Environmental and Economic Philosophy and Consumption Indicators for a Decarbonized Society
Project/Area Number |
23K22104
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Project/Area Number (Other) |
22H00832 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07020:Economic doctrines and economic thought-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 努 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (40281779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 尚 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (20612831)
桑田 学 放送大学, 教養学部, 准教授 (20745707)
後藤 玲子 帝京大学, 経済学部, 教授 (70272771)
根本 志保子 日本大学, 経済学部, 教授 (70385988)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 環境 / 脱炭素化 / 経済思想 / 指標 / 脱炭素 / ウェルビイング |
Outline of Research at the Start |
本研究は、脱炭素社会を実現するために、いかなる環境経済倫理の理念およびその規準を採用すべきかという問いに回答する。 現代の経済思想、環境「徳」倫理学、気候的正義論、および環境シミュレーション分析の成果を踏まえて、本研究は「弱い/強い持続可能な消費」をめぐる複数の理念と規準の問題を解明する。対立する経済倫理構想を吟味しつつ、市民および自治体が討議を通じて採用しうる総合的なウェルビイング(幸福)指標(とりわけその家庭消費部門)に学術的資源を与える。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、脱炭素社会に向けての環境経済思想について、単著Liberalism and the Philosophy of Economics, London: Routledge, 2022.9.の第10章、Modernity, Postmodernity, and Lost-Modernity: On the Ethical Driving Forces of Capitalism を発表した。これは21世紀以降の「ロスト近代」という時代が、環境倫理を駆動因として作動する社会であることを、それ以前の「近代社会」や「ポスト近代社会」との違いで捉えた理論である。脱炭素社会を実現するために、いかなる環境経済倫理の理念を採用すべきかという根源的な問いに対する、一つの応答とみなすことができる。 この他、本研究では、研究会を開催して、脱炭素社会に向けての環境倫理を検討する研究を共同で進めた。2022年10月19日、オンライン研究会(報告 熊坂元大「ロナルド・サンドラー著『環境徳倫理学』熊坂元大訳、勁草書房について」)、および、2023年1月28日大分大学/オンラインのハイブリッド研究会(松野弘著『現代環境思想論』ミネルヴァ書房、2014年について)をそれぞれ開催した。後者の研究会で取り上げた松野氏の著作は、その当時の環境思想を総合的に紹介しており、一つの研究地平を与えている。本研究では、この先の研究を目指すことを一つの共通関心とした。 この他、脱炭素社会に向けての環境倫理と環境指標に関する、英語文献の情報を収集した。2000年以降の文献で、本研究にかかわる英語文献は、図書のみでも400冊以上あることが判明した。これらの文献について、北海道大学および国内の大学の図書館の所蔵を調べるとともに、所蔵されていない多くの文献については、これをさまざまなルートの書店を通じて発注する計画を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、研究課題の整理と検討をするという計画を立てた。第一に、2000年以降の環境倫理および環境指標の研究に関する文献収集を行った。文献は、重要な著作だけでも、400冊に及ぶことが分かった。これらの本を入手するとともに、どの文献がどのような意義をもつのかについて、検討を開始した。第二に、研究会を通じて、環境倫理や環境思想に関する研究をサーベイした。具体的なテーマとして、新古典派の思想(ノードハウス)、新古典派の環境理解に対する批判(Sagoff)、ディープエコロジー、コッチャの思想、リフキンの思想、エコロジズム、ブクチンの思想、環境プラグマティズム、環境アクティビスト/アナキズムの動き、ゴルツの思想、フォスターの思想、気候正義論、熟議民主主義(とりわけドライゼクの熟議環境論)、気候工学、脱成長論、デイリーの定常状態論、人新世論、ハルトムート・ローザの環境社会学、ドイツ緑の党の思想、エコ社会主義、エコ・フェミニズム、エコロジー文学、モートンの思想、などが重要である。これらの思想について、分担者とともに検討を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究に必要な文献を引き続き収集する。そしてどの文献がどのように重要であるかについて検討をすすめる。また、環境倫理や環境思想に関する諸研究のサーベイを、引き続き続ける。日本では、欧米の環境倫理や環境思想の導入が遅れており、研究の蓄積が薄い点に問題がある。そこで本研究では、このサーベイを『環境思想入門(仮題)』というテーマのもとに書籍として成果を発表する予定である。これはこの研究の前半の課題である、「研究課題の整理と検討」を、それ自体として成果にして公表しようというものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)