Project/Area Number |
23K22097
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Project/Area Number (Other) |
22H00825 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | National Institute for Defense Studies |
Principal Investigator |
庄司 智孝 防衛研究所, 地域研究部, 研究部長 (70933307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山添 博史 防衛研究所, 地域研究部, 研究室長 (20933328)
仙石 学 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (30289508)
工藤 年博 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30450498)
長谷川 雄之 防衛研究所, 地域研究部, 研究員 (30933329)
今井 宏平 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (70727130)
益尾 知佐子 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90465386)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 権威主義 / ネットワーク / 中国 / ロシア / 東南アジア / 中東 / 東欧 |
Outline of Research at the Start |
当該研究プロジェクトは、民主主義の後退と権威主義の台頭、ウクライナ戦争を契機とする中ロの連携強化、いわゆるグローバル・サウスの台頭といった国際政治の趨勢を概括しつつ、BRICS、一帯一路(BRI)、上海協力機構(SCO)といった中国を中心とする国際協力の枠組みや非公式の連携が、東南アジア、中央アジア、中東等の権威主義諸国の体制維持強化に寄与していることを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
中国の経済的・軍事的台頭が、国際社会において権威主義体制国家間の協力関係を強化し、そのネットワーク化を促進する、という本研究課題の中心仮説を立証すべく、2023年度も前年度に引き続き、プロジェクトメンバー間の研究会と海外調査旅行を実施した。 研究会はオンラインと対面双方で複数回実施し、ミャンマーを中心とする東南アジアとポーランドを中心とする東欧諸国における権威主義体制国家の内政、中ロとの協力関係に焦点を当てた外交について発表・討論を行った。研究会の実施により、発表を行ったメンバーは自らの専門地域・国に関して問題意識を深め、今後の研究を促進する契機となった一方、その他のメンバーは他地域・国の状況に関する理解を深め、自らの専門地域・国との比較考察に有益な視点を得た。 海外調査旅行に関しては、トルコと東南アジア(マレーシア・シンガポール)に赴き、当地の政府機関(国防省、外務省他)、大学、研究機関を訪問し、実務家・専門家との意見交換を実施した。現地の専門家の視点は当該テーマの考察にきわめて有益である一方、当方の専門的知見を先方に提供することにより、広い意味での国際的な知的交流に貢献することもできた。また現地の空気に触れることは、間接的に研究のインスピレーションを与えてくれた。また各メンバーはそれぞれ専門地域・国を中心として海外調査旅行を実施し、専門性の深化をはかった。 2023年度に特筆すべき活動としては、学会でのパネル発表がある。日本国際政治学会研究大会のロシア東欧分科会において、当該テーマに基づきメンバー2人による発表を行い、1人は司会と討論を担当し、メンバー外の専門家の参加も得て、きわめて有益な議論を行うことができた。さらに、パネル発表の実施により、当該テーマの重要性や興味深さについて、専門家に対し広く周知することができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度までにメンバー間の研究会において、各専門地域・国の発表を一巡し、当該テーマに関する各地域・国の視点をメンバー間で共有することができた。またメンバーそれぞれが、自らの専門地域・国を他と比較考察するために有益な視点を得ることができた。さらに、中国を中心とする権威主義体制国家間の公式・非公式の協力関係とネットワーク化の現状、全体像と展望につき、メンバー間で知見を共有すると同時に、それぞれの専門地域・国がそのネットワーク化にどのように関与しているのか、またそうした関係性がそれぞれの国家の体制維持強化にどのように作用しているのかにつき、有益な視点と研究上のインスピレーションを得ることができたと考える。 さらに複数回の海外調査旅行の実施は、各地域・国の内政外交の現状を直に認識し、空気感を肌で感じることができるきわめて有益な機会となった。以上の点から、今年度までに、本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
発表の一巡と複数回の海外調査旅行の成果を踏まえ、今後は、各専門地域・国に関する発表の二巡目を開始する。その目的は、発表の一巡目で実現した各国事情の知見の共有と比較の観点を礎に、かつロシアのウクライナ侵攻や米中対立の激化といった刻々と変化する国際社会の大きな動きに直面して変化する各国事情の現状を新たに踏まえ、各メンバーの研究成果を新たに発表し合い、議論することにより、当該研究課題をさらに進展させるためである。 同時に、中国を中心とする権威主義体制のネットワーク化の理論的含意を探り、とりまとめる作業にも着手する。 さらに、今年度も共同の海外調査旅行を企画実施し、対象となる地域・国の現状を調査し、現地の専門家との意見交換により、国際的な知的交流にも貢献する。 当該研究テーマは、比較政治学・国際政治学上の意義深い含意を有すると同時に、大きな変化に直面する国際社会の現状を学術研究に反映するものであり、その現代的意義はきわめて大きいと考える。それゆえ3年という研究期間では到底汲みつくせない重要な側面を多々有するため、今後一層研究を共同で進める方策も検討する必要がある。
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