩壊に至るまでの一連の谷頭地形の発達を「表層崩壊ライフサイクル」ととらえ、そのサイクル内で生じる主な地形プロセス、谷頭における土層の形成速度、あるいは過去の人間活動がこれらのプロセスや速度に与える影響を明らかにすることを目的とする。 崩壊直後の数年間程度の地形変化に関する分析として、広島県広島市安佐南区の谷頭凹地・1次谷を対象とした観測を行い、崩壊前に水路地形があった領域では、崩壊後も土砂移動が活発であり、将来的に水路地形が維持される可能性が高いことを見出した。また、崩壊跡地への土砂供給の観点から、静岡県浜松市天竜区において廃道を活用した地形分析により、花崗岩斜面において落石による土砂供給が活発な地形条件を明らかにした。 過去数十年間の崩壊と侵食の関係について分析するため、広島県広島市安芸区を対象として崩壊地の地形条件を分析した。その結果、集水面積の大きい水路頭では崩壊が発生しやすいこと、さらに水路頭の集水面積が大きな水路頭では、100年以内に崩壊が再発するケースがあることを示した。 崩壊後数百年以上の長期的な地形変動に関する解析を行うため、広島県広島市と山口県防府市の谷頭凹地の埋積速度を推定し、近代のハゲ山化やそれ以前の城郭建設など人為的な影響を受けた斜面では、埋積速度が大きいことを明らかにして、その成果を国際誌において発表した。2023年度には宮城県丸森町において、同様の手法を適用するための現地調査を行ったほか、山口県防府市では渓流区間において炭化物試料を採取し、過去の地形変動と崩壊・土石流の関係について分析を進めている。また地形に対する人為的影響を評価するため、LIDAR DEMを用いて城郭地形の特徴を明らかにするための分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
崩壊直後の数年間程度の地形変化に関する分析については、いくつかの調査項目は残されているものの、概ね現地での調査や観測を終えており調査結果の整理が進められたことで、2023年度には複数の学会発表を行うことができた。一方、山口県防府市における数年間の地形変化に関する分析についてはまだデータ取得の段階にある。 過去数十年間の地形変化に関する分析について、2022年度に導入したUAVを用いて作成したDEMなどの分析も進められており、研究結果が取りまとめられて、会発表の段階まで進んだ。このサブセクションテーマにおいてもいくつか追加の課題が残っているものの、論文執筆の段階に入っている。 崩壊後数百年以上の長期的な地形変動に関する解析について、広島県広島市と山口県防府市の研究成果を国際誌において発表することができた。一方、宮城県丸森町において、同様の手法を適用を試みたが、東北地方太平洋沖地震による地殻変動の影響を除去する方法について工夫が必要である。現地の実態がよくわかっていない部分も残されており、さらに分析や追加での調査が必要な状態である。数値シミュレーションによるソイルクリープによる土砂供給と、LiDAR DEMと炭素年代から得られた埋積速度の比較について、2023年度には分析・考察が進められており、論文執筆を進めている段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2022年度から2023年度までに得られた研究成果についての国際誌での誌上発表を中心に進める予定である。 崩壊直後の数年間程度の地形変化に関する分析については、広島県広島市の1次谷における研究について誌上発表のための準備を進めており、2024年度後半には国際誌に投稿する。一方で山口県防府市における数年間の地形変化に関する分析については、追加での調査が必要である。2024年度10月までにデータ取得を終えて、その後年度末にかけて研究成果をとりまとめて、年度末に学会発表を行う予定である。 過去数十年間の地形変化に関する分析について、広島県広島市における表層崩壊による水路頭の変動に関する研究成果を取りまとめる予定である。この研究成果は、2024年度後半には国際誌に投稿・誌上発表を行う計画である。 崩壊後数百年以上の長期的な地形変動に関する解析について、数値シミュレーションによるソイルクリープによる土砂供給と、LiDAR DEMと炭素年代から得られた埋積速度の比較に関する成果を取りまとめ、2024年度前半に国際誌に投稿し、誌上発表を行う。過去の地形改変などの人為的な影響を受けた山地地形の分析方法に関する研究成果について2024年度前半に国際誌に投稿し、誌上発表を行う。データの補強や新たな課題が生じているいくつかの課題について、2024年度は主に山口県および宮城県において調査を行う予定である。
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