Project/Area Number |
23K22099
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Project/Area Number (Other) |
22H00827 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 照義 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (10387607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
翁長 朝功 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (90823922)
川本 達郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10791444)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,340,000 (Direct Cost: ¥11,800,000、Indirect Cost: ¥3,540,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | ネットワーク / 拡散 / 対称性の破れ / マクロ経済 / システミック・リスク |
Outline of Research at the Start |
近年のSNSの普及や人流・金流のグローバル化は、影響力の伝播や感染症の拡大、および国際的な金融危機の連鎖など、様々な領域において大域的な拡散現象が発生し得る経路を急速に増加させている。本研究では、社会・経済における様々な「つながり」が形成するネットワークの構造に焦点をあて、ネットワーク上で発生する多様な拡散現象のダイナミクスを記述する汎用性の高い解析的枠組みの構築を目指す。 ネットワーク科学で近年発展してきた解析手法を駆使し、ゲーム理論、金融論、マクロ経済学の分野に拡散の動的解析を導入することで、拡散現象の分野横断的な基礎理解を与える。
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Outline of Annual Research Achievements |
社会・経済的繋がりで形成されるネットワーク上で起こる様々な拡散現象を数理モデル化する取り組みを主として行った。第一に、情報が不完全である場合(相手の状態が観察されない場合)における拡散現象はこれまで研究の蓄積がほぼないが、本研究では個人が相手の状態をベイズ推計しながらマクロ的な拡散が進んでいく状況をモデル化し、マスター方程式を用いて拡散過程を記述した。 第二に、複数の意見や状態がある場合におけるネットワーク上の拡散現象を数理的に解析した。個人の行動は調整ゲーム的に意思決定を行うことを想定し、その上で異なる意見の広がりの動的過程をマスター方程式によって記述した。結果として、ネットワークサイズが有限である限り、全く同じ魅力を持った意見や状態であっても、どちらか一方が支配的に拡散されるという「対称性の破れ」が発生することが示された。どちらの意見や状態が選択されるかは全くの偶然であり、その動的経路は鞍点経路となる。 これらの論文はそれぞれPhysical Review E, Journal of Economic Dynamics & Controlに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果は複数の海外査読誌に掲載されており、当初の計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き地道に数理モデル化に取り組むことに加え、データを入手することで現実のネットワーク上でも理論的に示された現象が発生し得るのかを確認していく。
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