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コンタクト・ゾーンの紛争処理

Research Project

Project/Area Number 23K22049
Project/Area Number (Other) 22H00777 (2022-2023)
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeMulti-year Fund (2024)
Single-year Grants (2022-2023)
Section一般
Review Section Basic Section 05010:Legal theory and history-related
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

仁木 恒夫  大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (80284470)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉田 直起  亜細亜大学, 法学部, 講師 (40851720)
和田 仁孝  早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80183127)
李 英  岡山大学, 社会文化科学学域, 講師 (90848938)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Keywords紛争処理 / 法多元主義 / コンタクト・ゾーン / 比較研究
Outline of Research at the Start

本研究は、ある司法過疎地域を対象に、そこでの紛争処理の実態の把握をとおして、法多元主義の具体的なあり方を解明する。当該地域は司法過疎地域であり、紛争処理においても非公式の規範秩序が顕在化しやすいことが予測される。また、朝鮮半島に近いことから韓国との交流が盛んであり、来訪した韓国人との紛争が頻回に生じるため、ここにも固有の規範秩序があらわれることが推測される。こうした環境における紛争処理の場を、異なる文化が出会い、衝突し、格闘するコンタクト・ゾーンととらえ、そこで「公式の国家法秩序」「非公式の土着規範秩序」「外国人の規範秩序」が相互作用する法多元主義的現象を理論的かつ経験的に明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

まず、6月から研究会を実施し、共同研究者間での共通の基盤形成を目的として、アメリカの法人類学・法社会学の法多元主義についての包括的な議論の整理検討を行った。その後は、各自で関心のある文献資料の検討を進めている。
7月までは現地調査の準備を進め、主要調査対象地の市役所に連絡をとり8月に現地調査を実施した。市役所の担当者への聞き取り調査により、この地域の住民の日常的なトラブル持ち込み先の機関として「区長」と「行政相談委員」が利用されていることが明らかになった。さらに9月にはこの地域の行政相談委員全員に聞き取り調査を実施し、これまで扱ったトラブル事案の知見を得た。そこでは、本研究の当初に想定していた、外国人観光客らのふるまいに対する住民からの苦情や、近隣での生活規範と制度的規範との交錯をうかがわせる相談などをふくむ、多くの事案の概要を収集することができた。その中の一部の個別事件につき、2月に、行政相談委員と当事者に詳細な聞き取り調査を実施した。また、2023年度の実施なったが、観光物産協会でも聞き取り調査を実施した。コロナ禍の影響で大幅に減少した海外からの観光客の来島が、少しずつ増加に向かっていること、現在特に外国人観光客の出入りの多い島北部の実情について情報を得て、文献による知見を補充している。
自治体調査と並行して裁判所での審理の参与観察も行っている。ただし、事件数は多くはなく、口頭弁論期日に傍聴を実施できる機会はきわめて少ない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

概ね研究計画にそって研究は進展している。当該地域の住民、海外の観光客がかかわる紛争について重要な知見を獲得できた。
研究会を開催し、法多元主義の理論的検討としてMerry、Moore、Starr and Collierらの概括的な議論の知見を共有したのちは、それを前提として各自の関心にそって洗練をはかっている。本研究の共通の観点であるContact Zoneというアイデアについては、Prattの文献を批判的に検討し、直接的な植民地主義的状況にあるとはいえない本研究の対象地域に妥当するような組み換えの可能性を探った。また、当該調査対象地の実情を把握するために、地域経済、地域文化、地域慣行、歴史など様々な関連文献で一般的な知識の獲得を行った。
経験的調査については、とりわけこの地域の住民にとってもっともアクセスがしやすいと思われる公的機関の自治体および行政相談委員に聞き取りを実施し、その活動の詳細を知ることができた。そこでは、住民の日常的なトラブルにどのようなものがあり、どのように対処されているのかについても多くの知見を獲得した。また、観光物産協会に聞き取り調査を実施し、当該地域の主要産業である観光業の近年の傾向について重要な資料を収集できた。一方で、裁判所での参与観察調査も継続的に実施しているが、まだ十分な資料が得られてはいない。
なお、2023年度の研究成果の一部に基づいて、共同研究者の吉田直起氏が2023年5月の日本法社会学会で報告を行っている。

Strategy for Future Research Activity

研究はほぼ計画通りに進行しているが、感染症及び天候の影響を受けて、予定していた非営利法人機関に対する現地調査を一部延期することになった。2023年度は、前年度延期した調査も併せて実施する。研究計画では、2023年度は主たる作業として法テラス法律事務所、ひまわり基金公設法律事務所、司法書士事務所等の法専門職調査を予定している。裁判所での参与観察調査も継続して進める。
研究成果の公表については、2024年度の日本法社会学会の場を予定していたが、2024年度は共同研究者の3名が企画シンポジウムにかかわることになったため、成果の一部を2023年度の学術大会での報告で公表することにした。それと併せて、本共同研究のまとまった成果の一部は、2025年度の学術大会でミニ・シンポジウムとして組織する予定である。
2023年度以降は、感染症が沈静化してきたので、対面での研究会の実施も予定している。

Report

(1 results)
  • 2022 Annual Research Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 法曹養成制度の光と影2022

    • Author(s)
      和田仁孝
    • Journal Title

      法学セミナー

      Volume: 9月号 Pages: 6-12

    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Journal Article] たたかいと法のアンビバレンス2022

    • Author(s)
      和田仁孝
    • Journal Title

      法学セミナー

      Volume: 12月号 Pages: 18-23

    • Related Report
      2022 Annual Research Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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